平和安全法制が「ふわっとした」ものになる理由|azukiglgさん連続Tweet

59
加藤AZUKI @azukiglg

諸々、法律とかについて。 1)厳密に決めないで、ふわっとした決め方をしておくと、運用者が悪用するかもしれない。 (ふわっとした決め方をしてあると、法治ではなく人治的運用がされるかもしれない) 2)ガッチガチに決めておくと、定められていない全てが「例外」「適用外」になってしまう。

2015-05-29 05:04:15
加藤AZUKI @azukiglg

また、「がっちがち」を徹底しようとすると、【事前に未来に起こりうる全てを想定し、その細々した想定を漏らさず徹底しなければならない】か、事前に全部整備するのは無理だから、法律の制定者とは別個の「判定者(第三者委員会)」を設置しなければならなくなる。

2015-05-29 05:05:29
加藤AZUKI @azukiglg

第三者委員会に委ねるようにしたら、第三者委員会の権限がでかくなりすぎて色々破綻しかけてるのが「原子力規制委員会」だと思う。 しばしば話題に出る「人権監視委員会」(人権保護法が通った場合にそれを諮る)や、児ポ法などでの「どれがエロか」を裁定する第三者委員会なんかもできたら割と危険。

2015-05-29 05:07:15
加藤AZUKI @azukiglg

とはいえ、「ふわっとした法に委ねる」と、その判断はだいたい裁判官の裁量に向かったりする。本邦はどこも「地裁裁判官の質が低い」という批判が多く、裁判官の思想的偏向で、やっぱり「ふわっとした裁定」が下される可能性は出てくる。

2015-05-29 05:08:35
加藤AZUKI @azukiglg

1)法をふわっとさせて運用者に委ねる(第三者委員会の設置など) 2)法をふわっとさせて司法に委ねる(裁判官の司法判断など) 3)法をガッチガチにしておく(議会によるシチュエーションの規程など) ……まあ、ここらへんの兼ね合いということになるんだと思う。

2015-05-29 05:09:59
加藤AZUKI @azukiglg

平安法制を巡っての与野党の攻防はというと、野党の懸念の大なるところは、 a)ふわっとした規程だと、幾らでも例外が設定できてしまうのではないか b)ケースバイケース、例外の多い運用を当初から想定しているのは問題ではないか と言う辺り。

2015-05-29 05:11:43
加藤AZUKI @azukiglg

野党質疑は、「○○の場合はどうするんだ!」という個別の事例について予め言質を取ろう、という戦略なんだろうけど、言質が「揚げ足取りと失言誘導」になってるところが、国会の質疑としては質が低いな、とは思う。

2015-05-29 05:12:44
加藤AZUKI @azukiglg

野党の目指すのは、「ふわっとした運用」(=未知の事態や想定外の状況に、フレキシブルに対応する)というのを許さず、今後何が起きうるかを事前にがっちり想定しておけ、それについて野党にも事前想定をさせろ、ということなんだろう、とは思う(最大限の好意的解釈)

2015-05-29 05:13:53
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、それをするには野党側の「安全保障上の戦略的思考」「戦術と戦略を組み合わせた思考」があまりに稚拙なのではないか、という不安がある。

2015-05-29 05:14:29
加藤AZUKI @azukiglg

それこそ、日本では国会質疑(委員会質疑も本会議の質疑も)は公開されているので、「○○のときどうするんですか!」「○○します」「言いましたね?絶対ですね?」というようなやりとりを、【対応される側】である将来敵対する可能性がある国もつぶさに監視できてる。

2015-05-29 05:15:36
加藤AZUKI @azukiglg

安全保障戦略上の「政府としての出方」を、あんまり事前に細かく詳らかに規定してしまうと、「規定されていない例外から仕掛ければよい」或いは「規定されている条件に見合う形で仕掛ければ日本は動けない(政府が動いたら野党が批判してくれる)」という読みをする余地を敵対国に与えてしまう。

2015-05-29 05:16:47
加藤AZUKI @azukiglg

まあ、それは相手国が「日本政府の公約が必ず守られる」と日本を信頼している場合であってw「ああは言っているけど、実際には逆のことをするだろう」と疑ってたりすると、公約/法律として何を言おうと相手は真に受けない、ってなるw

