「障害物走」から「興味走」へ!?言葉狩りに対するちょっとした考察

たいていの物事はそんなに単純な話ではないことも多いと思います。 あくまでざっと調べただけでも、それなりに複雑な経緯を見て取ることも可能であるという一例として。
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まずはじめに、全体の流れから一つのツイートだけが切り取られて拡散してしまったので、一連の流れをご理解いただくために以下のツイートをご覧ください。
この時点で僕はあくまで「仮定」の話として「興味走」について話しています。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

これマジか。。。とりあえず日本語をきちんと勉強して下さいとしか。twitter.com/tanmen_c/statu…

2015-05-23 11:17:56
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

「障害物走」の呼び名が「興味走」になってるっていうのが全国的な流れなら、これはもう気持ち悪くて仕方ない。だいたい「興味」って何なんだ。「ほう、これが平均台ですな」とか「このネットの材質はポリエステルですかな?」とかやりながら走るのかよ。

2015-05-23 11:50:53

↑ポイントは上記ツイートの半ばにある「なら」という言葉。
この段階では僕自身「また言葉狩りの事例が出てきたんじゃないの?!」という部分を残しています。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

「身体的、知的及び精神的に機能不全があることを『障害』と呼称するのは如何なものか」という意見には一理あると思いはするよ。しかし文脈から切り取ってとにかく「障害」という言葉を排除しようとするのはどう考えてもおかしい。ましてや「障害物走」って文脈ですらなく「単語」じゃん。

2015-05-23 11:58:36

そしてこれ↑。
上記のツイートの「仮定」を引き継ぐ形で「もし言葉狩りの事例であるならば」の話をしています。
そして、流れ全体で言えばこのツイートが僕が一番言いたかったことでもあります。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

まああれだよな、とにかく「障害」って言葉を使っちゃいけない空気って、それこそ妖怪「障害けし」の仕業だよな。妖怪ってこういうことの呼称だよな。目には見えないけど確実にいて、現実に恐れる人がいて。

2015-05-23 12:45:48
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

障害物走を「興味走」って言う地域(学校!?)があると知って、前後の文脈を無視して単語だけを排除するのは変だという流れでこのツイート(twitter.com/isa_kent/statu…)したら、前後を読まず「今は障害物走を興味走と呼ぶ!」的な拡散してて「ああ。。。orz」ってなってる。

2015-05-23 14:12:00

ここまでが一連の流れ。
これを踏まえてまとめを作ってくださった方もいらっしゃいました。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

僕自身で後で調べようと思っていたら、すでにまとめてくれてる人がいた。 / 障害物走が「興味走」に名称変更してた? 言葉狩りかと怒る声あり・新名称アイデアあり→真相は? - Togetterまとめ togetter.com/li/825623 @togetter_jpさんから

2015-05-24 12:11:31

そして以下、考察。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

「興味走」についてのツイートが、ちょっと誤解されたまま拡散してるので、少しだけ調べてみたところ、単純に「障害物走を興味走と呼び方を変えた」という話ではなさそう。なさそうだけど、それゆえにめんどくさい感じでもあるっぽいので、ゆるゆるとツイートします。

2015-05-24 16:17:22
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

とりあえず「興味走」というのは、基本的には障害物走と「別の競技」として考案されているようです。大枠の定義としては「運など身体能力の優劣に左右されない要素を取り入れた徒競走」を指すようです。学校によっては、生徒自身に競技内容を決めさせていることもあるようです。

2015-05-24 16:20:55
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

興味走が導入されたのは、俗にいうゆとり教育の一環と見るのが妥当なところ。そして、ゆとり教育による指導はかなり急激に導入されていたように思うし、そのための混乱が結果的に失敗を招いたと思うのだけど、その余波のひとつとして今回の興味走も捉えることは可能なのかと考えています。

2015-05-24 16:53:16

↑このツイートには若干言葉が足りないと後から見直して思いました。
「興味走が『全国的に』導入されたのは」というのが適切かと思います。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

これはあくまで僕の想像だけど、ゆとり教育の間に考案された「興味走」が、それまでの「障害物走」に入れ替わるように運動会に導入されていった結果、現在ではいつの間にか「障害物走が興味走に変わった」ように見えるのではないか。さらに言うなら一部では「名前だけを変えた」可能性もあると思う。

2015-05-24 17:42:57

ちなみに

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

「興味走」は、新潟県ではかなり前(どうやら30年くらい)から障害物走を指す言葉として一般的に使われていたということも何人かの方が指摘している。そのことから、単に「興味走」という言葉が単に「障害物走」から「障害」という言葉を排除するために用いられたと断言するのは早計だとは思います。

2015-05-24 22:31:25

一方で

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

「興味走」は、新潟でのある種特殊な用いられ方とは関係なく、ある段階から別の競技として確立していこうという動きがあったのもたぶん間違いないことです。そしてそれは現在「運命走」などの名前でそれなりに一般化しているらしいことも確認しています。

2015-05-24 22:28:48

ここで若干の補足。
「運命走」は「新しい競技としての興味走」の亜種として用いられている場合と、障害物走の亜種として用いられている場合、どちらもあり、それぞれ確認済みです。

いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

新潟特有の「障害物走を興味走と呼ぶ」という事例が先にあり、そこに追随する形で全く別の意図を持った「興味走」が競技として提案され、それなりに浸透していく。そのことで「障害物走=興味走」という混乱が起こっていることは、たぶんほぼ間違いないかとは思います。

2015-05-24 22:30:31
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

むしろ今回の興味走騒ぎで興味深いと思うのは「障害物走と興味走の混同」の事例としてではなく、障害物走そのものを「山あり谷あり」などの別の競技名として実施されていく例が、興味走の導入と並行するようにして少しずつ一般化しているらしい事実です。

2015-05-24 22:33:52
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

もし、俗に言う「言葉狩り」の事例としてはむしろ「興味走」という言葉よりも、「山あり谷あり」といった置き換えの方が実態に近いのかもしれません。それと同時に「結果的に」、運動会という場から「障害」という言葉が消えつつあるのも事実です。

2015-05-24 22:36:05
いさけんさん(脱ホカペ宣言・春) @isa_kent

実は今回の「興味走」絡みの話は、学校教育でいうと「かけ算の順序」にも近いものを感じています。「なんとなくそういうものである、が一人歩きしていく事例」なのではないかと個人的には感じているところです。

2015-05-24 22:44:09