2015年7月6日

マリアナ沖海戦における実態と米海軍の認識のズレ

・日本海軍作戦機の半分は目標に遭遇することすらできず未帰還となった ・アメリカ海軍は日本海軍航空隊に決定的な打撃を与えたとは認識していなかった。むしろ有効な打撃を与えることができず、失策だったとすら認識していた。
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TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

「艦隊これくしょん」プレイヤーの間でマリアナ沖海戦が話題になっているようなので、ちょっと呟いてみる。この海戦で帝国海軍の機動部隊は事実上戦力を喪失したことは有名である。

2015-07-04 17:27:02
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

が、アメリカ海軍はそれに気付いていなかった。空母「翔鶴」「大鳳」に潜水艦が損傷を与えたことは把握していたが、撃沈したとは認識していなかった。そして、アメリカ海軍はもっと重大な事実誤認をしている。

2015-07-04 17:28:12
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

「この海戦で日本海軍が失った艦載機は多く見積もっても100機に及ばない。空母は1隻も失われていない。これはスプルーアンス提督の消極的な指揮による、我々の失点である!」と言うのが当時の米海軍の認識だった。

2015-07-04 17:29:34
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

アメリカ海軍はこの認識のままレイテキャンペーンに入り、有名な「ハルゼー提督が囮機動部隊を深追い」に繋がる。

2015-07-04 17:30:48
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

マリアナ沖海戦で帝国海軍第1機動艦隊が放った艦載機のおおよそ半数は、米軍と交戦していない。遭遇さえしていない。「強大なアメリカ海軍機動部隊によって次々に撃墜された」方が戦記としては聞こえが良いが、実際のところは通信ミスと航法ミスによる自滅であった。

2015-07-04 17:33:43
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

アメリカ艦隊が居るはずの海域へ向かって進撃し、そのまま未帰還となった搭乗員の方々はいかに無念だったことか。

2015-07-04 17:34:44
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

ともあれ、アメリカ海軍側からこれを見ると「最大限に見ても、日本側は小規模で散発的な攻撃を行うに留めた」「日本の機動部隊は健在である」となってしまった。「日本側は、こちらの哨戒範囲外で自滅している」とは誰も考えなかったようだ。

2015-07-04 17:38:09
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

マリアナ沖海戦と言うと「レーダー管制された艦隊防空」と「VT信管の猛威」が強調されたり、アウトレンジ戦術の可否が論じられることが多い。そして「レーダーやVT信管抜きで考えても多勢に無勢」と言う結論が書かれることが多い。

2015-07-04 17:43:09
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

当時の搭乗員はじめ当事者の方々には大変申し訳ないが、マリアナ沖海戦における日本側は「そもそも作戦行動が行えない」水準にあったとしか言いようがない。

2015-07-04 17:45:52
みょるにる@CW本は出します @egotex_cwinfo

@TFR_BIGMOSA 突然失礼します。米側がそのような情勢判断をしていた事は初めて知りました。この件に関連して、日米両方の視点と事実について、まとめられた資料について、何かご存知であれば、ご教示をお願いしたいと思います。(当然、お忙しければ無視して下さって結構です

2015-07-04 17:56:53
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

@egotex_cwinfo 米海軍の公刊戦史……は入手性があまり良くないですね。川崎まなぶ氏の「マリアナ沖海戦」はいかがでしょうか。

2015-07-04 17:59:55
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

@egotex_cwinfo ただし、川崎氏の「マリアナ沖海戦」は搭乗員の熟練度分析として単純平均を使っている箇所があって、「平均飛行時間で見ると真珠湾攻撃の時とあまり変わらない」と誤解する危険があります。

