【PBW】トミーウォーカー製PBWでファラオ・ゲームは成立するか

以下の件についての自分のツイートをまとめました。 ・プレイ・バイ・メイル『蓬莱学園の冒険!』における「ファラオ・ゲーム」の概観 ・現在のトミーウォーカー運営のPBW(特に『ケルベロスブレイド』)で、それが起こり得るか、という問題 ツイート及びまとめ主は、ネットゲーム90『蓬莱学園の冒険!』の「90年動乱」をはじめとする「PBMとしての『蓬莱学園』」や、PBW『無限のフロンティア』、他社製のPBWに関しては詳しくないので、そこはご容赦いただけると幸いです。 続きを読む
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幻楼斎/西野都 @genrousai

とりあえず、電車に乗ったので、「PBWと『ファラオ・ゲーム』」についてツイートを。引用元は、この話の源となったツイートであります。 twitter.com/match_bo/statu…

2015-05-19 08:32:52
マッチ棒 @match_bo

PBMやらない? と「ケルベロスブレイド」の紹介を受けたけど、ネットゲームは結構トラウマ。またファラオ・ゲーム(蓬莱学園用語)に巻き込まれたりするのかな。という怖さが・・・・・・

2015-05-18 22:19:06
幻楼斎/西野都 @genrousai

まず「『ファラオ・ゲーム』とは何か?」という命題から答えなくてはいけませんが、これは「権力闘争」と「『王』(後述)による扇動と、ルールの敷衍による結果の搾取」と言えると思います。詳細は下記URLの下の方を参照。 satetsuginokikakuha.hatenablog.com/entry/20070520…

2015-05-19 08:36:33
幻楼斎/西野都 @genrousai

こうした状況の発生した背景としては、元ネタのネットゲーム90『蓬莱学園の冒険!』において、大規模組織が文字通り絶大な権力を持っていたことがあると思います。 ※私は蓬莱学園についてはTRPG版や、その後の蓬莱学閥の方々の話を聞いた程度なので、不正確な部分があるかもしれません。

2015-05-19 08:41:47

ネットゲーム90『蓬莱学園の冒険!』では、数多くの組織が活動していました。
武装SS(生活指導委員会)、図書委員会、退学執行部、校内巡回班、学園銃士隊、裸人教団、狂的科学部、海洋冒険部、お料理研究会、黄昏のペンギン……。
小説やまとめ書籍などでも見ることができる綺羅星の如き組織群の織り成すケオスが、蓬莱学園の魅力の一つであるのは疑いないところでしょう。


幻楼斎/西野都 @genrousai

特に、NG90『蓬莱学園の冒険!』で扱われたSS(生活指導委員会)と学園の内戦「90年動乱」においては、バックのオカルト話含めて、多くのクラブが跋扈していたと聞きます。で、結果必要になるのが「数の力」なんですね。個人に焦点を当てるよりも、組織単位の方が当たりやすいから。

2015-05-19 08:50:18
幻楼斎/西野都 @genrousai

さて、前回「数の力」と「組織単位のほうが当たりやすい」という話をしましたが、これはPBMのリプレイ(行動の結果として返却される小説)の形式が大きく影響している、と思います。PBMのリプライは、基本的に地域などで区切られているのですね。

2015-05-19 19:45:35
幻楼斎/西野都 @genrousai

私の数少ないPBM経験(『カナン 最後の神』)からで恐縮ですが、地域毎となると、全体の状況が動くような状況を優先することになるので、組織のほうが動きやすいのですね。もちろん、個人の活躍も可能ですが、PBMには、行動の「没」というリスクがあるので、けっこうきついものがあります。

2015-05-19 19:59:53
幻楼斎/西野都 @genrousai

かくして、「状況を動かす力があり」「少なくとも組織単位では出られる(可能性が高い)」組織が主体となり、組織同士のファラオ・ゲームが発生したのではないか……というのが、『蓬莱学園の冒険!』におけるファラオ・ゲームに関しての私の意見です。

2015-05-19 20:03:16
幻楼斎/西野都 @genrousai

と、ここまでPBMに関するお話です。以降はPBWに関する話になります。例示として、『ケルベロスブレイド』の前の作品で、現在稼働中の『サイキックハーツ』を例に取らせていただきます。

2015-05-19 20:05:12
幻楼斎/西野都 @genrousai

PBWの場合、リプレイの区分は「行動単位ごと」が基本です。サイキックハーツでは8人程度となりますが、基本的に、白紙プレイングや、余程状況や他メンバーのことを考えてないプレイングを出さなければ、基本キャラの描写はあります。

2015-05-19 20:13:16
幻楼斎/西野都 @genrousai

あと、基本的にクラブ・クラス単位での予約となるブレイズシナリオを除けば、サイキックハーツの依頼は組織や交友関係に関係なく抽選され、メンバーが決められます。つまり、基本的には組織の介入する余地はないし、必要もないんですね(サポート要員として入ることは可能ですが)。

2015-05-19 20:17:49
幻楼斎/西野都 @genrousai

つまり、PBWはPBMよりリプレイで扱う範囲が狭い分、個人描写に注力するシステムになっているわけです。ここらは、コンテンツにも現れているので、次はこちらも見て行きましょう。

