死ぬのがこわくなくなる話 その9 「SHINE会員」
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>私は、26歳の女性です。SHINEの会員です。脱会したいと考えています。けれどそれは不可能なことです。そのことを知ってください。私はある事実を世間に知らせたいです。SHINEは犯罪者集団です。
2011-11-07 00:14:40>警察は一切、助けてくれませんでした。マスコミにも連絡してみましたが、信じてくれません。渡辺さん、あなたがこの事実を広めてくれることに、私は望みをかけています。
2011-11-07 00:14:56>渡辺さんのツイッター連載「死ぬのがこわくなくなる話」の読者の皆さんが、この情報を拡散してくれたら、マスコミも本気になってくれるかもしれません。
2011-11-07 00:15:10>きっかけは2年ほど前、ネットでいろんなサイトをふらふら見てまわっていたことです。心が弱っていたこともあって、SHINEの思想にかぶれました。当時仕事をやめてひきこもりはじめた頃で、一日じゅう物思いにふけっていて、死ぬことがとてもこわくなり、ノイローゼ気味になっていたんです。
2011-11-07 00:15:24>入会しました。遺伝子を採取してもらいました。それからわけがわからないまま書類にたくさんサインさせられました。ご存じだと思いますが、SHINEの入会金は、死亡保険金で支払うことができるようになっています。
2011-11-07 00:16:24>くわしい仕組みはよくわからないのですが、聞いたこともない外資企業に入社したことにされ、その会社を受取人とする生命保険を掛けられたようです。さらに、その受取人を、また別の会社に変更するという遺言状を書かされました。
2011-11-07 00:16:34>法の抜け道を使って、私の死後、生命保険金をSHINEに、それも誰にもつきとめられないように流し込むためのテクニックがあるのだと思います。
2011-11-07 00:16:47>私はSHINEサイトに参加し、自分のページを持ちました。メガネ型のカメラを支給されました。携帯電話につないで、視界の映像をアップロードしていくものでした。
2011-11-07 00:16:59>そうやってアーカイブ作業を開始しました。特に難しいことはありません。遺伝子を完全な状態で採取した段階で不老不死は決まっている。あとはどんな世界に生き返りたいか、その設定さえ決めればいいのですから。
2011-11-07 00:17:32>ほとんど自動的で、手間はかからず、メガネも思ったより目立たず、何より楽しい作業でもありました。私はただ毎日を漫然と過ごしていました。そうしているだけで、視界の映像は蓄積され、私のアーカイブはできていくのです。もちろんこのことは秘密にしていました。友人にも、同居している両親にも。
2011-11-07 00:18:02>やがて、会から連絡が入りました。そろそろ法的に、いったん死亡して下さい、ということでした。2年が経過していますから、自殺でも構いません、と言われました。自殺でも生命保険をかけてから2年以上が経っていれば保険金が下りるからです。
2011-11-07 00:18:19……とりあえずここまでにしておきます。これを公開したことによって僕もしくはこの人に、SHINEからなんらかの連絡が入るかもしれません。僕はむしろそれを期待してます。きちんと対応するつもりです。この話は虚偽だというクレームだったとしても、それはその通りに公開します。
2011-11-07 00:18:49