2015-07-04 18:09:42
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

@egotex_cwinfo 超ベテランと新人の飛行時間を足して人数で割り算してはいけないと言う話です。

2015-07-04 18:10:30
BOOBY @Bonjin13_BOOBY

@TFR_BIGMOSA 小沢長官も戦後のインタビューでは練度がかなり低くアウトレンジは無謀だったと回想していましたね

2015-07-04 19:54:38
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

@Bonjin13_BOOBY 搭乗員だけでなく、艦艇乗員の技量もかなり低下していましたね。たとえば「飛鷹」と「長門」が衝突事故を起こしかけたり、また前衛部隊が友軍機を誤射したときの各艦の対応もかなり混乱しています。

2015-07-04 20:19:05
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

昨日つぶやいたマリアナ沖海戦について、とりあえずすぐに読めるもので紹介してみる。 日本語wikiの該当記事 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E… 「戦闘の経過」は日本側の視点で書かれていて、「万全の防空体勢を敷いていたアメリカ海軍に次々と撃墜され」と記述されている。

2015-07-05 17:00:59
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

同記事の「影響」を読んでみると 日本側視点「機動部隊は3隻の空母(内2隻は正規)、搭載機、搭乗員の多くを失い再起不能となった」 アメリカ側視点「スプルーアンスの作戦指揮について、消極的であるとの批判がされた」 いささかつながりの悪い記事になっている。

2015-07-05 17:01:39
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

英語版を読んでみよう。en.wikipedia.org/wiki/Battle_of… "Japanese raids"でアメリカ側が撃墜したとする日本機数よりも"Aftermath"にある日本側喪失数は、遥かに多い。

2015-07-05 17:02:10
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

当時のバトルレポートが米海軍のwebサイトのどこかで公開されていた気がするので、いつか気が向いたら読み返してまた呟いてみる。……読み返すだけで憂鬱になる記録だったことは良く覚えている。台湾沖航空戦の記録よりはマシだが……。

2015-07-05 17:04:49
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

「アウトレンジ攻撃でなければ通信ミスや航法ミスでの自滅がもっと減らせて、より効果的な攻撃が出来たのか。せめて『強大な敵に向かって殺到する』ことだけでも出来たのか」については、私は懐疑的だ。

2015-07-05 17:09:36
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

マリアナ沖海戦において、私は日本側指揮官(小沢提督)の指揮にひとつ疑念を持っている。「艦載機のコンパス修正を行わせたかどうか」

2015-07-05 17:11:15
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

これ以外にも、たとえばアジ暦で日本側戦訓所見を読むとせっかく支給された無線機レシーバー組み込み飛行帽を使わない搭乗員が多数居たり、索敵機のレーダーは海軍レーダーのお約束どおりノイズとシグナルの識別が難しいものだったりと、技術上の問題が多数ある。

2015-07-05 17:13:14
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

戦術や作戦、搭乗員や艦艇乗員の戦技とは別の技術上の問題が多々あったと見ている。いつかまとめて世に出したい気がするが、無理だろう。 「足りないピースを自作して組み上げたパズル」になってしまう。

2015-07-05 17:15:27
TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA

いまどうしてる>マリアナ沖海戦に関する呟きへのリツイート数にびっくりしている。日本側が「大兵力を一挙に送り出した」作戦が米艦隊に到達する時には分散したりポジションロストして「散発的な攻撃」になっている例はマリアナ沖海戦以前にも多数あるのだけれども……。

