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大貫剛さんの、役所の「過去の決定を間違いだと認めると死んじゃう病」

国立競技場問題をはじめ、なんでこんな事になってしまうのだろうかという原因が、この死んじゃう病にあるらしい。ある種の善意が根っ子にあるだけに、これをどう変えていったらいいかは考えどころだと思う。こういう病気は日本では戦前からずっとあるもので、それが様々な悲劇の原因になってきたのではないのか。
社会問題 オリンピック 役人
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大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
役所に本当にある病気で「過去の決定を間違いだと認めると死んじゃう病」ってのがあって、たとえ前任やもっと前の人の決定であっても、「状況が変わったので、当時正しかったものが現状に合わなくなりました」と言わなければならない。国立競技場問題は、これ。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
当然、状況が変わったと説明するためには「当時は予見し得なかったような変化」である必要があるので、ほとんどの場合は説明できない。そこで、決定したことの範囲内で「ずらす」程度の変更しかできなくなる。役所が一度決めたことが変わらない理由。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
こうなってしまう原因は、日本的な発想では失敗は「誰の責任かを決めて処罰する」ことにあると思う。役所は責任から逃げてしまう。民間は、責任を誰かに負わせる。どちらも本当は良くなくて、「最善の結果になるように方針を変える」が必要なのだが。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
役所の「間違いを認めると凍んじゃう病」のRTが多いので、国立競技場問題について追記。国立競技場は、予算超過してる時点で、認めるもなにも間違いは明白。だからこそ設計変更もしてるのに、何が間違いと認められないのか。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
「建設ラッシュで単価が上がった」「詳細に設計を詰めたら予想より高くなった」はある程度理由になる。「規模を縮小する」「簡素化する」「一部を仮設にする」も、決定されたことの範囲内での「ずらし」なのでOK。ダメなのは「アーチをなくす」
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
アーチをなくすということは、そもそも国立競技場の機能としてアーチは必要なかった、と認めたことになる。文科省は財務省に「アーチがなくてはならない理由」を説明したはずで、それを反古にしたら文科省は嘘つきになってしまう。大臣が「アーチやめよっか…」と言った翌日にそれが取り消される理由。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
こういう場合、国交省がよくやるのは「そこは二期工事にする」という方法。「道路は往復4車線必要です!」と言っておいて、予算が足りないから「暫定2車線で開通します」と言う。2車線で足りると言ってしまうと将来広げたくなったときに困るから、暫定という言葉を使う。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
で、国立競技場はアーチの基礎がすごく大きくなるので、アーチだけ後から作るのが難しい。なら、「技術開発であとから作る方法を考えました」とか適当なこと言えば、辻褄が合う。シールド工法で横から掘ります、とかね。そんなの嘘でもいいのよ。話の辻褄さえ合えば。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
で、オリンピックが終わってから2期工事の検討会を開いて、「アーチ作るより普通に屋根掛けた方が安上がりだとわかりました!」って言えばいい。いや、もう屋根なんか付けなくていいかもしんないけど、それなら「二期工事は未定」と永久に言ってればいい。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
こういう、役所内ゲームのテクニシャンが文科省には足りないんだろうなあ…と、いろんな場面で思う。単なる内輪ルールの話なのに国民の見てる前で右往左往されたら、国民は呆れちゃうでしょう。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
良いご感想を頂きました。役所の「間違いを認めると死んじゃう病」は、認めても個人が懲戒されたりはしないです。組織的に大変なことになる。 twitter.com/mimana_o/statu…
