鋼鉄の咆哮×艦隊これくしょんSS「超兵器の金剛5」

大艦巨砲主義
ゲーム 山城 鋼鉄の咆哮 金剛 長門 艦隊これくしょん
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
<どこかの海、どこかの島> そこは廃棄された軍事拠点だった。 コンクリートの建物は破壊しつくされ、火災が起こったであろう焼け跡があちこちに残っている。 そこに不釣り合いな、四人の少女。 いや、少女の姿をした、なにか。(2) #超兵器の金剛5
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「いーなーいーなー。ボクも出撃したいなあ」 鉄筋がむき出しになった廃墟の屋根で、短髪褐色肌の少女がふてくされている。 頬を膨らましたその顔を見上げながら、年長者らしき和服の少女が笑っていた。 「そういう顔をするな。土産のひとつくらい持って帰ってやる」(3) #超兵器の金剛5
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「ふん。お前は少し甘やかし過ぎなんじゃないか?」 不機嫌そうに吐き捨てるのは、壁際に腕組みをして立っている軍服の少女。 「おぬしにも何か持って帰ってやろうか?」 「いらん。戦果だけ持って帰れ」 「くくく、承知した」 そう答え、和服の少女は海へと歩き出す。(4) #超兵器の金剛5
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ばしゃり。 海面がはじけて何かが飛び出した。 ソレは彼女たちの前に降り立つと、キヒヒ、と歯をむき出して笑った。 「んー? なーにーコイツぅー?」 「深海棲艦だな。よくここが探知できたものだ」 「一隻だけで来るとは、命知らずだな」(5) #超兵器の金剛5
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その深海棲艦は体は少女の姿をしており、小さいが赤いオーラを放っていて、背中からは丸太ほどもある巨大な尻尾が生えていた。 否、尻尾のようなもう一つの首が伸びていた。 キヒヒ、キヒヒ。 楽しそうにソイツは笑う。(6) #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
「艦娘とやらと戦う前の準備運動だ。来い」 深海棲艦がその声に呼応するように飛びかかった。 () (/) (//) (/ /) 一瞬。まさに一瞬だった。 飛びかかった勢いのまま、その深海棲艦は少女の背後に倒れ伏す。 身体を縦に寸断された姿で。(7) #超兵器の金剛5
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「他愛無い」 不満げな顔で、和服の少女は刀を鞘に収めた。 いつ抜いたのかすら、誰にもわからなかった。 それは仲間である少女たちにも。 「あーあー。これだから播磨はつまんないんだよー。すぐに斬っちゃってさー」 「ふ、だが見事だ」(8) #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
播磨と呼ばれた和服の少女は、不満げな感情を隠しもせず表情に浮き上がらせていた。 「つまらん。艦娘とやらはもう少し面白いといいのだが」 「大丈夫だよー。アルケオとか落としてるんだからさー。少しは骨があるんじゃないかなー?」 「それこそ戦えばわかることだ」(9) #超兵器の金剛5
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「わかった。じゃあ行ってくる」 「お土産期待してるねー!」 二人の少女に見送られ、播磨は海へと降り立った。 水平線の先を見つめ、呟く。 「……参る」 海面を滑るように、彼女はゆっくりと進み始めた。(10) #超兵器の金剛5
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<横須賀鎮守府> アルケオプテリクスによる爆撃から一週間。 大きな被害を受けた施設の機能は回復しつつあった。 工廠やドックなどを優先的に修復したため、艦娘の寮などの施設はまだ破壊されたまま。 被害の少ない古い寮に多くの艦娘が一時的に住むことになった。(11) #超兵器の金剛5
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航空戦艦の山城も、そんな艦娘の一人だ。 「不幸だわ……なんで私だけ移動なの……」 彼女は姉の扶桑と同室であったが、なぜか損害を受けたのは彼女が使っていたスペースだけだったのだ。(12) #超兵器の金剛5
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「私もまさか大井っちと離れるとは思わなかったよー。まあ山城さんが同室でちょっと安心したかなー」 うんうんと頷くのは重雷装艦の北上だ。彼女も山城と同様の理由で古い寮に移るのだ。 「安心? それってどういう意味で……」 「駆逐艦じゃない」 「あ、っそう……」(13) #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
