忍殺二次創作お題カラテ【ギター・サウンズ・ライク・サンダーボルト】（原文のみ）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

◇お題カラテ◇ #4215tk

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（ドーモ、シカナです。これよりなんか……いっしゅうかんくらい前？に募集したお題でなんかテキストカラテとかします。ニンジャです。必要ならばタグ #4215tk をミュートするなどしてください。あと前回お題に漏れがあったので次のツイートでお題を確認します）

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(今回のお題は「スチームパンク」「ギター弾きのニンジャ」「合わないチューニング」「肥溜め」「病気で床に伏せる母」「アーサー王伝説のなんか」「慇懃無礼」「異種間恋愛」「ムエタイ」「急に歌う」「ケモノ系ニンジャ」「砂時計」「マシンガンを使う女の子」以上１３個です) #4215tk

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◇◇◇◇◇◇◇◇ #4215tk

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【ギター・サウンズ・ライク・サンダーボルト】 #4215tk

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ポーン……ポーン。ネオサイタマと中国地方の境界線。そこにある小さな集落の端に、涼やかなギターの音が響く。奏者は切り株に腰掛けた一人の男。古びた金属の装飾が施されたその衣装は、カートゥーンを彷彿とさせる。ギターでさえ、歯車の意匠をあしらったレトロなデザインだ。1 #4215tk

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ポーン「ブッダ……」ポーン「ファック……」ポーン「ブッダミット！」ギターを爪弾くたびに、男は苛立ったように悪態をつく。一音爪弾くごとにミリ単位のチューニング。もし側に観客がいたならば呆れかえってその場をあとにするほどの神経質さだ。「ピンとこねえ。ピンとこねえぞ」2 #4215tk

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男は呟き、ギターをいじり続ける。彼はギターとLAN直結していた。よりクリアな音を味わうためだ。それがかえって彼の神経質さを増していると見える……ポーン「ファック」ポーン「ファック！」ポーン「ファーック！クソが！ぜんぜんノレねえぞこんなんじゃ！」3 #4215tk

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ギター弾きは頭上を仰ぎ、怒りに任せ叫ぶ。「こんなんじゃアニキに顔向けできねえ！ファック、シューゲイザー！いつものお前のワザマエはどこ行った！」やるせない様子で夜空を見上げる。どんよりと曇っていた。「ファック」毒づいた、その時だ。4 #4215tk

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「ゴアアアアアア！」暗闇の中から轟音が降ってきた。「ワッ……ザ！？イヤーッ！」ギター弾きの男……シューゲイザーは俊敏に側転を繰り出しその場を退避！申し遅れたが、彼はニンジャなのだ！直後、彼の座っていた切り株を踏み砕いて「それ」が着地する。「ワッザ……？」5 #4215tk

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シューゲイザーは瞠目した。黒い蒸気を纏って現れたのは異形の獣だ。全体としては猫めいている。しかし首と尾は蛇の如く長く、脚には蹄。いかなバイオ生物にもあり得ない特徴。そして何より異様なのは、背中のサイバネエンジン。何本もの排気マフラーが、胴体に巻きついている。6 #4215tk

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ニンジャと獣は、少しの間見つめ合った。「ゴアアアアアア！」「アイエッ！？」獣があげた凄まじい咆哮に、シューゲイザーの体が跳ねた。獣を取り巻くマフラーからいっせいに黒い蒸気が吹き上がる！「ゴアアアアアア！」獣は蹄を打ち鳴らし、シューゲイザーの上を飛び越える！7 #4215tk

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……「な、なんだありゃア？」呆気にとられ、シューゲイザーは走り去っていった獣を見やる。近くに暮らしている彼でも、あのような生き物は今まで一度も「「イヤーッ！」」「え？グワーッ！？」突然の衝撃。蹴り飛ばされたシューゲイザーは後方に回転しながら吹き飛ぶ。8 #4215tk

