島田荘司先生の『EQMM』プロジェクトと綾辻行人先生の英訳版『十角館の殺人』

両方とも、アメリカでミステリの評論・研究およびフランスミステリの翻訳、編集・出版活動をしている不可能犯罪物のマニア、ジョン・パグマイヤー(John Pugmire)氏が深くかかわっています。
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1年前(2014年4月)のツイート

島田荘司 @S_S_Kingdom

NY方向が、大変面白いことになりました。John Pugmire氏と組んで、乱歩以降の日本の傑作本格短編を、次々にEQMM誌に掲載していこうというプロジェクトをスタートさせます。法月林太郎氏の「緑の扉は危険」の掲載が決まり、島田賞の候補にもなった林斯諺の作品に続いて載ります。

2014-04-27 04:49:41
  • 島田荘司先生の「Pの密室」(The Locked House of Pythagoras)がジョン・パグマイヤー氏の協力で米国『EQMM』2013年8月号に載ったのを機に、EQMMプロジェクトが始動。
  • 法月綸太郎「緑の扉は危険」(The Lure of the Green Door)は2014年11月号に掲載された。
  • またその少し前、2014年8月号には台湾の林斯諺(りん しげん、1983- )の不可能犯罪物「バドミントンコートの亡霊」が掲載されている。

※ジョン・パグマイヤー(John Pugmire)氏はイギリス人で、アメリカでミステリの評論・研究およびフランスミステリの翻訳、編集・出版活動をしている。上記の3作品はどれもパグマイヤー氏の協力で掲載された。パグマイヤー氏は『EQMM』ではポール・アルテの短編を英訳している。

2015年4月

島田荘司 @S_S_Kingdom

EQMMプロジェクト、英訳して世界に問う日本代表格の本格短編を探しているのだけれど、これがなかなか見つからない。衝撃度高の、頭脳的設計図内在を条件としているので、バーを上げすぎてるのか。でもやっとまたひとつ見つけた。大阪圭吉「三狂人」。「坑鬼」が傑作の声高いけれど、今はこれだな。

2015-04-22 17:40:46
島田荘司 @S_S_Kingdom

今のところこれでいいかなと思っている短編は、 「心理試験」江戸川乱歩 「赤い密室」鮎川哲也 「三狂人」大阪圭吉 「ロシア館の謎」二階堂黎人 「縛り首の塔の館」加賀美雅之 「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」大山誠一郎 まだ決定ではないけれど。

2015-04-22 17:47:59

※江戸川乱歩「心理試験」はすでに英訳がある。1956年に出版された乱歩の英訳短編集『Japanese Tales of Mystery & Imagination』に収録。

島田荘司 @S_S_Kingdom

Pugmire氏いわく、日本風味は欲しい。「ベイシェンス」や「縛り首」はあまりにカーなので、白人にとってはちょうど我々が外人の書いた乱歩のパスティーシュを読まされるようなものかな。iPSやハイブリッド車も日本型風景と私は思っているけど、英訳時、西洋甲冑を鎧兜に意訳すればよいかな?

2015-04-22 18:25:41
島田荘司 @S_S_Kingdom

コメントくださった皆さんありがとう。参考にします。これはまだ途中だし、米側がOKなら長々やりたいけど、できないかもしれません。横溝さん、泡坂さん、連城さん、綾辻さん、当然探してます。作家の有名度、新人・ベテラン、一切頓着しません。日本風も二の次です。台湾、中国、韓国、OKです。→

2015-04-22 22:27:23
島田荘司 @S_S_Kingdom

あくまで私の信じる論理志向、設計図発想の物差しで、欧米真っ向勝負です。この考え方を理解していただき、自信の推薦作あるなら教えてください。EQMM掲載後はアンソロジーにまとめ、「HONKAKU」とタイトルして友人のNYのLRI出版で刊行の予定です。国内は、これからの交渉になります。

2015-04-22 22:40:36
島田荘司 @S_S_Kingdom

Ellery Queen Mystery Magazine Projectだけれど、以前鮎川哲也先生と作った精選集、全5巻中の私の担当、『奇想の森』から2作をピック。米田三星「告げ口心臓」と、狩久「落石」。ここからもっと選んでもいいと思うけれど、今回はあくまで論理発想構図の重視。

