- yutanpo1984_
- 21528
- 502
- 1
- 50
釜ヶ崎公民権運動からの撤回要請
釜ヶ崎公民権運動が、NPO法人Homedoorに「CRIMELESS事業」の撤回要請を行ったとのこと。長文になりますが、申入書全文をコピーいたします。
2015-05-27 20:26:26私たち釜ヶ崎公民権運動は、釜ヶ崎日雇い労働者・野宿者の選挙権をはじめとする基本的人権の回復と擁護のための活動に取り組んできました。 これまでに貴法人が行ってきた雇用創出の事業と生活支援は、野宿者・日雇い労働者への多大な貢献をなしてきたと感服しています。また野宿者問題に関
2015-05-27 20:26:47しての市民への啓発活動への尽力も賞賛に値するものであることは間違いありません。野宿者や日雇い労働者の現実の声を聞きながら、かれらに寄り添っていこう、かれらのエンパワメントを実現しようという貴法人の志向は、私たちと異なるところはないと思っています。 しかしながら、
2015-05-27 20:27:10今回、貴法人が行おうとしている「CRIMELESS」事業については、野宿者の人権を尊重し擁護しようとする立場、野宿者への排除に反対する立場から、看過できない問題を孕んでいるという認識を持たざるをえません。実施を中止すべきであると考えます。
2015-05-27 20:27:32「CRIMELESS」事業の内容の問題点は、すでに他の団体(ホームレス総合相談ネットワークなど)の意見書などでも指摘されており、およそその論点については私たちも同意するところであり、ここでは繰り返しを避けます。 私たちが「CRIMELESS」事業について問題で
2015-05-27 20:27:51あると考えるのは、何より、野宿生活者の排除と分断につながりうるものであることです。 貴法人のブログ homedoor.org/crimeless では、この事業について、「暗い夜道を歩くのが怖い人から寄せられる携帯アプリからのパトロール要請や、犯罪統計、GPSを駆使
2015-05-27 20:28:12した防犯ルートを、特別な訓練を受けたホームレスの人が、缶集めの要領でパトロールをします」と説明がなされています。 これまでも今も、野宿生活者が「不審者」とまなざされ、「市民」からの「苦情」「不安を訴える声」を根拠にして、公園や路上からの排除がなされています。少年たちによ
2015-05-27 20:28:43よる野宿者への襲撃事件も、そうした「市民」のまなざし=差別的な偏見に根ざした恐怖感の延長線上にあるものだと私たちは認識しています。「夜道を歩くのが怖い人」によって、野宿生活をしている人が「不審者」としてまなざされ通報されない保証は、今のところ全くありません。 仮に「夜回
2015-05-27 20:29:01夜回り」への参加や、釜ヶ崎のフィールドワーク・「野宿者に関する学校での授業」など、諸々の啓発の活動が、それを担う人々たちによって賞賛に能うべき最大限の努力によってなされているとしても、残念ながら、未だこの社会は野宿者への差別意識や偏見から自由になっているとは言い難い状況です。
2015-05-27 20:29:20そんな社会状況の中で作られる「犯罪多発地図」に基づいて「防犯ルート」を設定し、そこへ野宿生活者を自警団のように「パトロール」させるということは、野宿者・日雇い労働者を排除に荷担させることであり、まさに分断です。そもそも「ただ見回るだけ」だとしても、そのこと自体、野宿をする人々に
2015-05-27 20:29:39とって十分すぎる排除の圧力となります。そして、野宿者や日雇い労働者の人々(あるいは他の「社会的弱者」を)「監視するもの/監視されるもの」に分け隔て、お互いを対峙させることになります。当事者のエンパワメントには繋がりえないと考えます。 「CRIMELESS事業」が構想され
2015-05-27 20:29:58たもともとの目的と意図、すなわち「野宿脱出のための雇用創出を」、という一点において、その善意を疑うつもりは微塵もありません。しかし具体的な事業内容の根幹に、野宿生活者の排除と分断をもたらす構造を取り去り難く有してしまっている以上、この事業構想は撤回し事業実施を中止すべきです。
2015-05-27 20:30:20一方で、私たちは貴法人の「CRIMELESS」のみを問題と考えているのではないこともお伝えしておきます。「ホームレスの雇用創出」として自警団的なものの組織化とそれへの動員がなされるような事例は、すでに釜ヶ崎で先行して実施されています。「不法投棄防止の巡回・啓発」の事業です。
2015-05-27 20:30:46「西成特区構想」の一環として、2014年度から「まちづくり合同会社」が大阪市から委託を受け実施しているものです。この「不法投棄防止の巡回事業」は「地域の課題の解決と雇用創出の一石二鳥」と肯定的に受け止められる一方で、野宿者の排除に野宿者・労働者が関与させられてしまうという構造を
2015-05-27 20:31:05内包していることは否定できません。産業廃棄物の業者の不法投棄の防止を第一の目的としていますが、付随的に・不可避的に、野宿者の排除という結果を招来させています。 この事業の実施以降、「かれらはゴミを出す」という理由で露天商の排除は加速しました。また野宿者が使用する台車や
2015-05-27 20:31:31リヤカーや荷物なども、何らかの事情で一時的に路上に置いておくような場合でさえ、巡回者が警察に報告する事例を実際に見聞きしています。その他、廃品回収で糊口をしのいでいる労働者の逮捕事例も増えています。 排除に直接当たるのは警察であり、巡回業務を担当する労働者たちでないに
2015-05-27 20:32:00せよ、この「巡回・啓発」事業が、「すでにこうした啓発活動や巡回によって“不法投棄はダメ”と広く周知しているのに知らなかったとは言えないだろう」という「状況」を構成する要素を作り出す機能を担っており、これまで問題とはされなかった(-あるいは、野宿者の生活の現実と野宿者の人権を鑑みる
2015-05-27 20:33:16鑑みるならば、それらは「問題」や「犯罪」などでは絶対にありえず、そもそも「問題(」とさえされるべきではない-)きわめて軽微な「不法投棄」をも逮捕案件の「犯罪」として再-構成させ、実質的な厳罰化による排除という結果を生じさせています。 私たちは、排除と分断を引き起こす事業
2015-05-27 20:34:20を「まちづくり」の一環として、看過し許容してしまったことを、痛みをもって反省しています。 同時に、同じような排除と分断を引き起こす「雇用創出」が、これ以上、支援団体の良心や善き意図から、考案されたり実現されたりしないことを望んでいます。
2015-05-27 20:35:03釜ヶ崎公民権運動が、NPO法人 Homedoor に「CRIMELESS事業」の撤回要請を行ったとのこと。 ツイートをまとめて画像化してみました。 @kamagasakirojyo pic.twitter.com/AyWtMFvxZQ
2015-05-27 21:41:45