会話もそこそこに、二人は寮の入口へと歩いていく。 同じように寮に入っていく艦娘はたくさんいた。 玄関には、そんな彼女たちを出迎える者がいた。 「暁ちゃんは201、上がって右の突き当りね。あ、足柄さんは303ですー」 笑顔で対応するのは、駆逐艦の吹雪だった。(14 #超兵器の金剛5
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「あら、吹雪。どうしたのこんなところで」 「あ、山城さん、北上さん! こんにちは! いえ、これから短い間ですが顔を合わすことも多いと思うので、みんなを案内してるんです!」 言われて山城は気が付いた。 ここは彼女が所属する特務艦隊が使う寮でもあったのだ。(15) #超兵器の金剛5
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「ふーん。ま、頑張ってねー」 北上はめんどくさそうに、そそくさとその場を立ち去った。 「まったく……。ごめんね吹雪。北上はいつもあんな感じだから……」 「いえ、私は気にしていませんから!」 吹雪は笑顔で答えると、山城に部屋の鍵を手渡した。(16) #超兵器の金剛5
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自分の部屋へ向かう階段を上りながら、山城はふと考える。 吹雪が所属している、第零遊撃艦隊のことを。 脳裏に浮かべるのは、わけのわからない艤装を持つ金剛型の一番艦。 「姉さまは、大丈夫って言っていたけれど……」 胸の前で組んだ両手を、ぎゅっと握る。 (17 #超兵器の金剛5
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「どうして皆、簡単に信用できるの……。どう考えたっておかしいじゃない」 彼女が来てから、いろんなことが起きた。 いろんな艦娘が戦いに巻き込まれ、大破し、苦痛を受けた。 そして先日、鎮守府が襲われた。 そのすべてが、彼女が来たことによって起きた。(18) #超兵器の金剛5
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「もしアイツが扶桑姉さまに何かするようなことがあったら……」 「あったら、どうするの?」 「ッ!?」 いつの間にか山城は部屋の前にいた。 そして、北上もそこにいた。 「そんなに驚かないでよ。私もね、あいつ好きじゃないんだ」 すっと、北上の目が鋭くなる。(19) #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
「たぶん山城さんと同じこと考えてる子は多いと思うよ? だってそうじゃん。新参者がデカイ顔して艦隊まで組んでさあ、ムカつくじゃん」 「それは、まあ……」 「正直ここにも居たくないけど、逆に監視っていう意味では一番近いんだからさ。利用してやろうよ?」(20) #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
けらけらと笑う北上を、山城はただ見つめる事しかできなかった。 怖い。目の前の重雷装艦が、とてつもなく怖い。 そして自分の意志とは関係なく仲間にされた、憂鬱な気分 いろんな感情をぐちゃぐちゃに混ぜて、一言、つぶやいた。 「ああ、不幸だわ……」(21) #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
<横須賀鎮守府第二艦隊> 航空戦艦扶桑を旗艦とするこの艦隊は、深海棲艦が目撃されたという南西諸島海域へと向かっていた 超兵器の出現によって深海棲艦は一時期その数を大幅に減らしたが、最近また活発化していた。 高練度の扶桑が旗艦を務めるのもそれが関係していた。(22 #超兵器の金剛5
さのすけ @_SANOSUKE_SAN_
扶桑に続くのは、妙高、那智、隼鷹、叢雲、白雪の五隻。 単縦陣を組みながら、彼女たちは周囲を警戒。 そして時折ある小さな襲撃に対処しつつ、オリョール海を抜け、沖ノ島海域へ。 ここは超兵器デュアルクレイターが出現した海域でもあるため、艦隊はさらに警戒を強めた。(23 #超兵器の金剛5
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「なーんか嫌な感じだねー……。早く帰りたいよ私はさ」 隼鷹は索敵機に意識を集中していたが、額から出る汗を拭わずにはいられなかった。 彼女の彩雲は、今のところ何かを発見できてはいない。 何もいなければそれでいい。 そう思わずにはいられなかった。(24) #超兵器の金剛5
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「島を周回して何もいなければ帰還しましょう」 隼鷹の様子を察した扶桑がそう言った。 口には出さないだけで、ほかの艦娘も不安を抱いていることは彼女には手に取るようにわかる。 そして、自分の中で恐怖と不安が大きくなっているのが、扶桑自身にもわかっていた。(25) #超兵器の金剛5
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