【燭台切光忠】刀が蒸し焼きになるということを、科学的な見地から考察してみた

萩原 @gihara_ さんのツイート群が非常に興味深かったので、ざっとまとめてみました。火事の際、蔵の中で何が起こっていたのか考察です。なぜ貴重な収蔵品をすぐに取り出し、保護できなかったのかいう疑問への答えにもなっていると思います。 ※本まとめに当初使用させていただいていたツイートが、パクツイであるとのご指摘をいただきましたので、該当のツイートを差し替えました。ご教示ありがとうございました(2015/05/18 23:03追記)
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香南@審神者 @kanan624

燭台切光忠。ツイッターに流してもいいということだったので遠慮なく。蒸し焼きなので中身が無事かは不明、刀身は完全な状態で残っているが波紋はなく、黄色い所ははばき?が溶けたものだとのこと。数年前の関東大震災による被害をも乗り越えて保存。 pic.twitter.com/PaONiYmfTW

2015-05-17 10:21:37
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昴星@⚜ @1015_star

御殿は焼けてしまったが武器庫は焼けてなかった。しかしバックドラフト現象で、倉の扉を開けた瞬間蒸し焼きになってしまった。蔵自体は無事だったので燭台切の仕舞ってある場所も特定できた。故に焼けていても分かったと。

2015-05-17 10:16:11
萩原 @gihara_

一酸化炭素充満した蒸し焼きの蔵のおそろしさ。あらゆる木材が燃えずに黒く炭化していく。燃焼せずに、あらゆる酸素を含むものから酸素が奪われ炭素だけになっていく。単に一酸化炭素だけならここまでならないが。温度が加わると鉄だろうが焼ける。蔵というより陶器を焼く窯になる。

2015-05-17 10:44:12
萩原 @gihara_

炎のない火事は、普通は部屋が密封に…ぐらいが限界だが、大火事で蔵周りもろとも火に巻かれると規模が違う。風がないのに温度で風ができる。隙間風を際限なく吸い続ける。炎が出ないから温度上限がなくなる。音が歪む。下手に蔵が頑丈だから、燃え尽きて均衡が崩壊しない。

2015-05-17 10:48:38
萩原 @gihara_

バックドラフトで焼けたなら、それこそ、速度が極めて高い炎の滝で表面をまんべんなく『洗われた』状態だろう。蔵が蓄えた一酸化炭素の量が多いほど、吸い込む空気は莫大になる。その後の爆炎も。吸った空気から爆薬並の熱量と火炎を生み出す。小部屋でも家が吹っ飛ぶ。その中に晒されたなら。

2015-05-17 11:06:06
萩原 @gihara_

刀の鞘が燃えつきて瞬間炭になる。外と触れていた唾飾り、柄は溶ける。刀身がそのままの形なら、バックドラフトではなく蒸し焼きになったんだろう。バックドラフトなら刀身が炎の圧力で吹っ飛んで蔵の壁面やら他のものにぶつかって大変なことになっている。バックドラフトだと和箪笥でも吹っ飛ぶし。

2015-05-17 11:10:31
萩原 @gihara_

火のない火事。不完全燃焼は酸素が足りないために炭素同士が酸素を奪い合って極めて不安定な一酸化炭素になる。よく木炭を作るときに窯をわざと閉じてこの現象を起こさせる。それをさらに外から焼いて温度を上げると、物体の中の酸素まで奪い出す。それが蒸し焼き。

2015-05-17 11:23:26
萩原 @gihara_

バックドラフト確実の蔵は、普通ドアから開けないはず。人が普通に開けたら冷えてても死ぬ可能性がある。壁を外から複数打ち壊して小さな穴を開けて逃げるなりしないと。一酸化炭素吸ったら瞬間意識失って倒れたらさらに吸って二度と…はざら。

2015-05-17 11:26:51
萩原 @gihara_

もしかして、蔵のとんでもなく奥に頑丈な箱に入れて保管されていた? それならバックドラフトの爆発に耐えられたかもしれない。一番奥なら吹っ飛んだものに巻き込まれることは無い。 周りの物が爆炎に晒される壁になったなら、温度にさえ耐えきればそのままの形で焼け身になり得る。

2015-05-17 11:35:30
萩原 @gihara_

よく誤解される火災の話。 木は「燃える時」に「可燃性ガス」を出す。木は燃えたら炭と可燃性ガスになり、炭は燃えたら灰に、可燃性ガスは燃えたらススと二酸化炭素になる。 乾いていればいるほど、可燃性ガスが一気に吹き出る。 木造建築や歴史資材がよく燃えるのはこのため。

2015-05-17 19:11:22
萩原 @gihara_

水をぶっ掛けて火が1箇所消えても、ガスがあるため横から再着火、熱があるから水が乾く、水そのものには火を断ち切る力はなく冷やす効果で消している。可燃性ガスは一定割合で空気と混ざった時に、一気に燃え広がる。おそろしい

2015-05-17 19:14:37