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藤原編集室 @fujiwara_ed
きのうの「よんとも」で発表された「西崎憲が選ぶ怪奇小説ベスト10+4」、メモを取り損ねた人のために、おさらいしてみます。まずは十作にしぼりきれなかったプラス4篇。
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14「白い粉薬のはなし」アーサー・マッケン 連作形式の長篇『怪奇クラブ(三人の詐欺師)』(創元推理文庫)の一挿話。抜き出して怪奇小説アンソロジーに採られることも多い。西崎さん曰く、マッケンは怪奇小説にセックスの問題を持ちこんだ最初のひとり。
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13『ゴールデン・フライヤーズ奇談』J・S・レ・ファニュ 三つの挿話からなる長篇の第二話「憑かれた准男爵」の翻訳(福武文庫。残り2篇は未訳)。「緑茶」など多くの名作がある中で少々意外な選択だが、以前は退屈に感じていた風景描写が最近は素晴らしく思えるようになった、と西崎さん。
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12「月光に刻まれて」ジェイムズ・スティーヴンズ 『小人たちの黄金』のファンタジー作家の未訳作。来年刊行予定の怪奇小説アンソロジー(東京創元社)に西崎訳で収録予定とのこと。ちなみにスティーヴンズはジョイスの親友で、『フィネガンズ・ウェイク』の完成を彼に委ねる話もあったという。
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11「いも虫」E・F・ベンスン 『怪奇小説傑作集1』(創元推理文庫)収録。屋敷の中が巨大ないも虫に埋め尽くされていく、虫嫌いの人にはまさに悪夢のような一篇。ちなみにベンスンは「歩く疫病」(西崎憲訳、『乱歩が選んだベスト・ホラー』ちくま文庫)では巨大なナメクジ様の怪物を描いている。
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これはベストには入りませんでしたが、鳴り続けていた町中の鐘がやむ瞬間が滅茶苦茶怖い、という西崎さんの話で強い印象を受けた人も多いはずのロバート・エイクマン「鳴りひびく鐘の町」(『ロアルド・ダールの幽霊物語』ハヤカワ文庫)。
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そのロバート・エイクマンの本邦唯一の短篇集『奥の部屋』は、新訳を追加した増補文庫版を現在準備中。お楽しみに。
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「よんとも」イベントで発表された「西崎憲が選ぶ怪奇小説ベスト10+4」の10位から5位。
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10「輝く草地」アンナ・カヴァン 旅行のたびに目の前に現れる輝く草地。その緑の斜面には半裸の人間たちが滑車とロープによって繋がれていた・・・。『短篇小説日和』(ちくま文庫)に西崎憲訳で収録。西崎訳カヴァン短篇集もちくま文庫から刊行予定。
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@fujiwara_ed 8月発売の《早稲田文学》秋号にも西崎憲訳アンナ・カヴァン短篇が掲載予定の由。
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9「喉切り農場」J・D・ベリズフォード 喉切り農場という不吉な名で呼ばれる農場に滞在する「ぼく」の周囲で動物たちが次々に・・・不気味なユーモアが横溢する一篇。『怪奇小説日和』(ちくま文庫)に西崎訳で収録。新人物往来社『怪奇幻想の文学4』で平井呈一訳に接して以来のお気に入りの作品。
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8「ダンウィッチの怪」H・P・ラヴクラフト ミスカトニック川上流の寒村で秘かに進行する怪異から、何本もの縄をよじったような体をした巨大怪物が出現するクライマックスへ。クトゥルー神話物の代表作。各種の訳があるが、西崎さんが最初に読んだのは『怪奇小説傑作集3』(創元推理文庫)のはず。
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7「アムンゼンの天幕」ジョン・マーティン・リーイ アムンゼンの南極探検隊が残した天幕で発見された人間の生首。犠牲者の手記に綴られた恐ろしい物語とは・・・。『怪奇と幻想2』(角川文庫)、『幻想と怪奇 ポオ蒐集家』(ハヤカワ文庫NV)収録だがいずれも絶版。これも西崎憲訳が準備中。
