温室本丸つぶやきまとめ:1

140文字で自分設定の本丸の審神者と近侍とかいる刀剣男士のぼややんとしたのを書いた分の自分用まとめ。(だいたい140文字小話、たまにつづく、たまに設定など呟き、ごっちゃです) ツイート数増えたので続きつくりました。つぎはこちら(http://togetter.com/li/857067)(http://togetter.com/li/888098) この本丸の顛末で一本書きたい話があるので練習がてら。 見られる方への注意点: ・本丸・審神者特殊設定(審神者名前は設定済み) 続きを読む
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こさと @kosato_

西日の差し込み始めた道場。太陽を背にするのは和泉守兼定、対面で目を眇めるのは加州清光。手に持つのは互いに真剣。本体ばかり使いたがる彼らの説得に失敗して、審神者は神棚の真下でごろりと不貞腐れていた。山姥切国広がすぐ側に座っている。まとった襤褸の半分以上は審神者の体の下敷きである。

2015-06-07 23:19:24
こさと @kosato_

うちの切国くんはふしぎだ。お昼寝していると起きれば膝枕をしているし、私が見上げると瞳をゆるませてかわいい。他の刀剣と話しているときに見かけると、決まって見たことないきれいなみどりの目を向けていた。歌仙くんに相談すると、「主の感性がなまくらにも劣るのか…」とうちひしがれていた。

2015-06-09 01:33:42
こさと @kosato_

隣で在ったのは間違いなく修羅場だった。刀剣男子とその主が出て行った後、その主を取り合おうとした審神者の少女が「なんだあれ」と絶望を叩きつけるように呟いた。しばらく静かだった。ところで甘味処だ。私は対面に座る切国くんを見た。刀剣男子が女子と男を取り合う様を直視して、呆けていた。

2015-06-10 00:07:16
こさと @kosato_

@kosato_ 少女を宥める彼女の近侍の声だけが響いていた。あまり周りは見たくない。よし甘味に戻ろう。アイス溶けてる。「切国くん、追加注文するけど食べる?」「あの修羅場の後でまだ食えるのか……」「早く記憶を上書きしたい。帰ってうちの第二部隊長の顔が見れないよこのままだと」

2015-06-10 00:09:51
こさと @kosato_

@kosato_ 私の近侍はため息をついた。形の良い指がメニューをめくる。「柿がいい」「食べるのね結局」「早く記憶を上書きしたい」「…うん、そね」動作が鈍い店員を呼んで注文を開始した。

2015-06-10 00:14:22
こさと @kosato_

主がシノビガミで遊んでいる。パソコン画面を覗けば、まさかの真名プレイ。しかもゲームの世界の主も巫女らしい。「どしたの、切国くん」チャットに文字を打ち込みながら、主は山姥切国広を見上げた。「楽しいのか」「たまにはね。切国くんもこんど遊ぼう」「…考えておく」そのまま画面を見つめた。

2015-06-13 00:29:10
こさと @kosato_

山姥切国広は主の真名を知っている。恐らくは彼だけだ。ずっと近侍を務める彼の側には常に主が侍っていて(何故かこの表現が正しい)、少女が返事をしてしまう名前を何年も確かめた。やがて推測し、一度呼んで、その小さな魂を掴んでしまったことがある。そのまま掴めばいいものを、慌てて離した。

2015-06-13 00:44:20
こさと @kosato_

その日の提出書類を終えた。眠みが酷い。審神者の鋼色の瞳が陰って、側の文机で書類の手伝いをしていた山姥切国広を捉えた。艶のない長い髪がはらりと舞って、ころんと転がったのは座る彼の真横。そこで彼女の意識は休眠した。暗闇の中で、頭が持ち上がり、何かしっかりしたものを枕に据えられた。

2015-06-13 01:18:00
こさと @kosato_

呼んでいる。私を呼んでいる。きれいな声の出処は、暗闇に白く浮かび上がる金の髪の、それこそ王子様みたいな少年だった。白い布を被ったその姿に、見覚えはない。はずなのに、その夢の後、私はいつも泣いて起きる。あれは誰。答える声はない。私も、あの声に答えたことはない。

2015-06-13 01:32:49
こさと @kosato_

畑で作物や薬草は採れるが、麻、綿、服飾の類に利用できるものは加工の手間もあり、大抵通販とやらで受け取りだ。それでも主の畑仕事に雅な笠の一つも誂えたくて、歌仙兼定は彼女を近侍から攫って二度目の城下町に踏み入った。通りかかる同業者の視線を受けながら、いざ、注文の品を主のこうべへと!

2015-06-13 01:50:14
こさと @kosato_

「そもそもキンジってなに?」眠た目の審神者からそんな言葉が飛び出し、一同驚いた。山姥切国広は書類を、小夜左文字は柿を落とし、雅とオカンはこらえた。山姥切国広は記憶を巡らせたが、1年目の春、読んでいた冊子を突然青い顔で閉じ、タンスの一番下に蹴りこんだ記憶しか思い出せなかった。

2015-06-13 02:05:29
こさと @kosato_

柿の種を植えよう、としばらく審神者は趣味の園芸と切磋琢磨していた。最近鍛刀された小夜左文字は山姥切国広以上に心を開いていなかったのだが、彼がたまたま取り寄せた柿を大事そうに手のひらで包み、目尻を緩ませたのをかの少女は見逃さなかったのだろう。問題は桃栗3年、柿8年ということだった。