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
前に、実際にあった話。東京都が有料道路を建設した。国の補助制度を利用して、建設費の一部は国の補助金、一部は都の税金、残りは借金をして通行料金で返済することにした。ところが開通したら、予想より通行台数が少なかった。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
もともと地元の要望で作ったのになぜ?と調べたところ、有料道路だと遠回りでも一般道路を使ってしまう人が多いせいだった。このままだと赤字で、借金は返せず、税金で穴埋めしなければならない。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
しかし、考えてみれば間違っていたのは「有料道路にしたこと」で、最初から税金で建設すれば無料でみんな使ってくれる。その前提で計算し直しても、税金を使う価値は充分にあることがわかった。むしろ、料金徴収の経費が要らなくなるのでトータルは安上がり。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
そこで都は、借金の残りを税金で返して、無料にすることにした。すると、国からクレームが来た。「無料道路の補助金ではないので、不正支出だ。補助金を返還しろ」と。無料道路の補助金は国土交通省の隣の課が担当。でも課が違うから不正支出だと。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
つまり、今までにやったことが間違いだと認めると、間違ったことに使った税金の根拠が失われてしまう。国と都なら、都に「返せ」と言える。ところが国の内輪だと、返す金も国の金だから、返しようがない。法的根拠が存在しない仕事は、役人にはできない。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
こういう酷い状況になっても、役人が個人的に懲戒処分を食らうことはない。ただ、役人がルールの範囲内で処理できない仕事は政治的解決しかないので、こういう決着へ持ち込んだ役人は役人失格のレッテルを貼られかねない。周囲の役人は、あいつと仕事したくないと考えるかもしれない。出世に響く。
大貫剛 @ohnuki_tsuyoshi
なので、役人が間違いを認めないのは懲戒処分とか明確なルールがあるわけではなく、不文律として「絶対にやってはいけない」と全員が考えていると言うべきでしょう。そこで、優れた役人は、間違いを認めることなく方向修正するテクニックを会得してるわけです。

コメント

鴨澤眞夫 @kamosawa 2015年7月1日
すんごく頭おかしくて良かった。こういうスキームこそ海外を見習えばよいのに。
松吉信和 @N_Matsuyoshi 2015年7月1日
日本のこの病理は役人に限らず全員が持っていて、それがもたらす諸悪がもう手のつけようのないところまで来ている。
初瀬 神楽 @Kagura_d34272 2015年7月1日
素直に間違いを認めていこうとしたところで、間違いを認めた人が全部かぶせられた挙げ句、フルボッコされて退場するだけやしねぇ
trycatch777 @trycatch777 2015年7月1日
企業だってそうですもんね。何か新しい事を始める時にも、そのメリットやデメリットより「失敗したときは誰が責任取るんだ」という議論ばかりされるという。で、実際にその事業が失敗した(と見なされた)場合、責任者を飛ばすことで回りを納得させますし。
亜山 雪 @ayamasets 2015年7月1日
民間でもありますよ。「こんなもんうまくいくわけないし、ペイしない」「いや、当時の社長(親会社からの出向)のアイデアだからやめられない」
smw @Shi_MeiWo 2015年7月1日
こういう悪癖をやめるには、まず俺たち一人ひとりが「他人、特に目下の人間の失敗を責めない、叱らない、脅さない」ことから始めるのがいいと思う。その代わりに「何が根本の問題だったのか」「どうすれば上手くいったのか」を一緒に考える習慣をつけようじゃないか。ちなみに俺は以前からそうしている。
奥山犛牛 @bogyu 2015年7月1日
「親方日の丸」という言葉に象徴されるように、お役所というのは極めて安定的な組織だからこそ保身に走るんだよね。皮肉にも。大過なく勤めあげれば良いわけだから。
奥山犛牛 @bogyu 2015年7月1日
自己革新的な組織であるためには、もっと外部の刺激に対して不安定なオープン・システムでなくてはならない。分かりやすく言うと、組織内の常識が世間の非常識だと気付くようでなければいけない。
NTB006 @NTB006 2015年7月1日
国民が役所の失敗を謝れば許すなら此の様なことは起きない。実際はマスコミを中心としてそれ見たことかと、フルボッコにするでしょ? だから失敗は認められない。