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6「炎天」W・F・ハーヴィー 「陽気のせいで神も気違になる」と書いたのは夏目漱石だが、気違になるのは神だけではない。これはそういう話。ある夏の暑い日、家を出た男はふと立ち寄った石屋の仕事場で或る墓碑銘を目にし、ぞっとする。『怪奇小説傑作集1』(創元推理文庫)収録。
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@fujiwara_ed 平井呈一は本作をモダン・ホラー・テイルズの代表的名作とし、「かれらは日常生活の隙間に手をかけて、いきなりそいつをクルリとひんむいて、内側にある恐ろしいものを見せることをはじめた」と評している。
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5「ゴースト・ハント」H・R・ウェイクフィールド 「ラジオをお聴きのみなさん、ゴースト・ハントの時間がやってまいりました・・」幽霊屋敷訪問の番組レポーターが、邸内の実況中継をしているうちに次第におかしくなっていく様が凄まじい。『ゴースト・ハント』(創元推理文庫)に西崎訳で収録。
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「西崎憲が選ぶ怪奇小説ベスト10+4」いよいよ第4位から第1位、恐怖のカルテットはいずれも怪奇小説の古典的名作。
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4「柳」A・ブラックウッド 『幻想と怪奇1』(ハヤカワ・ミステリ)収録。ダニューヴ河下りのカヌー旅行を満喫していた二人は、みず柳の生い茂る砂洲にテントを張るが、その夜から怪異の襲撃が始まる。大自然の恐怖を描いた力作中篇。これも西崎憲・新訳で来年刊の怪奇小説アンソロジーに収録予定。
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ブラックウッドのもう一つの代表作「ウェンディゴ」も大自然の恐怖が凝縮された傑作。カナダの森林に分け入った狩猟隊が、インディアンがウェンディゴと呼ぶ超自然の存在に遭遇する。ウェンディゴは空を高く走り、それを見た者は気が狂うという。『ブラックウッド傑作選』(創元推理文庫)収録。
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3「笛吹かば現れん」M・R・ジェイムズ 休暇旅行に出かけた教授が聖堂騎士団礼拝堂の遺跡で金属の笛を拾う。笛にはラテン語で「何者ぞ、こなたへ来たるは?」と銘があった。宿に戻った教授がためしに吹いてみると(吹かなきゃいいのに!)不思議な音色とともに一陣の風が吹きつけ・・・
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@fujiwara_ed 悠々たる運びと後半の畳みかけるような怪異の出現。英国怪奇小説のお手本のような作品。『M・R・ジェイムズ怪談全集1』(創元推理文庫)収録。ケンブリッジの学長を務めたジェイムズは毎年クリスマスに学生や同僚を集めて、怪談を朗読するのを習わしにしていた。
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2「信号手」チャールズ・ディケンズ 「おーい、そこの人!」語り手が斜面の上から切通しの底にいる男に声をかける場面から始まる、怪奇小説アンソロジーの定番中の定番。「この高低差がいいですね、高低差と怪奇小説は相性がいいんです」と、いきなりブラタモリのようなことを言いだす西崎さん。
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@fujiwara_ed トンネルの入口近くの番小屋に勤める信号手が、警告灯のそばで彼に向かって懸命に手を振る人影を目撃した後、恐ろしい鉄道事故が起こった。再び現れた人影は彼に何を告げようとしているのか・・・『エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』(河出文庫)に柴田元幸訳が。
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@fujiwara_ed「この短篇の怖さというのは、よくある怪談の場合のように、不可解な神秘にあるのではなく、そのまさに逆――すなわち、すべて完全に合理的な説明がつく、というところにある」(小池滋「信号手を求めて」)十九世紀英国の文豪はモダン・ゴーストストーリーの大家でもあった。
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