2015-06-13 02:10:08
こさと @kosato_

審神者はここしばらくのところ刀剣男士のように溌剌と働いては、秋の夜長を勉強に充てている。そんな時には加州清光がやってくるのが常で、放っておけば月が沈むまで活動する主に茶々を入れ、やんわりと寝かす役割を担っている。「いーの、俺あるじが勉強してるの見るの好きだし。お疲れー」「…ああ」

2015-06-13 09:04:44
こさと @kosato_

女学生という単語は加州清光の知らない言葉らしく、山姥切国広は意外に思った。三日月がほえほえと「おお、女学生とはれあきゃらだな。余り俺を見には来ぬのだ」と発言し、展示物来歴の連中もそれに似通う。結局、セーラー服で現れた主に大なり小なり色めきたつのは、誰も代わり無かったのだが。

2015-06-13 09:17:34
こさと @kosato_

少年が算盤を弾き終えた。「ふむ、やはりか」伝えた結果に少年が何がだと問えば、見目麗しい青髪の男は狩衣の袖を払って呵呵と笑い、何でもないと返した。「気づいておらぬようだな、切国と呼ばれる山姥切国広よ。お主の川蝉の瞳は、本科のごとき霊力はないのだなあ」戻る少年の背に、言葉は届かない。

2015-06-13 10:05:16
こさと @kosato_

登校日に本丸を一時的に離れる審神者は、帰ってくれば溌剌としている。加州清光が深刻そうな顔で言った。「学校って奴って、行くのがストレスになって死ぬほど苦しい人間っているって」「ぼーっと過ごしてるだけだし、そういうのわかんないなあ」主は一笑した。その日だけは、彼女は誰も伴わない。

2015-06-13 10:24:36
こさと @kosato_

春眠暁を覚えずと言うが、主はずっと眠り込んでいる。乱藤四郎がやっと着付けを終えて、泣きついてきた。「もうずーっとあの調子」寝すぎているくらいなのに、髪の艶も瞳の色もくすんでいる。「ごめんね、乱くん」そう言いながら出てきた審神者は力尽き、山姥切国広の横で寝入った。定位置だった。

2015-06-13 10:42:37
こさと @kosato_

本丸に集った刀は三十数口。所謂れあきゃらとやら(三日月宗近の言より引用)がほとんどいない。主はそれに拘りは無いが、しばしば資源をつぎ込んで鍛刀する。「小夜くんと宗三くん、兄弟揃ってたほうが嬉しいと思うし」山姥切国広も兄弟が来るのは遅かった。その時の気持ちを思い返すと、首肯する。

2015-06-13 11:29:05
こさと @kosato_

今年の秋は主の霊力が低調であり、台風が本丸を襲った。停電で家電が落ち、アンテナも折れ、不便になったと思いきや、ぼーどげーむやあなろぐげーむで避難所の修練場は賑わっている。目から光の消えた審神者だけが「柿が…熟す前に台風で落とされる…」と膝枕の上でうめき、小夜左文字を怯えさせた。

2015-06-13 11:37:38
こさと @kosato_

大倶利伽羅が見つからない際、主は秘策を用いる。「…何をやっているんだ」「マルコ・ポーロですな。北京まで行って貿易を成功させるげぇむ…で合ってますか、主」「ですです一期さん。倶利伽羅さんやる?」「やる」「終わったら皆で遠征宜しくねー」(これ毎回倶利ちゃん引っ掛かってるの?)(ああ)

2015-06-13 11:58:46
こさと @kosato_

愛染国俊が珍しく縁側にやって来た。主が寝そべっていて先ず見せる事は叶わなかったが、鉄色の髪に花を飾ると満足げに鼻を鳴らす。と、ん?と首を傾げた。「どうしたんだ、愛染」「動くなよ、切国の兄貴」花がそよと動いて、山姥切国広の膝に載せられた。飾られた主ごと。「やっぱな!」満足げだ。

2015-06-13 12:20:36
こさと @kosato_

三角形甲乙丙において各頂点から対辺に引いた3つの辺の交点康が重心で有るとする。各辺と重心康による3つの三角形の面積が等しいと証明せよ。「えー?どうやるの主!?」「…えっと、7番目?伸ばした辺と対辺との交点を丁戊己とおく?つまり此処が同じになって?」山姥切国広は教科書を探し始めた。

2015-06-13 16:54:07
こさと @kosato_

蜂須賀虎徹が訪れた。赤黒赤白白青の面々に加わる金紫の色彩は華やかだ。盆には硝子の茶器と菓子が載り、茶器の中で茉莉花が花開いている。「捗るようにと、歌仙に頼まれてね」「「ひゃっほう!」」「済まないな」これも真作の務めさ、と彼は笑んだ。 pic.twitter.com/LfiUf3PdV9

2015-06-13 17:07:03
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こさと @kosato_

「貴方はなぜ主の元に?」いっそ無邪気な表情で、鯰尾藤四郎は聞いた。「なに。興味本位だ」鹿骨の扇で口元を覆って、三日月宗近は告げる。「こうまで長く顕現できるのも滅多に無い。楽しい思いをさせて貰っているな」「楽しかったですね!」少年の鷹の目が遠くを見据えた。縁側で眠る審神者と近侍を。

2015-06-13 17:22:26
こさと @kosato_

布団に近侍を引き込んでしまった。どうしてそんなことになってしまったのか、もはや思い返せなくて顔が火照る。(うわぁあああ)呻き声が聞こえたのか、少年の声が「早く寝ろ」と後ろから聞こえてきた。背中合わせの切国くんの、「大抵寝坊助のあんたなのにな」声が優しく聞こえるのは、自惚れか!

2015-06-13 19:30:36
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