茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1504回【脳のライザップ！】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１５０４回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、このところ気になっているあのこと。

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「ライザップ」のことが気になって仕方がない。と言っても、自分が行く、というのではない。ぼくは基本的に自分の身体つくりは自分で考えて自分のペースでやりたいので、トレーナーとかがいるというのは向いてない。でも、そっちの方がいいという人もいるだろうから、そういう人は行くのもいいだろう。

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「ライザップ」と言えば、あのコマーシャルである。最初に見たのはパンフレットで、タクシーの座席の後ろに、例の永山陽一郎さんが２ヶ月でムキムキになった、というのをやっていた。最近はテレビコマーシャルもやっているらしく、ぼくは一度も見たことがないが、さっきyoutubeで確認した。

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コマーシャルには、永山陽一郎さんも出てきた。最初はお腹ぽってりなのが、次にはムキムキになって笑っている。面白いと思うのはその表情である。お腹ぽってりの時はうなだれているのに、ムキムキになるといかにも自信ありげの笑顔になっている。ライザップの価値観は、つまりそういうことだ。

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お腹ぽってりはみっともなく、ムキムキは素敵、というのは、政治的に正しい文脈で言えばボディ・ファシズムということになるけど、そんなややこしいことを言う必要はない。単純にライザップのCMはよく出来ていると思うし、話のネタとしては面白い。ぼくは行かないが、行く人は頑張ってください。

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ところで、永山陽一郎さんのようにムキムキになって破顔一笑になるのは良いと思うが、その時気になることがある。あれって、リバウンドしないのか、ということ。ライザップのプログラムはかなりキツイらしく、その状態をずっと続けるのは難しいような気がする。

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そこで僕が思うのは、むしろ「脳のライザップ！」をしたらいいんじゃないかということ。（笑）。脳がさまざまな体験をして、感動したり、気づいたりすると、それはリバウンドしにくい。一度得たものは、脳の場合は一生もので、普通にメンテナンスしていれば、ずっと続いていく。

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身体は、無理してつくるとそれを維持することがストレスになってしまうが、脳の場合は、経験の一回性が不可逆変化を起こして、それが新たな基礎になる。だから、身体を鍛えるのもいいけど、脳を鍛える、というか感動させることはさらにいい、とぼくはライザップのCMを見て思ってしまうのだ。

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ライザップでは、ムキムキの身体を得た人の表情が変わっているけど、感動して、学び、新たな気付きを得た人の顔の表情は、根本的に変わっていると思う。小林秀雄は、惜しいのは生命だけだ、一日でも長く生きていれば、それだけ多くのことに気づけると言ったそうだが、学びは本当に人の表情を変える。

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以上、連続ツイート第１５０４回「脳のライザップ！」をテーマに、８つのツイートをお届けしました。