備忘録 [2015/05/26] : "Sword without Master" 紹介
RTしていただいて、Sword without Mastarに興味を持つ方もおられるやも、ということで、入手先のリンクを。このゲームは電子雑誌『World without Master vol.3』に掲載されています worldswithoutmaster.com/swords-without…
2015-08-26 00:18:23"Sword without Mastar" とは
Sword without Masterは“半手番制”という感じのRPG、ストーリーゲームだな。自由機会発言ではあるが、卓に全員共有の六面体ダイス2つのみ用意しておいて、場面の雰囲気(トーン)を決定するロールをした人がその時の語りの主導権を持ち、それをダイス手元キープで表示する
2015-05-24 01:50:04SwMにはゲームマスターに相当するオーバープレイヤーが存在するんだけれど、役割は物語の進行管理に大きく振られているっぽい。物語の場面が進行、展開を区切って、新たな場面になるとまずダイスを振って全体の雰囲気を確定するのはオーバープレイヤーなんだが、すぐにダイスは他のプレイヤーに移る
2015-05-24 02:01:16名前があるかどうか
Sword without Master、語り重視なRPGのご多分に漏れず、解釈幅が大きいルーズといえばルーズなシステムなんだけど…一点、とんでもなく徹底的なところがある。名前、それに「名前があるかどうか」に、偏執的とも感じるほど意識が向けられている
2015-05-26 17:00:46SwMのテーマはファンタジー、それも明らかにファファード&グレイマウザーが念頭にある。プレイヤーキャラクターは「ローグ」と定義され、そう呼ばれる。彼らは「英雄であり、ならず者」「その世界一般の主従関係の埒外にあり、目覚ましい活躍を示す者」…
2015-05-26 17:05:07ローグであるキャラクターの作成には数値的な部分が一切ない。何より大事なのはその名前、そして、そのローグにとって重要なものにはすべて、名を付けて紙に記録しろ、とある。ファファードの「灰色杖」、グレイマウザーの「手術刀と猫の爪」にまつわる印象的な対話が元ネタだろう
2015-05-26 17:09:32金科玉条「ローグは不可侵」
StMでは「ローグ自身とその行動、思考はすべて持ち主であるローグプレイヤーのもの」という金科玉条がある。オーバープレイヤーというゲームマスター役からも、ローグは不可侵で「担当ローグプレイヤーの承認なしに誰もローグの心理や行動には触れられず、死等の恒久的変化も与えられない」とされる
2015-05-26 17:14:05そして、このルールは「ローグプレイヤーが紙に記録した“名を持つもの”すべて(ローグ自身も含む)に適用される」とある。SwMは極めてフレキシブルで、誰が何について、どのように語ってもよいように書かれているのだが、「名前を持つもの」に関しては、その所有権と扱いの範囲が厳密化される
2015-05-26 17:17:54物語の進行手順にも名前を
SwMが恐ろしいのは、物語進行の手順についても、重要なポイントにはことごとく「名前」が付けられ、その使用法、効果の範囲等が列挙される。逆に明示的な名前を持たない部分は「お望みのままに」。普通ならこうした手順や説明要素に、いちいち名前をつけるだろうか?と思うところに独特な名称がある
2015-05-26 17:23:38オーバープレイヤーが提示する場面はペリラス(危険)、ディスカバリー(探索)、そしてローグの3つのフェーズに分けられる。ペリラスフェーズ冒頭で迫るつつある危険の予兆はサンダー(雷鳴)と呼ばれ、そののちに明白となるローグが対処する苦難はストーム(嵐)であり、両者は扱いが異なる
2015-05-26 17:27:39ローグが危険に反応して対処する語りが、おおよそどんな範囲に収まるのか、そんなところにまで名前がある。スカム(屈服)―スリップ(悪化、後退)―ストラグル(対抗、抵抗)―オーバーカム(克服)。中間に位置するスリップ、ストラグルな語りはダイスロールを必要としない…とか
2015-05-26 17:35:02総評
ざっと見て、SwMは難しいルールではない。分量的にもコンパクト、参加者がやるべきことはフェーズで区切られシーケンシャルにまとまっている。けれど、手順やその説明に、重要であればあるほど独特な名称が付けられ、それを前提とした言い回しが多用されるから、訳すのがけっこう苦労だ…
2015-05-26 17:43:07Sword without Masterは「名前が付いていない=誰も所有権を持っていない」物語中のキャラクターや事物は、誰でも好きなように語れることが前提なんだよね…本当に誰でも、ルールの手順で発言の機会を得ていれば、オーバープレイヤー(ゲームマスター)でなくても、そうできる
2015-05-26 17:57:17そんなことにも名前をつける
ぼつぼつと訳し続けるSword without Master「そんなことにも名前を付ける」シリーズ…サンダーとストーム等に続く第二弾は「シールド」! これは端的に危険からローグが身を守る装備や、味方たち、そのすべてを含む言葉。用語とも、直接・比喩表現ともつかない文で書かれている
2015-05-27 14:34:31SwMには行為成否判定ルールはない。幾つかのルール上の制限を除くと、ローグは「担当プレイヤーが“できた”、“やってのけた”と主張すれば、可能だったことになる」のが前提という、この種のストーリーゲームの原則に沿っている。だからシールドは特にリスト化されておらず、数値などない
2015-05-27 14:38:52シールドはローグが入手したばかりの美しい鎖帷子かもしれないし、使い込んだ愛用の盾かもしれないし、彼の号令で武器を手にした地元農民かもしれないし、一度だけ戦ってくれるランプの精かもしれない。これらは物語開始前の準備と、何よりプレイ中の語りによって生成される
2015-05-27 14:42:01戦闘でも何でも原則「できた」と言えば危機回避できてしまうゲームで、データ化もされないシールド、これになんの意味があるのか? これらは「物語とその場面、描写を活き活きとさせる」糧、そのように意識すべきものとして扱われている。回避・防御のゲーム的なトークンではないのだ
2015-05-27 14:47:02