『こころ』はミステリだった? ハードボイルド? 恋愛小説? スゴ本オフ「漱石の『こころ』の次にオススメする本」

2015年6月14日。渋谷にあるIT企業HDEさんのオープンラウンジで開催された、スゴ本オフ「漱石の『こころ』の次にオススメする本」のまとめです。
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根岸智幸 @zubapita

スゴ本オフ「漱石のこころの次に読むべき本」、本日14時からユルユルと実況はじめます。 #スゴ本オフ fb.me/4hcdmz2Co

2015-06-14 13:32:55
根岸智幸 @zubapita

本日のスゴ本オフは「漱石の『こころ』の次にオススメしたい本」という新趣向でお送りします。 前回のキメの1行のスゴ本オフに参加した女子大生(18)が「こころ」が大好きでいろんな「こころ」関連本を紹介したのが切っ掛けです。#スゴ本オフ #スゴ本オフ

2015-06-14 13:53:10
根岸智幸 @zubapita

主催のやすゆきさん。はじめて『こころ』を読んで、ホント後悔しました。先生がすごく嫌なヤツで読後感も悪い。『容疑者Xの献身』東野圭吾。いやなヤツが出てきて、これがこころの「先生」に相当する。#スゴ本オフ #スゴ本オフ

2015-06-14 13:56:44

もうひとりの主催のDain(ダイン)さん。登場。

根岸智幸 @zubapita

今回十数回読んできて、また読み直してみました。結論はやすゆきさんと同じで、先生はクソ野郎だということ。(1)先生のモデルは何か? 『ジーキル博士とハイド氏』スティーヴンスン(光文社古典新訳文庫)。このジキルもクソ野郎。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:21
根岸智幸 @zubapita

(承前)先生と同じように後半えんえんと手紙で言い訳するのが似ている。先生は自分を騙したオジが悪い、自分は情けないといいつつ、言い訳している。(2)こころはいろんな伏線が回収されていない問題。『「こころ」で読みなおす漱石文学』石原千秋(朝日文庫)。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:25
根岸智幸 @zubapita

(承前)これを読むと「こころ」がミステリになってくる。語り手が主役になる。(3)小説を読み慣れている人は「こころ」なんて読まなくていいという。そういう人に勧めたいのが、『再話された「こころ」』宮川健朗(翰林書房)。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:30
根岸智幸 @zubapita

(承前)高橋留美子の『めぞん一刻』は、実はこころのめぞん一刻のリメイクではないか?登場人物に相当する人物が全部でてくる。そう考えると「こころ」は、「私」が奥さんと近づく話かもしれない。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:35
根岸智幸 @zubapita

(承前)(4)『漱石の実験』松元寛(朝文社)/なぜ、先生は死んだのか? もっとも危険な「こころ」の解釈。曖昧な「明治の精神」じゃなくて、真犯人がいる。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:41
根岸智幸 @zubapita

(承前)(5) コミカライズされた『こころ』夏目漱石×榎本ナリコ(小学館)/ストーリーはそのままに、舞台を現代に置き換えた、異色かつ出色のコラボ。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:47
根岸智幸 @zubapita

(承前)腐女子ホイホイな視線のやりとりとか、「なぜ先生は死ななければならなかったのか」についての解答など、『こころ』を読んだ人にはご褒美のようなコミック。小説だと、技巧により筆を省くことができる「表情」が見えているのが面白い。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:52
根岸智幸 @zubapita

(承前)(6)「こころ」は沢山の人が読んでいる。それが価値。小説としての出来が悪いけど、沢山の人が読んでいるからいろんな解釈があり得る。それが面白い。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:10:56
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

zubapitaさん。もぅ少し先生がしっかりしていれば、ちゃんと自分を出していれば、こんなことにならなかったはず……でも、そんな謎めいたダメ男にシンパシーを感じ、不思議な交流を育んでいく、そこに女の影が潜んで───といえば、チャンドラー『ロング・グッドバイ』。 #スゴ本オフ

2015-06-14 14:30:06
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

主人公がある男と出会う。決して立派な男ではないが、自分のルールに従って毅然と生きる姿に共感し、ふたりは交流していく。しかし、彼には暗い影がつきまとっており、それは過去の恋愛体験が影響していた。男同士の友情と嘘と恋愛のもつれ。 #スゴ本オフ

2015-06-14 14:32:19
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

そして死。ふたつの作品は不思議と共通点があり、本書を読んでから『こころ』を読むとハードボイルドな小説に思えてくる。訳者の村上春樹は、チャンドラーがフィッツジェラルドの心酔していたことから、『グレート・ギャッツビー』の影響と共通点を指摘している。 #スゴ本オフ

2015-06-14 14:32:25
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

さらに村上はチャンドラーとフィッツジェラルドに強く影響を受けており、それは出世作『羊をめぐる冒険』によく出ている。『こころ』-『ロング・グッドバイ』-『グレート・ギャッツビー』-『羊をめぐる冒険』という不思議なラインが見えてくる。 #スゴ本オフ

2015-06-14 14:33:18
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

いかにも『こころ』の登場人物が言いそうな台詞が頻出。ギャツビーを読んでからだと、一層おもしろい。 #スゴ本オフ

2015-06-14 14:33:27
根岸智幸 @zubapita

@milano2009さん。今回テーマが難しくて家族で考えました。1冊目。「ロシア紅茶の謎」 有栖川有栖(講談社文庫)。「こころ」は同郷の2人。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:48:15
根岸智幸 @zubapita

(承前)この本ではミステリー作家の有栖川有栖と、大学時代の同級生で、今は、その大学の犯罪社会学の助教授、火村英生のふたりが、謎解きをする。著者の有栖川有栖は大阪の同志社大学出身。こころの2人が大阪の大学に行っていたらもっと明るい話になったのではないか。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:48:17
根岸智幸 @zubapita

(承前)ちなみに有栖川有栖のイニシャルはAA。火村英生はhh。ちなみに旦那さんいわく、「こころ」のKは夏目金之助のKじゃないか、と指摘。ミステリ短編集でトリックが面白い。2冊目「哀原」古井由吉(文藝春秋)。生と死の境界を行き来する人物たちの短編集。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:48:22
根岸智幸 @zubapita

(承前)生きることと、空しさ、男女の愛憎などが、さらりと書かれていて、1977年の作品だが、今にも通ずるものがある。普通のおっさんが、よくこんな話。親が自殺してるとか、兄弟がいない話が多く、こころを思わせる。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:48:25
根岸智幸 @zubapita

(承前)読んでみると暗いけど、ありそうな話でじわーと暗い。少しずつ「こころ」と並行して読むと、本歌取りみたいのが感じられる。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 14:48:28
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

『ロシア紅茶の謎』ミステリー作家の有栖川有栖と、同級生で、今は、その大学の犯罪社会学の助教授、火村英生のふたりが、謎解きをする短編集。「こころ」の先生と、Kはともに同郷の同級生だった。もしふたりが東京ではなく、大阪の大学に進んだら、こんな展開になったのかも。 #スゴ本オフ

2015-06-14 14:37:53
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