2015-04-30 18:05:47

※アンソロジー『奇想の森』の収録作は以下の18編。

江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」
小酒井不木「痴人の復讐」
本田緒生「街角の文字」
地味井平造「煙突奇談」
岡戸武平「五体の積木」
甲賀三郎「蜘蛛」
米田三星「告げ口心臓」
海野十三「振動魔」
構溝正史「蔵の中」
大下宇陀児「偽悪病患者」
久生十蘭「ハムレット」
大阪圭吉「幽霊妻」
大坪砂男「天狗」
青池研吉「飛行する死人」
横内正男「三行広告」
狩久「落石」
吉野賛十「鼻」
坂口安吾「心霊殺人事件」

このうち、江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」のみ、すでに英訳がある。2008年刊行の乱歩の英訳短編・随筆集『The Edogawa Rampo Reader』に収録。

2015年5月

島田荘司 @S_S_Kingdom

アッパー・ウェストサイドでジョン・パグマイヤー氏と会食。EQMMプロジェクトについて話す。翻訳の中心スタッフ、蘭にいるHo-Lin氏とも話していたが、あらすじで見せてもらえれば充分と言って、サンプルをくれた。ずいぶん短いので少し不安。 pic.twitter.com/VUeC2lfZL4

2015-05-23 17:23:52
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  • ↑ このレジュメはホーリンさんが作ったものではないとのこと
島田荘司 @S_S_Kingdom

これはすなわち、J ハッチングス編集長の、今回は定評を持つ名作の紹介を優先したい意向を示している。甲賀三郎の「蜘蛛」の掲載をほぼ決したという話。これは私も『奇想の森』で採ったし、推薦しているが、現在の自分の意図する論理志向Aランクではなかった。そうなると「落石」などはむずかしい。

2015-05-23 17:36:09
島田荘司 @S_S_Kingdom

確かにわが定評の名作群さえ、英語圏に未だ全然紹介されていないのだから、まずはそうするのが順序かと思う。私の意図は次回ということか。乱歩、横溝、小栗といった大物のベストを順次出していくか。これに加えてジョンは、精選集では密室にこだわりたいと言うから、こちらの考えは少々修正の要あり。

2015-05-23 17:45:38
島田荘司 @S_S_Kingdom

「発狂する重役」掲載号がそろそろ出ると思うよ。そして自分の周囲の人たちは「疾走する死者」に興味を持っている、と彼は言ってくれた。それから自分は台湾の林斯諺氏、二階堂黎人氏の作も待っている。今、中国の御手洗パンダ氏の怪作「人体博物館の殺人」を読んでいると言ったら、筆名に笑っていた。

2015-05-23 18:01:41
  • 島田先生の「発狂する重役」の英訳「The Executive Who Lost His Mind」は『EQMM』2015年8月号(6月末~7月初めに発売)に掲載予定。
  • 中国の若手作家、御手洗熊猫(みたらい ぱんだ、1988- )の「人体博物館殺人事件」は2014年11月に邦訳されている(電子書籍)。アンソロジー『現代華文推理系列 第一集』(電子書籍、2014年11月)にも収録。
現代華文推理系列 第一集

御手洗熊猫,水天一色,林斯諺,寵物先生

  • ↑ ワセダミステリクラブの現役生やOBOGの有志による中国語圏ミステリガイドブック。御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)や林斯諺(りん しげん)の作品についても論じられている。
島田荘司 @S_S_Kingdom

『The Decagon House Murders』の解説文をありがとうと言ってくれ、表紙の絵は、八角形の建物ならあるかなと思い探して見つけた。そしたらポール・アルテが月を合成してくれた。またずいぶん豪華な制作メンバーで、6月頃見本 pic.twitter.com/ULDG3Bzzjp

2015-05-23 18:15:43
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綾辻行人 @ayatsujiyukito

@S_S_Kingdom 解説文、ありがとうございました!

2015-05-23 18:17:47
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