丹生谷貴志ツイートまとめ(2015年5月)

丹生谷貴志さんの2015年5月のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

私事。渋滞を見越して出たら一時間早くついてしまったので久しぶりに’大蔵海岸まで。神戸と明石の間に作られた舗装施設になる筈が不幸な事故が続いて遊戯禁止になり二三の施設があるだけで閑散とした場所。正面に淡路島、左に明石大橋、海は播磨灘。何故か三島さんの『獣の戯れ』が鮮明に脳に浮かぶ。

2015-05-01 00:33:49
nibuya @cbfn

不意に世界の構造の隅々までが見えたという気分で目が覚める、別に全知感に襲われた訳ではなくて、単にヴァレリーのテスト氏の末尾とビュヒナーの『ニゴイの神経系覚書』と湾岸線から見えるクレーンの林立と変に人懐こい蜜蜂とが映像として起き抜けに浮かんでそんな気分になっただけのことだった・・・

2015-05-04 05:51:01
nibuya @cbfn

東京でレコードを全部捨てて音源がなくなり、ウォークマン系はiPodに至るまで嫌いなので持たず、何故か結構CDは持っているのにプレーヤーは二十年前の小さい壊れかけ一台、ヘッドホンは古いパッドが崩壊したのを見つけてさっき針と糸で縫い直し・・・まあ、音楽が文字に見えるかの実験ですから。

2015-05-07 21:16:02
nibuya @cbfn

前の道を、多分知的障害らしい二十歳くらいの男の子が自転車に大きめのラジカセを積んで大音響で、何の経典か知らないがお経のテープを鳴らしながら楽しそうに走り抜けてゆくことがある。音響のマニ車を街に張り巡らしているような感じなのだろうか、死んだはずの猫が走ってついてゆくようで妙に楽しい

2015-05-07 21:28:34
nibuya @cbfn

久しぶりに『ヴァインランド』を読み直していて、やっぱり「タケシ・フクモタ」(「フクモタ」って変な日本名は邦訳ではどうなってましたっけか)、ともかくその登場場面はカッコイイですねえ。バンジョー・ウクレレなんてのを片手に現れるのがシブい。「困った時に突如あんたは俺の名を思い出す!」。

2015-05-08 00:01:27
nibuya @cbfn

ブーレーズのマーラーは基本的に大好きですが『大地の歌』に関してはワルター=ニューヨークフィルの時のヘフリガーとミルドレッド・ミラーが中学の時以来刷り込みになってしまっているので、ミヒャエル・シャーデさんには悪いんですが・・・フッシャー・ディスカウ版もダメなんだからお許しを。

2015-05-08 00:09:25
nibuya @cbfn

コリン・ウィルソンがレコードを短期間で聴き尽くすといういつもながらの詰め込み実験を試み実験の成果はともかく『大地の歌』に「歌詞さえなければ最高」というようなことを書いていた筈。これだけ音響的にエネルギッシュな曲に「東洋的諦念」なんていう紋切り型が口にされるのにウンザリしたのだろう

2015-05-08 08:29:10
nibuya @cbfn

・・・音楽嫌いの宗旨替え(!)をしたわけではなく、今でもこと音楽に関しては「理由と目的」がない限り聴きません。ともかく無条件に音楽を愉しむという資質が完全に欠けているのを今更どうこう出来るもんじゃありません。

2015-05-08 12:31:36
nibuya @cbfn

「民話」というのに殆ど興味がないのですがカルヴィーノの『イタリア民話集』は編み方が上手だと感心はし、或いは小澤俊夫訳の『グリム童話』全訳の訳はいい感じだと感心し。しかしアンデルセンとかになると何が面白いのかさっぱりわからない。結局、ファンタジーというのにこれまた資質が欠けている。

2015-05-08 12:42:39
nibuya @cbfn

・・・しかし『ヴァインランド』、プレーリーの前にダリルが不意に現れる場面でバッグからエンドレスで『ハワイ・ファイヴ・オー』の主題曲がずっと流れてるというあたりのあざといまでの(!)かっこよさ(?)がピンチョンで・・・無論ここで忍者(?)タケシ・フクモタが導かれて来るわけです・・・

2015-05-11 20:02:57
nibuya @cbfn

サティに関しては日本は高橋悠治、高橋アキ兄妹という演奏家を持つことを誇っていいわけですが、ジムノベディ第3あたりとかで「癒しの音楽」とされたり面白おかしい変人作曲家として流通し適当に忘れられる、にしたところで、自分が極東でどう扱われようとサティ自身は知ったこっちゃないわけですがね

2015-05-12 00:50:05
nibuya @cbfn

どこかで柄谷行人が歴史30年変移説だったかを主張していた記憶がある。歴史館(!)としちゃあ何如にも思いつきに過ぎようが、実感として「安心して」受け取る者が2〜30年程の年長者である感じはする。僕の場合だと三島、安部、フーコー、ブーレーズ、ピンチョン、イーストウッド等々の面々になる