2015-07-05 17:24:56
槇野知宏@指揮官兼トレーナー兼モバマスプロデューサー @makinotakasa

@TFR_BIGMOSA @uchidahiroki 一航戦で半年、三航戦に至っては二ヶ月そこそこ・・・仮に真珠湾攻撃時のヴェテランでも、勝ち得たかが疑問です

2015-07-05 19:25:16
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コメント

銑鉄@晴嵐の落ちた地で @sentetu928 2015年7月6日
"熟練度分析として単純平均" 某銀英伝の自由惑星同盟最高首脳部の 労働担当大臣「民間の勤労者の平均年齢は36才前後です。」 他大臣「その数字に何の問題が?」 労働担当大臣「数字のマジックです。実際の現場には10代前半と60才以上の人間しか居ない」 を思わせる話です。
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ばなが @vanagan 2015年7月6日
マリアナの七面鳥撃ちは大群で襲いかかる日本機をばったばった撃ち墜としてたのではなく、散発的に飛んで来たのをじっくり狙い撃ちしてたってっ事なのかー!?
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おばた はじめ @yamamoto1208815 2015年7月7日
日本側視点だと、タウイタウイ泊地周辺での米潜水艦への対処がうまく行かず、そのために泊地に籠りがちになってしまい、艦載航空隊はろくに訓練が出来なかったと…小瀬本國雄氏の『激闘艦爆隊』にその様子がよく出てました
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有村悠%1/22砲雷撃戦・に-10 @y_arim 2015年7月9日
最後のツイートにある第一航空艦隊の壊滅は、直前の米軍ビアク島上陸に対処しようと、連合艦隊司令部が独断で同方面へ進出させたもの。さらにビアク島救援の第三次渾作戦に大和・武蔵なども投入しようとするが、マリアナ諸島への米機動部隊来襲の報を受けて中止され、あ号作戦が発動される。肝心の航空戦力のみならず、逼迫していた燃料まで浪費してしまったわけだ。
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永田局長@孕@三ニ一 @tnag84 2015年7月9日
VT&防空レーダー史観とも名付けるべきか、この手の勘違いをしている方は多いんですかね。 相応の損害も出たかもしれませんが、せめてTF58にきちんとした編隊を組んで辿りつけさえすれば、もっと戦果を挙げられたかもしれません。七面鳥は小さな群れしか作らないということでしょうか。
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TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA 2015年7月11日
まとめありがとうございます。 >コメント欄の諸姉諸兄 「マリアナの七面鳥撃ち」とはTF58に到達できずグアム島へ着陸しようとした日本側攻撃隊(第2航空戦隊の攻撃隊)を空母レキシントンの戦闘機隊が撃墜した際に評した言葉です。 「TF58の上空や近傍での防空戦闘」全てについてアメリカ側が「七面鳥撃ち」と評しているわけではありません。
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TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA 2015年7月11日
>呟いたときにお話した諸姉諸兄 記憶に頼って川崎まなぶ氏の「マリアナ沖海戦」を参考書として紹介しましたが、その後川崎まなぶ氏ご本人から「内容と紹介が違う」(大意)とツィートにて指摘されました。 川崎まなぶ氏と読者の方々にはご迷惑をおかけしました。いずれ、紹介すべき資料を読み返してから続きを書きたいと思います。
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はやたま@ヤマト新たなる旅路へ・・・ @hayatama1975 2015年7月12日
確かにコレは結構読むと納得、このあとのレイテ沖で何故ハルゼーがまんまと囮機動部隊に誘引されたのかが判る。
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TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA 2015年10月10日
まとめの更新をお待ちの方々には申し訳ないが「マリアナ沖海戦直後の米海軍の認識」そのものの資料はまだ検索中で再発見できていない。 しかしそれだけでは申し訳ないので、http://www.ibiblio.org/hyperwar/  さんを紹介してみる。 このサイトは米軍がpdfで公開した資料をhtml化して紹介しようと言うもの。
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TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA 2015年10月10日
上記サイトからMarianas Battle Experience 1 ~ Marianas Battle Experience 5と言うpdfファイルをダウンロードできる。 "Marianas Battle Experience"は1944年12月にアメリカ海軍が作成した戦訓資料。
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TFR_BIGMOSA(可愛いクジン人の地球偵察員) @TFR_BIGMOSA 2015年10月10日
日本側で言うマリアナ沖海戦単体を取り上げたものではなく、マリアナ諸島の上陸と制圧全体を扱っている。 日本側で言うマリアナ沖海戦、アメリカ側で言うフィリピン海海戦は"Marianas Battle Experience"の一部分として扱われている。
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