- matamatamatayan
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日本刀について武術・武道家はの中には刀剣学の勉強もせず、いい加減な事を言う人が大勢います。そこで刀について説明します。 打刀と呼ばれる物は腰に差しますがこの時刃を上にします。この理由について刃を下にすると抜けないからだというツイートを見ましたがこれは間違いです。
2015-06-22 16:04:03実際に抜いてみた動画です。いつもの癖で刃を上にして差していますが抜く瞬間は上を向いています。 youtube.com/watch?v=Y0O7nP…
2015-06-22 16:04:51このような間違いが発生するのは恐らく多くの流派が刃を上にしておいて抜く瞬間だけ下にするので分かりにくい為でしょう。また、打刀は刃を上にして差し、太刀は刃を下にして吊るすというのは標準の形式というだけでそれが全てではありません。
2015-06-22 16:06:10打刀でも刃を上にして差す事はあります。腰当といって打刀の刃を上にして差す専用の道具もあります。刃を上にする時つねに腰当を使う訳でもありませんがそういう道具があるのですから、素人向けの本に刀は刃を下と書いてあっても鵜呑みにしてはいけません。
2015-06-22 16:06:30現代では初実剣理方一流が演武で腰当をよく使用しています。理方一流はネットに多くの動画があるので興味がある方は確認してください。よく見ると腰に見慣れない道具がついています。あれが腰当です。角度や照明の関係で見えにくい動画が多いですが。
2015-06-22 16:06:51刃を下にして腰から吊るす太刀は刀身の幅が広いというのも間違っています。平安時代の太刀は幅が狭いです。鎌倉中期の刀は幅ではなく厚みがあります。本格的に幅が広くなるのは鎌倉末期~南北朝にかけてです。
2015-06-22 16:07:10江戸時代の刀は非実戦的、反りがない、反りがないのは実用品ではないから、というもの正しくありません。非実戦的な刀がある程度制作されたのは本当ですがそれが全てではありません。反りが少ない刀は江戸時代でも寛文頃の特徴(寛文新刀)で、江戸時代を通しての流行ではあ りません。
2015-06-22 16:07:30江戸時代には死刑囚や死刑囚の死体で試斬をしていました。殆ど反りのない刀には有名な虎徹があります。確認されている虎徹の中で最もよく斬れたのは四つ胴です。意味は死体四体を重ねてその胴体を切断したという意味です。
2015-06-22 16:07:51虎徹は試斬の専門家と提携して刀を追求したのですから江戸時代の刀や反りの少ない刀が非実戦的というには無理です。江戸の刀は肉を斬るもの江戸より前の刀は鎧兜の上から斬る物というのも間違いです。鎧兜の上から攻撃する刀の代表は鎌倉中期に流行った分厚い刀ですが鎌倉末期には刀が薄くなります。
2015-06-22 16:09:13江戸時代には人体の試斬がありましたがそれのみではなく、荒試しと言って刀の丈夫さを確かめる実験もありましたし、堅物試しと言って硬いもので試斬(鎧兜も対象)もしました。
2015-06-22 16:09:33また江戸時代は治安が良い、平和ボケというのも一面の事実ではありますが、所詮は一面に過ぎません。例えば仇討ちです。江戸時代の仇討ちは単なる復讐ではありません。女子供が殺されても仇討ちはできません。仇討ちが出来るのは主君、父親、兄などの家の主人が殺された場 合です。
2015-06-22 16:09:53妻が不倫した時にやる女仇討ちというのがありましたがこれは例外です。江戸の仇討ちとは家の敵を打ち取り家を守るという意味合いが強いものです。規模の大小、ある程度の法制化を別にすれば一種の戦(いくさ)です。
2015-06-22 16:10:11江戸時代は末期と初期を除いて戦争がないと言われますが、それは現代的な戦争論であり、戦(いくさ)の要素が強い仇討ちを戦争に含めると小戦が多発した時代です。
2015-06-22 16:10:28死刑囚やその死体を使う試斬があったという事はそれだけの死刑があったという事でもあります。江戸時代は300年近く続いたので一定ではなかったはずですが、かなりの記録が残されています。
2015-06-22 16:10:49鵜飼十郎右衛門という試斬の専門家は九年間で千五百五人を斬ったとされています。戦国時代でもこれほど斬った人がいたかどうか・・・。平和な江戸というのは一面であり、別の角度から観ると人間を斬って斬って斬りまくった時代であるとも言えます。
2015-06-22 16:11:19居合の事を居合抜きと呼ぶ人がいますが、原則的にこれは正しくないです。居合抜きは刀を使う大道芸であり、武術としての居合とはまた別物だからです。まあそうは言っても武術には多くの流派がありますから居合の事を居合抜きと言った例がどこかにあるかも知れませんが、あっても恐らく例外でしょう。
2015-06-23 12:21:44日本では刀剣よりも槍が強いという信仰のようなものがありますが、実際はそうとも限りません。中世末期~近世初期のヨーロッパでは短剣と盾で武装した歩兵が長槍歩兵に勝っています。槍は長い分接近されると不利であり、短剣歩兵は盾で槍をそらして接近できたという訳です 。
2015-06-23 12:22:06では短剣歩兵が当時最強か?と言えば違います。何故なら短剣歩兵は騎兵の突撃に耐えられないからです。長槍歩兵なら騎兵に勝てます。つまりジャンケンのような相性があるんですね。
2015-06-23 12:22:22相性と状況設定があるので○○が強いと言ってもそれはある特定の状況や相手に限られます。槍が刀剣より強いというのも槍が有利な状況、槍を苦手とするタイプの剣術などの条件が揃っている場合の話に過ぎません。
2015-06-23 12:22:41戦国時代は刀が云々槍が云々・・・という話がありますが、こういう話の多くは前提が正しくない事が多いです。戦国の戦(いくさ)というと何千、何万という大軍が平野でぶつかり合うというイメージがありますが、これが間違いのもとです。
2015-06-25 12:32:53戦国時代の戦は数十万回あったと考えられています。百年程度の期間に大軍の戦を数十万回もやれたはずがありません。大戦(おおいくさ)は希で、小戦(こいくさ)が大部分と考えられます。では小戦の規模は?という疑問があります。
2015-06-25 12:33:16