短刀よもやま話 古武術 天心流兵法
- shiratama13
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(略)また何事においても同じですが、一つの文献でそれが普遍的なものであったと断定するのも危険な事です。──古武術 天心流兵法様のお言葉より
せっかくですので短刀よもや話。 これは海老鞘(えびさや)拵えと言いまして、文字通り、海老の姿を連想させる拵えです。 短刀はこのように鍔が無かったり、 喰出鍔(はみだしつば)という小さな鍔が用いられるものが多くあります。 pic.twitter.com/ENfAXUWPgz
2015-06-22 12:37:17特に鍔の無い短刀は、鯉口(さやの入口の部分)と柄(柄頭)がぴたりと合うので、合口(あいくち)と呼ばれます。 匕首とも書きますが、中国の暗器(あんきー隠し武器の事)である短刀を指す漢字を借字したものだとか。 pic.twitter.com/x9GZkaubbE
2015-06-22 12:43:52ここが鯉口(こいぐち・こいくち)です。 鯉の口と似ているので鯉口だそうです。 鞘口(さやぐち)とも呼ばれます。 写真は軽井沢の鯉です。 似てますでしょうか。 pic.twitter.com/CNxNlLAqg0
2015-06-22 12:49:22刀身の手元部分に嵌める金具をハバキ(鈨)と言います。 ここが鯉口の内側とピタリと嵌まる事で、簡単に刀が抜け落ちないようにしています。 武士でも思わず刀が抜け落ちるのは歓迎されません。 むしろ武士だからこそ抜き差しままならないなど恥です pic.twitter.com/MGmwgAqEUQ
2015-06-22 12:58:18うっかり刀が抜け落ちる事を、鞘走る(さやばしる)と言います。 江戸城内で鯉口三寸切れば(抜けば)切腹、家名断絶という掟があったと言われます。 公用の刀の鯉口はきつくしておくのが大事です。 とはいってもうっかり鞘走る事はあったようで、謝罪した記録なども残っています。
2015-06-22 13:09:05鞘走るは、先走るというほどの意味でも用いられます。 稽古用の刀はつい鯉口が緩みがちですが、注意しなければなりません。 鞘の内側に経木という薄い木を米糊(続飯)で貼り付けます。 今は木工用ボンドなど使ったりしますが、刀身への影響を考えると、米糊が一番だそうです。
2015-06-22 13:13:15現代だと、模造刀など簡易にはハバキにセロハンテープを貼るという手段があります。 しかし鞘の内側が削れて緩くなっているので、鯉口の強度を考えても、見た目を考えても、きちんと修理するのが一番です。
2015-06-22 13:15:10固い鯉口を切る、つまり刀をスムーズに抜くため、様々な工夫かなされました。 鯉口の切り方について② tenshinryu.blog.fc2.com/blog-entry-151… 表切り、隠し切り、控え切り、他にも様々な教えがあります。
2015-06-22 13:16:44鍔は鯉口を切るために大変重要な役割をはじめとする果たしますが、合口であったり、また仕込刀の場合は鍔に頼れません。 そのための教えもありますが、短刀の場合は、特に逆手抜きという方法が重宝されました。 逆手ですと両脇が締まって力が入りやすく、大変抜きやすくなります。
2015-06-22 13:18:36逆手では切れない!とも言われますが(そんな事もないのてすが)、そもそも逆手は突きおろしが得意です。 これは間合いの理を失いますが、受けにくく厄介な攻撃です。 というような流れを刀剣演武で解説したかったのですが、時間の都合ですべてカットしました。
2015-06-22 13:21:31