Twitter創作交流企画『色彩決闘』――第二交流フェイズ

『色彩決闘』管理アカウント @sikisaikettou

'△')＜やーっほー '△')＜もう面倒臭いからマイクテストはしないよ。聞こえていなくても僕は知らないからね。文句は整備した技術者に言うと良い。 '△')＜さて明日は遂に決勝戦が行われるよ。色彩の女神は、誰に慈悲を与えてくれるのだろうね。 '△')＜誰であれ、僕は祝福するよ

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'△')＜さてそれじゃあ明日の試合についてお知らせするよ。 '△')＜七位決定戦は【黒の国ニグラタ】対【緑の国フィリトス】 '△')＜強大な兵力を擁し、数多の歴史を刻んできた黒の国 '△')＜風と共に生き、平和の象徴とさえ評される緑の国 '△')＜まるで時代のようだね。

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'△')＜五位決定戦は【白の国アルクーラ】対【茶の国ロウレス】 '△')＜叡智を極め、全てを解き明かし治めんとする白の国 '△')＜自然に溶け、その在り方の流れを変えずに来た茶の国 '△')＜全ては何処へでも流れて行くよ。

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'△')＜三位決定戦は【黄の国イェルナ】対【金の国アルタム】 '△')＜奏術科学と機械技術によって発展して来た黄の国 '△')＜あらゆる鉱石を手に、財という力を得て来た金の国 '△')＜未だ尽きぬ。それもまた色彩の女神の祝福だよ。 '△')＜…… '△')＜そして、

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'△')＜色彩決闘大会、通称コロル・デュエル。この大会の最後を飾る決勝戦 '△')＜【赤の国レダル】対【青の国バイス】 '△')＜コロル・レグナの最南端。燃え尽きるまで燃え盛る。猛る命こそ赤の国。 '△')＜コロル・レグナの最北端。生まれ、やがて還り往く。廻る命こそ青の国。

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'△')＜明日と言う日は、どういう日になるだろう。 '△')＜そして今日と言う日は、どんな意味を持つだろう。 '△')＜時間は有限だよ。ゆっくり休み、羽を伸ばすといい。 '△')＜それじゃあね。 '△')ﾉｼ

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某月某日 会議室 '△')＜奏術師の皆々様々。ご忠告だよ '△')＜如何な結果になろうとそれは神の思し召し '△')＜祝福の女神は既に此処におられる '△')＜ルクレアルの頂点に立つ者に与えられる色彩の女神の祝福。それを守るのが、各国から集められた優秀な奏者師。

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'△')＜そんな奏術師たちがぁ⤴︎ '△')まー⤴︎さー⤴︎かー⤴︎ '△')＜結果如何で騒ぎ出すだなんてぇ⤴︎ '△')＜思ってないしぃ⤴︎ '△')＜でぇもぉ⤴︎

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'△')＜他の国の部屋に変な細工とかされてたら問題だよねぇ〜〜？ '△')＜ねえ〜〜？ '△')＜Yes!家探し!＞('△'

フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

目が覚めたのは夜だった。もう身体の何処も痛まない。本当に、白の奏術は凄いものだ。 ふぅと一息。準決勝は勝った。コロル・デュエルでは五位以内に入れば全ての学校に無料で通えるし、三位以内に入れば賞金も出る。フロリーシャが自分自身の欲求を満たすには既に申し分の無い結果を得たと言えよう。

フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

だからと言って、満足するわけではないが。 「明日は決勝かー」 呟いた声は思ったより明るくならなかった。最初から分かっていた、思っていたことではあるが、少しばかりの後ろめたさが残っている。溜息を吐き出してベッドから降りた。このまま眠る気にはならなかった。 時計は十二時を過ぎていた。

フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

日付が変われば、多色の奏者の会ったって良い。別に会いたいわけではないが、深夜のこの時間と言えどうっかり会う場合だって無いわけじゃないから、部屋の外に出るか否かと言う判断に響くのだ。 部屋の外に出る。足音静かに、適当に歩き回った。

フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

途中で出会った色彩妖精は、どうやら眠らない生き物らしい。少し話して、少し触らせて貰った。見た目通りの大福のようなもちもち感だった。話によると、中身はこしあんらしい。つぶあんが好きだと話したら、チーズと酒が好きだと言われた。 どうやら酒飲み妖精らしい。

フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

色彩妖精と別れた後は、中庭に行った。中央に噴水があり、何本かの木が立っている。フロリーシャはそのうちの一本の根元に座り込み、目を閉じた。 周りから見て、出来る限り死角を選んだつもりだが、どうだろう。自分の色は目立つからなぁ。そう呑気に考えながら、そのままそこで眠りについた。

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

とん、ととん、とん、とん、とん。 軽い足音はまるで、リズムを刻む様に。 とんとんと足で地面を蹴る度、ふわりふわりとその綿菓子の様な髪を揺らして、フィクツィアは城の中を進んでいた。 その両手にいっぱいに抱えている、今にも零れ落ちそうな程の花束が彼女の視界の大半を奪っていたが、

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

器用にもそんな状態に関わらず道を反れる事も誰かにぶつかる事もなかった。もし仮に彼女が転ぶことがあるとすれば、それは花に埋もれた視界のせいではなく、浮かれすぎたが為の慢心からだろう。 そう言える程度には、今の彼女は上機嫌であった。 手にした花々は、城の庭師から貰ったもの。

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

偶々手当の後外に出たら、中庭の手入れをしている所に立ち会って。 手伝いをしたらそのお礼にと、景観を整えるために切ってしまった花々をわけてくれた。 フィクツィアは花が好きだ。花は、皆を笑顔にするものだと思っているから。 彼女が求め研究し続けて来たものがこの花々には詰まっている。

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

折角だし他の代表にもおすそ分けしよう、等と考えて。 零してしまわない様、優しくそれらを抱きしめ直して、ふにゃふにゃと浮かれた顔を隠しもしないまま(とはいえ花のせいで傍からは見えないが)、少女は少しだけ歩を速めた。 (ろっくんやろ、シャンシェはんやろ、フォリアはん、それから――…)

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

金の国の青年。 あの紫青の瞳を持つ彼は、笑ってくれるだろうか。裏庭に行った時の反応からして、花が嫌いな風ではなかったけれど。 (笑ってくれはったら、ええなぁ) とん、とん、ととん、と、 そんな風に考えながら歩いていると、視界の端、足元に何か見えた気がして、少女は一度立ち止まった。

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

花の隙間からそれを覗き込んでみれば、燃える様な紅い髪の女性が一人。彼女には見覚えがあった。 「赤の…？」 昼寝の最中だろうか。なら、邪魔をしては悪い。 静かに横を通り過ぎようとするが、この涼しい木陰の下、あの恰好で寝たらまず風邪を引くだろうと彼女の医者としての勘が告げていた。

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

始めは只の風邪。しかしそれがひょんな事で悪化し、肺炎にかかり、更には死につながるかもしれない。 そんな天文学的可能性を大真面目に想像してしまった彼女は、慌てて己の白衣を脱いで彼女の上に静かにそれをかけた。起こさない様、そっとそっと。 （…あ、そうや）

フィクツィア・アポカリプソ @Apokalipso46

彼女にもおすそ分けを。 白衣の上、彼女の髪と同じ真っ赤な花、それからそれに合うような明るい色の花を、いくつかそっと添えて。 「…お大事に」 殆ど聞こえない程の、小さな声で告げる。 ぽふん、ぽふんと雲の髪を揺らし、少女はまたリズムをとって歩き出した。

フロリーシャ・ラウィーニーア @flou_siki

ふと、目が覚めた。浮上する意識に、持ち上がる瞼。ぼうっとしたままの頭で、なんとなく周囲を見回して、自らの身体に掛けられた白い布に気がついた。 なんだ、これ。 持ち上げる。その際に転がり落ちた幾つかの花に目をやって、首を傾げる。 なんだ、これ。 白い布を広げる。服だった。