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回転する視界の中で、彼は見た。飛び去っていく二人のニンジャを。彼は悟る。そのうちのどちらかが、自分を踏み台にしたのだと！「グワーッ！」視界がさらに回転！その隅にかろうじて捉えたものを見て、シューゲイザーの血相が変わった。近くの農家が作っていた肥溜めである！9 #4215tk

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「じょ、冗談じゃねェ！イヤーッ！」彼は姿勢制御し大地を踏みしめる！勢いを殺しきれず、地に跡を残しながら後方へ！その先にはバイオ水牛の糞が溜まった肥溜め！ナムアミダブツ！？「ウオオーッ！ザッケンナコラー！」彼はギターを地面へ突き立てる！10 #4215tk

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その甲斐あってか、勢いは徐々に弱まり……シューゲイザーはかろうじて停止した。そのワン・インチ後ろは悪臭漂う肥溜めである。「フゥー」額の汗を拭ったシューゲイザーの目に、怒りの炎が灯る。「ブルシットめ。なんだあのニンジャどもは？」彼らの去った方角を見据え、唸る。11 #4215tk

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「ナメやがって……俺を誰だと思ってやがる……ナメやがって！」その怒りが爆発！「ニンジャだからって俺がビビると思ったら大間違いだ！後悔させてやる！あのブルシットども！」ギターを抱えたシューゲイザーが旋風めいて駆ける！通りすがりのニンジャを追うために！12 #4215tk

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「チィーッ」標的を見失ったムエボーランは舌打ちし、背後からやってきた『助っ人』を見やる。「ペリノア＝サン！なにをチンタラしている！」「そう急かしてくれるな、ムエボーラン＝サン」優雅ささえ感じさせる振る舞いでペリノアが返す。「急いだヒキャクはカロウシするぞ」14 #4215tk

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「なにを悠長な……！」「たかだがヘンゲヨーカイ・ジツ使いの野良ニンジャ一匹に、そこまで焦る必要もないだろう」背負った大剣を担ぎ直したペリノアが、不意に笑う。「……いや、失敬。君には事情があるのだったな？汚名返上という事情が。ククク」「黙れ」ムエボーランが唸る。15 #4215tk

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ムエボーランはアマクダリのニンジャだ。常人の三倍の脚力を最大限に活用したムエタイ・カラテのワザマエを買われ、アマクダリに恭順するヤクザクランのヨージンボとして働いていた。しかし、そのカラテが真価を発揮するよりもはやく、ヤクザクランが壊滅してしまったのである。16 #4215tk

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原因は？今追っているあのニンジャだ。彼の留守中に事務所を襲撃したらしいあの獣は、ヤクザたちを皆殺しにしたうえ金目の物を奪って逃走した。ムエボーランの面目は丸つぶれだ。ケジメでもつけさせぬ限り気が収まらぬ。……しかし、独力で逃走者の気配を追うには遅すぎた。17 #4215tk

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ゆえにムエボーランはアマクダリに増援を要請した。そしてきたのがこのペリノア……鼻持ちならぬアクシスというわけである。「心配しなくとも、奴の足取りは掴めている。そもそも誰のおかげでここまで奴を追い詰められたと思っているのかね？」「ヌゥーッ」ムエボーランが唸る。18 #4215tk

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「さて、つまらぬ言い争いはここまでだ。粛々と敵を追い詰めようではないか。粛々と」「言われなくてもわかっている！」ムエボーランが吐き捨てるように返した、その時だ。ゴアアアアアア！爆音があたりに鳴り響く！「これは！」ムエボーランがムエタイ・カラテを構えた！19 #4215tk

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「奴の吠え声だ！そうだな！？」「ああ、うむ」大剣を大地に突き立て、それに寄りかかったペリノアが気の無い様子で答えた。「そのようだな」「だろう！？……なにを悠長な真似をしている！追うぞ！」「いや、君一人で行きたまえ」「なに？」思わぬ言葉をムエボーランは訝しむ。20 #4215tk