2015-05-13 01:58:50
nibuya @cbfn

「安心して」というのは、反対だろうと賛成だろうとどこから「それ」が出てくるかが直感的に「分かる」気がし・・・石川准さん風にいえば「ともかく互いに風は通う」という感じか。だからなんだ? 要はこれは「時代精神」なんてのじゃなく単純な年齢的情報伝達のからくりなのだろうと予想は出来る。

2015-05-13 02:06:11
nibuya @cbfn

音楽嫌いなのに意味もなくCDは持っていて、ここ数日夜になると体調回復のためにCD整理、マイルス・デヴィスの『イン・ア・サイレント・ウェイ』なんて買った覚えもないCDを見つけて自分で驚く。マクラクリン&シャクティなんてしょうもないものを聴いていた頃ついでに(!)買ったと思い出したり

2015-05-13 02:38:26
nibuya @cbfn

言葉の遊びに過ぎないが、「誰かであることをやめてゆく」ということと「誰でもない誰かになる」とは全く異質のこと、それは例えばモーチャルトのような音楽を聴いていると前者のような状態の導かれ、「ポップス」だと後者の感じになる・・すでにベートーヴェン以降すでに後者で、と意味のない繰り言。

2015-05-14 06:23:05
nibuya @cbfn

昔谷沢永一は「日本をダメにした作家」の一人として大江健三郎の名を挙げたことがある。大江氏であれ誰であれ、一国をダメにするほど読まれ影響を齎す一作家なんてのは「文化人の幻想」の中にしか存在しないのは明白なのになぜその明白さが無視されるのか、このことの方が、退屈だけれど分析に価する。

2015-05-16 10:36:44
nibuya @cbfn

「ソラリスはSF古典だがソラリスの海が無関心すぎてドラマが生じず、それが作品の欠点となっている」とかいう単評。しかしレムの全主題の中心は他者の絶対的無関心性にこそあるのだからそれを欠点というのなら彼の作品を読むこと自体が無意味なので、単評など書く前に自分を撤収させるべきでしょう。

2015-05-19 10:34:30
nibuya @cbfn

・・・杉浦日向子さんは掛け値無しに尊敬しますが彼女を「通して=利用して」またぞろ嫌な「江戸趣味」が広がる予感(?)には嫌な感じがする。江戸趣味からだらしのない享楽趣味と美楽趣向だけが引き出されて来るのには飽き飽き・・・

2015-05-20 12:02:25
nibuya @cbfn

マルローの遺著は愚著といってもよい本で、「絶対的にどうでもよいものという実相を露呈した現実世界をどうでもよいものとは思い切れない--という自分をどうにも出来ない」という微苦笑にもならない妙な苦悶からなる男の文章で、「後は猫と女たちに任せる」と、一時は思い切った筈の男の繰り言なのだ

2015-05-21 09:56:04
nibuya @cbfn

500円なんて値段だったのでライヒの『砂漠の音楽』。『テヒリム』でかなりがっかりして以来何十年ぶりか。『テヒリム』の日本版レコードには確か「マインド・ゲームス」とかいうとんでもない惹句が付いていた記憶がある。まあ、そんな音楽。ともかく結局、良くも悪くも予想通り。

2015-05-22 04:23:59
nibuya @cbfn

ハイドンとか、完全に「飼いならされた」音楽なのに野生を内包しているようなのに、ライヒとか、「野生」に向けられたものであるはずなのに本質的に「飼いならされた」音楽に聴こえてしまうのは何故なのか。まあ、考え込むほど難しい事態ではないという予想はつく・・・

2015-05-22 05:07:59
nibuya @cbfn

林達夫風に「野生-野性」のふりをした「栽培思考」とでもいうべきものが繁茂している感じ・・・無論そうなれば「仮面の裏表」の退屈なトリックで全てをどっちつかずにして、互いに僭称が可能になる。ウンザリして来る・・・。

2015-05-22 05:23:39
nibuya @cbfn

ガサゴソ忘れていたCDも出て来て、例えばジョニ・ミッチェルは今でも最高のアコースティックギタリストだと思ってますし、この人の曲のアーティキュレーションは異常能力、しかし聴き続けようとすると今やこのアメリカ独特の?重いセンチメンタリズムは少しきつい。ミンガスとコート&スパークを一周

2015-05-22 21:55:17
nibuya @cbfn

カンヌで黒沢清さんが「監督賞」、時々怪しげなグランプリよりよほどかっこいい。ひたすらメデタイメデタイ。直後のインタビューで「あ、これ監督賞だったんですか、言葉がわからなくて何の賞かなと思ってたんですが」とか言ってた。重ね重ねかっこいい。

2015-05-24 10:42:03
nibuya @cbfn

初歩的な問題。演奏というものを聴いたことがなく何如なる再生装置も楽器も持たず、ただ完璧に楽譜を「読む」ことはできる、そんな者にとって「音楽作品」は何如なるものとしてあるか? ・・・幼時から外界のすべての音が音楽になってしまう狂気の少年としてモーツァルトを描いた映画を見た記憶・・・

2015-05-24 14:02:30