2015-05-19 20:37:05
幻楼斎/西野都 @genrousai

PBMのサイクルは、介入したい地域・状況に対して、行動(アクション)を送信し、リプライを受け取ります。リプライに没がありうるのは前述の通り。また、全体状況を概観し、参加者の投稿を受け付ける会誌があり、会誌上でのやりとりもありました。しかし、個人間では文字通り手紙が交流の主でした。

2015-05-19 20:43:53
幻楼斎/西野都 @genrousai

つまり、PBMは公式では「アクションとリプライの循環」と「会誌」の2つのレイヤーが存在し、それ以外に「参加者間の手紙のやりとり」という非公式の第3レイヤーが存在していました。第3レイヤー以外では、各プレイヤーキャラクターに関われない可能性があるのも、前述の通りです。

2015-05-19 20:50:25
幻楼斎/西野都 @genrousai

PBWの場合ですと、まず依頼というレイヤーがあり、続いて、公式でサポートされる組織であるクラブ及びクラス(巨大学園が主体という設定なので)という第2レイヤー、「ライブハウス」と呼ばれるトーナメントバトル、イラスト作成、ブレイズゲート……という多くのレイヤーがあります。

2015-05-19 21:08:00

ちなみに、文字数の問題で触れられませんでしたが。
「ブレイズゲート」は、課金することで若干の経験値と、様々な武器を掘ることのできるダンジョンめいた戦闘領域のことです。
Flashゲーム版と、テキストでのオート戦闘版があります。
なお、『エンドブレイカー!』では「ギガンティア」。
『シルバーレイン』では「ゴーストタウン」。
『無限のフロンティア』では「ドラゴンズゲート」という名前で、やはり同様のコンテンツがあります。
(詳細は各PBWによって異なります。テキストでの戦闘が実装されたのはサイキックハーツからです)


幻楼斎/西野都 @genrousai

この、関わることのできるレイヤーの多さもPBMとPBWの違いであり、同時に程度の差こそあれ、どのレイヤーにおいても参加と登場が可能、という共通点があります。ここらも、先のファラオ・ゲームの主体になる「組織」の力が弱くなる要因であると思います。

2015-05-19 22:30:57
幻楼斎/西野都 @genrousai

何せ、やろうと思えば全てを個人で完結できるし、コミュニティで繋がっても、ファラオ・ゲームを仕掛けて結果を搾取する必要がないし、やろうとしても非常に困難かつ利の薄い作りになっています。

2015-05-19 22:33:59
幻楼斎/西野都 @genrousai

ただ、ファラオ・ゲームが起こりうるコンテンツも、実はPBWにはあります。「戦争」です。これは、依頼などで起こったイベントや、現れた強大な敵などの動きの結果、数ヶ月に一度、それらの総決算として行われます。ターン制で、各プレイヤーが思い思いに進撃し、勝利を目指します。

2015-05-19 22:43:58
幻楼斎/西野都 @genrousai

ですが、他のコンテンツのように個人主義では、戦況に対応できないので、戦争時はクラス別の「連合」が用意され、そこで戦術の相談ができるようになっています。特に、「ファーストアタック」次第で戦争開始時の戦況が有利になることもあり、他人を操って、思うようにしようとする人種は現れえます。

2015-05-19 22:54:47
幻楼斎/西野都 @genrousai

ただ、これもやはりファラオ・ゲームの「効率よく操り収奪するシステム」からは程遠いように見えます。戦争で組連合が決めるべきことは、戦争前はファーストアタックの行動と、戦争当日は侵攻先のみです。やることは限定されているし、決まったからと言って、名が残るわけではない。

2015-05-19 23:01:39
幻楼斎/西野都 @genrousai

もちろん、支配そのものを目的とした人の存在は否定しませんが。ただ、この戦争システムもファラオ・ゲームを起こりにくくする形に進化していて、トミーウォーカー最初のPBW『無限のファンタジア』では「円卓」という形で、作戦決定を大手旅団などの多数決で決める形になっていました。

2015-05-19 23:06:30
幻楼斎/西野都 @genrousai

無論、このシステムはファラオ・ゲーム、というか悪意に弱い形式でした(当時の参加者に話を聞くと、問題はあったようです)。その次の『シルバーレイン』の時は、役割事の戦争用結社があり、それぞれの作戦が運営によって採点され、その点数次第で所属者へのプラス修正が変わるようになっていました。

2015-05-19 23:11:15
幻楼斎/西野都 @genrousai

逆に、『エンドブレイカー』はそうした相談を一切排しましたが、現在の『サイキックハーツ』では、組連合という形で作戦相談する場所が再び出現した……という経緯です。運営いわく「消えたシステムには、それなりの問題があって消えている」との事なので、進化はさせているのだと思います。

2015-05-19 23:15:04

--補足
説明なく各PBWの組織名を出して申し訳ありません。
内訳は以上のようになっています。

○無限のファンタジア:旅団
○シルバーレイン:結社
○エンドブレイカー!:旅団
○サイキックハーツ:クラブ