2015-05-29 05:17:38
加藤AZUKI @azukiglg

「平和国家を叫びながら、策源地攻撃もOKにする法整備をするなんて!」 というのを野党は批判してるけど、たぶん敵対国も同じこと考えてるw 「あいつら、平和国家とは言ってるけど、実際にそういう機会があったらやってくるに違いない」と、相手側に思わせることもまた抑止力。

2015-05-29 05:19:08
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、「そうは言っても日本は何もしてこないから、どんどん既成事実を作ろう」っていうのが、尖閣諸島接続海域への侵入であり、南沙諸島埋め立てなんだろうな、とは思う。 「何も手を出してこないのだから、言いたいだけ言わせておけ」という戦略というのは、ああいうのを言うんだと思う。

2015-05-29 05:20:10
加藤AZUKI @azukiglg

さて。 平安法が「人治主義的運用をされるリスク」と、 「万全な法治的運用がなされるよう、未来に起き得る事態を隅々まで細かく想定する」のと、 どっちのほうがよりマシか?

2015-05-29 05:21:32
加藤AZUKI @azukiglg

まあ、本邦の政治家が、+30年くらい未来からきて、今後起こりうる「安全保障上の脅威の形」を全て【見てきた】ように想定できるのであれば、ガッチガチの【事例に基づく厳密な法案】を作るというのもひとつの手かもしれないけど、それは多分無理。

2015-05-29 05:22:43
加藤AZUKI @azukiglg

無理な理由として、 1)技術は進化する。進化した技術がもたらす戦略・戦術の変化(進化)は、プロでも完全に見通すのが難しく、まして【門外漢】の政治家が先々まで見通せる可能性は更に低くなる。 2)野党にミリタリーについて思考ができる人材が殆どいない。

2015-05-29 05:24:03
加藤AZUKI @azukiglg

3)安全保障戦略というのは、「現在進行形の脅威」を想定した上で、それに対する対抗を考える、という思考を持たないとならない。現時点で脅威となりうる国とどう対峙するかという「仮想敵の設定」を、野党は恐らく政治的な理由で議論できない。

2015-05-29 05:25:29
加藤AZUKI @azukiglg

例えば日本の仮想敵は、 1)北朝鮮 2)中国 3)ロシア 4)韓国 5)台湾 6)アメリカ ……ざっと見渡してもこれだけいる。 韓国は準同盟国だけど、常に敵対している。台湾とは領土紛争がある。アメリカは現時点では友好関係にあるけど、「敵対する可能性」を完全に排除すべきではない

2015-05-29 05:27:10
加藤AZUKI @azukiglg

現時点ではアメリカは脅威ではないけど(軍事同盟国だから)、過去日本は軍事同盟の破棄、或いは一方的破棄を複数回経験しているわけで、軍事同盟は未来永劫有効なわけじゃない、というのは踏まえておいたほうがいいかもしんない。

2015-05-29 05:28:21
加藤AZUKI @azukiglg

以前も触れてるけど、日米が敵対する未来というのは、日本が「アメリカの敵と組んだ場合」で、日中、日露いずれかの組み合わせてアメリカと対立することになった場合。 もしそうなったらなったで、日本は「世界最強のアメリカ軍」の攻撃目標になる覚悟は必要。

2015-05-29 05:29:25
加藤AZUKI @azukiglg

ただ、現実的な脅威としては、「北朝鮮」「中国」(ロシアの脅威はなくなったわけではないが、吃緊の優先性は下がってるとは思う)。

2015-05-29 05:31:08
加藤AZUKI @azukiglg

つまり、平和安全法案、安全保障法制を【事例を事前に想定する】という方向で定めようとする野党の方針を踏まえると、仮想敵国に対してどう応じるかを細かく考えないとならなくなる。

2015-05-29 05:31:10
加藤AZUKI @azukiglg

では野党が、北朝鮮や中国を名指しして、「どのように攻め込まれたら、どのように対応するべきか」を想定できるかというと、これは政治的理由でできない。 彼らは「近隣国は善良であり、戦争があるとしたら日本が仕掛ける場合だけである」という前提に立ってるから。

2015-05-29 05:32:05
加藤AZUKI @azukiglg

現状の日本は「仕掛けられた場合以外は仕掛けない」ということになってるんだけど、反安倍主義の人達(野党、マスコミ含む)は、「そうは言ってもリミッターを外したら殴り掛かりに行くに違いない」という疑いを持ってる。 では、誰に?それをすることにどんなメリットが?

2015-05-29 05:33:14