奥山犛牛 @bogyu 2015年7月1日
確かに、組織の構成員にとって最適な行動(保身)と、組織全体にとっての最適解との間に乖離がある。いわゆる合成の誤謬。必要なのは両者を可能な限り近づけるような組織文化(organizational culture)を創造すること。具体的にはみんなが言ってるように中間管理職が詰め腹を切らされる風習をやめることだね。
デュアルハート @haniwaras 2015年7月1日
間違いをした人を必要以上に非難するのを止めるしか根本的な解決方法は無さそうですね
たけ爺 @take_ji 2015年7月1日
「親方日の丸」という人もいるだろうが、役所の場合「最初から間違っていた」ことにすると『今日まで出していた民間に対する許認可・指導すべてがひっくり返る』おそれがあるから。だから「暫定措置」を取りたがる(昨日までOK今日から駄目)なら昨日までの「民間の行動もOK」ですむ。
たけ爺 @take_ji 2015年7月1日
行政も法律も最も怖いのは「その決定・法」が基準となって全ての民間が動いているところ。「遡って間違ってました」なんてやったら「それまで従っていた」民間の行動全ても『間違い』対象。だから滅多なことでは「最初から間違ってました」は言えない、というか言ったら国そのものが死にかねない。
smw @Shi_MeiWo 2015年7月1日
take_ji ご意見は理解できるのですが、まさに諺の「株を守る」そのものなので、「以前とは状況が違うので、これからは変えます」と覚悟を必要とせず言えるほうが、役所としても建設的ではないでしょうか。
たけ爺 @take_ji 2015年7月1日
Shi_MeiWo そう。ただ前提は「過去の決定は過去の時点では間違っていなかった」としなければいけない事。まとめも「二期にして情勢変化で後半部分(アーチ部分)がいらなくなった」としてしまえばいい、というのはこの部分。「最初から間違っていたこと」を認めて全部やり直せ、というのが無理。
Gothicgaze @Gothicgaze 2015年7月1日
役所よりもtwitterにその病の人が多い気がするよ
たけ爺 @take_ji 2015年7月1日
文句を付ける方が「最初から間違っていた」と認めろ、謝れ、などと言い出すから話が進まない。役所を動かすなら「状況変化がありうるから、一部着工、残りは後日再検討でいきましょう」と落としどころを認めなければ。
小川靖浩 @olfey0506 2015年7月1日
これ、別に日本に限った話ではなくて「どこでも起こりうる話」なんだけどな。「柔軟で融通を利かす」というのもそれの恩恵を受けない人からすれば「人を見て勝手に判断を変える」という「権力の私有化」とも解釈されかねない話であり、腐敗扱いにされがちな評価になるんだけどねぇ…。アメリカのCIAの「イラクの大量破壊兵器保有」という誤解を行ったままイラク戦争を開戦したのがすったもんだしたのは記憶にまだ新しいはずだけどねぇ…。
Gruner_Wind @Gruner_Wind 2015年7月1日
ていうか「無料」で立派な道路作ったら作ったで無駄遣いだとかって叩く連中がわいてくるわけだし、屁でもないような瑕疵をいちいちあげつらう「市民」様がいるから、おかしな理屈が幅を利かせるようになってしまうんだと思う。
岡一輝 @okaikki 2015年7月1日
コンコルド錯誤……?
neologcutter @neologcuter 2015年7月1日
役所の過去の決定の間違いを簡単に直していこうとすると「政治主導」しかないわけだが…それでうまくいくかというと…ねえ。
hilander @EmHilander 2015年7月1日
役人も独断で決断していいわけじゃないということを忘れている。全てのバックボーンである金は組織の長である大臣や首長を納得させなければ予算として議会に提出できず、議員を納得させなければ成立しない。
hilander @EmHilander 2015年7月1日
それに「法的根拠が存在しない仕事は、役人にはできない。」のではなく、やっちゃうと法治の原則に反する。
hilander @EmHilander 2015年7月1日
さらに役人の仕事は一歩間違うと裁判が待ち構えている。そうなったときに今までの判断の積み重ねである「前例」から外れると途端に勝ち目が薄くなる。そんなとき人事は確実に敵に回る。そりゃそうだ。大臣や首長のクビまで差し出さなきゃいけなくなるかもしれないのだから。
■■ミソ @kazmiso 2015年7月1日
こういうの修正するのが政治家だと思うんだけど、所轄の大臣は完全に洗脳済みだよな。
hilander @EmHilander 2015年7月1日
前例が間違ってきてるのに、前例を守らなきゃ組織の長も、議会も、裁判所も納得させられない…だが一つだけ突破口がある。法律や条例で改めることだ。ようは民意を形にしないと前例は動かせないってこと。twitterで愚痴るだけじゃ、ただ電子のゴミを増やすだけだよ。
hilander @EmHilander 2015年7月1日
kazmiso 大臣もほとんどの場合もとをただせば議員さま。支持者の意向や世論の流れを気にする必要がある。特に大臣に諮る案件はどこかしらコンフリクトが存在する。軽々しい判断は政治生命に直結する。だからほとんどの場合少しづつしか動かせないんだよ。なお、軽々しい判断の例としては「最低でも県外」「福一視察」を挙げればいいだろうか。
Heyw65kZ4RiU @29zgJQepexzZ 2015年7月2日
まだ誰も書いてないので。「で、結局誰が一番悪いので?」
s_matashiro @glasscatfish 2015年7月2日
国立競技場のアーチは、二期工事で、プロジェクションマッピングでやったらいいと思う。で、上映後に「あれは幻でした・・・」とか、やるの
はむいち @hamuiichi 2015年7月2日
責任を取るという言葉が辞職とニアリーイコールになってるのがなんかもやもやするんだよなあ。別にそいつがやめても問題は解決しないじゃん?問題点はどこで、解決には何が必要で、どうやったらその失態を取り戻せるのか生産的な議論ができない社会風土って無駄としか思えんわ。
3mのちくわ(20禁) @tikuwa_zero 2015年7月2日
「間違えてましたすみません」→「おk、じゃあ話を先に進めよう」で終わる話なんだけど、そもそもミスを認めなかったり、ミスを認めた相手をフルボッコするのが目的の人がいるのが難儀。ぐぬぬ。しかし、そもそもミスを認めないのは「ミスを認めた相手をフルボッコするのが目的の人」で、自分がミスを認めて相手にフルボッコされるのがヤだから認めないっつーのが更に難儀。ぐぬぬぬ。
游鯤 @yusparkersp 2015年7月2日
以前の決定は基本的に先輩がしたものだし、それを間違ってた事にしたら今は上司になっている先輩の顔を潰すし、
smw @Shi_MeiWo 2015年7月2日
take_ji そうですね。われわれ民間から政府に「今は状況が違っても、当時のあなたの判断は間違っていなかった、あなたは最善を尽くした」というねぎらいのメッセージを送るのも重要なことですね。
smw @Shi_MeiWo 2015年7月2日
改めてコメント欄を見返すと、「改善できない理由」は多く出てくるのに「ならばどうすれば改善できるのか」がなかなか出てこない。昔「『こうやったらこうなる』と分かっていても、止めるわけに行かないのが大和魂だ」なんて歌があったが、そんな硬直した考えこそ「今は時代に合わないので変えるべきです」とならぬものか。
初瀬 神楽 @Kagura_d34272 2015年7月2日
世の中には相手がミスしたと思った途端に人格攻撃やら罵詈雑言まで平気でやらかすのがおるんで、そんなの見てたらミスなんか絶対に認めとうなくなるし。本来はそういうの淘汰するのが最初だろうねぇ。
遊佐飛鳥@漢晋春秋 @asukayusa3594 2015年7月2日
あー、すごい分かりやすいなこの説明。
hilander @EmHilander 2015年7月2日
29zgJQepexzZ 責任を仕組みではなく人や組織に求めたらみんな保身に走るだろうね
hilander @EmHilander 2015年7月2日
hamuiichi 辞職とニアリーイコールと言ってるけど、一人の首で済むなら突っ走る役人はそれなりにいる。しかし違うのだよ。仕事を教えてくれた上役、サポートしてくれる部下、大臣や首長まで詰め腹を切らせることになりかねないとなると…
あかみ@長らくありがとうございました @akami_orihime 2015年7月2日
過去の過ちを改めるのであれば当時の責任は問わない、という仕組みを明確にトップダウンで作るしかないでしょう。 交通安全は過ちの責任を免責するかわりに再発防止にコミットする責任を課すことで前に進むようになりました。政治決断も同じかと。
鮪鯨人(ゆうげいじん)@角刈り @yuugeijinn 2015年7月2日
失敗した後の責任問題への恐怖が「先例主義」を今日まで続けてきた行政の宿痾である点に同意。
たけ爺 @take_ji 2015年7月2日
Shi_MeiWo 「間違っていたから」じゃなくて「状況が大きく変わったから」変更する、という主張を認める社会になれば大丈夫なのですよ。そう言っても「そこまで状況が変わることをなぜ予測できなかったのか、予測できない官僚が無能!!責任を取れ!!」と言い出す人もいますが。
たけ爺 @take_ji 2015年7月2日
官僚に詰め腹切らせても何の解決にもならないのだが、「官僚の首を取るのが楽しい」市民の方々が結構いるのが何とも。
NTB006 @NTB006 2015年7月3日
結婚してたら家族まで路頭に迷う事に成るし、上司や部下も路頭だしその家族も……。
ɐǝɹpuɐ‾ǝuoq @bone_andrea 2015年7月3日
ゴミだな。死ね。その変な空気と共に。
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