意地っ張り全シリーズ

あみ @ami_qitt25

意地っ張り1 「…信ちゃん…ごめんね、 遅くなって…」 息を切らせて現れた彼女は 真っ直ぐ信ちゃんを見てて 手で胸を押さえながら 呼吸を整え 軽く息を吐き出した “ええよ、忙しいんやろ？ 大丈夫かぁ？ 無理してんとちゃうんかぁ？” #エイトで妄想

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2 「ん？ まぁ、信ちゃん程じゃ無いけど。 久しぶりだね、今日は？」 そう言って俺に 軽く会釈をしながら 席に座った。 “なんも‥久しぶりに飯でも、 って思おて” 俺は信ちゃんが言い終わらない内に 肘で軽く小突いた #エイトで妄想

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3 “ん？あぁ、ヤスは初めてか？ こいつ明日香、 仕事関係で知り合ったんよ 明日香、ヤス。知ってんやろ？” 信ちゃんの簡単な紹介で お互い軽く頭を下げ 『安田です、初めまして』 「明日香です、こちらこそ初めまして」 簡単に挨拶をした。 #エイトで妄想

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4 “なんにする？飯くったんか？” 信ちゃんが彼女と話し始めたので 目の前のグラスをゆっくり空けた 暫く2人は近況報告をして たまに俺にも話を振ってくれて 彼女は俺と信ちゃんの話にも ニコニコしながら聞いてくれて… グラスが空けば注文しくれて #エイトで妄想

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5 （めっちゃ、ええ子やん。 信ちゃんええ子見つけたなぁ） 『2人はいつから付き合ってんの？』 俺の質問に顔を見合わせて… 吹き出した “ヤス！何言うとんねん 「安田さん、面白い！」” 2人が笑いながら言った 『⁈…付き合ってんじゃないの？』 #エイトで妄想

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6 “こいつと付き合ったら 俺休まらんわ… あぁ、腹痛い” 「信ちゃんはいい人だけど… 彼氏には向かないよねー」 クククっと笑いながら彼女も “なんや、俺良い彼氏になるで〜笑” 「なによ、私だって…笑」 又2人で見合わせて笑う #エイトで妄想

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7 “ヤス、なんでそんなん思ったん？ 付き合ってる様にみえるかぁ？” 『うん、お似合いだなって』 “‥ん〜女として意識した事ないなぁ… 性格男やもんな 笑” 信ちゃんは彼女に向かって片手で すまんと合図すると 彼女は殴る真似しながら。 #エイトで妄想

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8 「ぅん、もう！いっもそう！ 私だって女の子なんだからね 傷つくんだょ。 男みたいって言われるの」 “あれ？‥ 前の彼氏なんって言ったんやっけ？” 「お前は1人で大丈夫 でもあの子は俺が居ないと ダメだから‥って‥ 何回聞くの？」 彼女は楽しそうに言ったけど…

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9 『酷い‥なんなんそれ』 俺はつい口にしていた 2人して俺を見て “ヤスは優しいな” 「ありがとう」 俺は急に恥ずかしくなって 頭を掻いた 信ちゃんの携帯がなって 信ちゃんが話しながら席を立った #エイトで妄想

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10 2人きりになるとなんだか 気恥ずかしくて‥ 『明日香さん「何か飲み‥』」 言葉が被って2人で笑い合う なんか楽しい 彼女が目でどうぞって 言った気がしたから俺から先に 『じゃ、今彼氏居てへんの？』 思い切って聞いてみた #エイトで妄想

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11 彼女は笑いながら こくんと頷いた 『なんでや、綺麗やし気もきくし 気さくやのに』 俺は思った事をそのまま言った 彼女はちょっと びっくりした様な顔をして 「ん‥信ちゃんじゃ無いけど、 私勝気だから‥ 休まらないんじゃ無いかなぁ きっとね」 そう言ってちょっと俯いた

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12 『まだ、前の彼氏思ってんの？』 「気持ちがあるかって事？」 『ん？違うん？』 「それは無いなぁ… でも臆病にはなったかなぁ笑」 そう言って俺を見た彼女は ふんわりと笑った （笑うと可愛ええなぁ…） 「あ、お帰り」 #エイトで妄想

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13 彼女の声で我に帰ると 信ちゃんが戻って来て “いゃあ〜すまん、 呼び出しやねん。 先帰るけど…ヤス、後宜しくな” と、荷物を持って手を ヒラヒラさせて行ってしまった 『信ちゃん…行ってもうたね… どうします？ 帰るなら送りますけど…』 #エイトで妄想

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14 「ん‥もうちょっと飲みたいから もう一軒寄って行こうかなぁ？」 『じゃ、付き合おうか？』 「えっ？でも… 無理はしないで…」 『無理じゃないし、 一緒にいるんが嫌なら…「嫌じゃない、逆に嬉しい…な」 そう言って俯いた彼女の顔が ほんのりと赤くなるのが判った

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15 その日はもう一軒飲みに行って 連絡先を交換して別れた。 翌日彼女からお礼のメールが来てた （ほんと、ちゃんとしてんねんなぁ〜 信ちゃんみたいやわ笑） その後仕事で信ちゃんと 一緒になった時に 彼女の事を簡単に聞いた。 #エイトで妄想

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16 信ちゃんにはからかわれたけど 彼女の事が少し分かって嬉かった もっと知りたいと…思った… 彼女とのメールのやり取りは少しづつ増えていった 『何してるん？』 「まだ仕事してるょ」 『無理すんなや』 「章ちゃんもね」 『次休みが合えばどっか行かへん？』 「そうだね」

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17 そんな会話が出来るように なっていった。 ある日の夜中 メールの着信音がなった （誰やねん？こんな時間に…） メールを開くと 「章ちゃん、こんな時間にごめんね。 まだ起きてるかなぁ？ 寝てたら気にしないで、ごめんね」 彼女からだった #エイトで妄想

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18 俺はちょっと躊躇したが 電話を掛けた… プルプル… 「もしもし…」 『もしもし？大丈夫かぁ？ どうしたん？なんかあったんか？』 「…章ちゃん？…ご…めん…ね…」 『なぁ？泣いてんの？何があったん？』 #エイトで妄想

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19 「…ん、泣いて…ない…大丈夫…だょ」 『…』 「ごめんね、変なメールして… 大丈夫だから」 『あんな、あんま強がんなや… 声で判るわ…なにがあった？』 「……」 電話の向こうからは 彼女が泣き声を押し殺した 吐息が聞こえた #エイトで妄想

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20 『家どこや？』 「…えっ？」 『だから住所どこや？ ほっとけんし、 このまま電話切っても 俺、寝れへんわ』 「…章ちゃん…ごめんね…」 『謝んなって』 彼女からなんとか住所を 聞き出して 車で向かった #エイトで妄想

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21 カチャ 部屋のドアを開けて 彼女が顔を出した 目は腫れて鼻も真っ赤… 『いつから泣いとったん？』 そう言ってドアの中に滑り込む 彼女が部屋の中に戻ろうとした時 後ろから抱きしめた #エイトで妄想

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22 「章…ちゃん…」 『…ん…』 「章ちゃんの方が弱ってるみたいだょ」 『…ん…弱ってんのかもな…』 そう言いながら彼女を 自分の方に向けて すっぽりと腕の中に収める 彼女の頭に顎を乗せながら 『好きな人が泣いてたら 弱るだろ… なんも出来へんもん』

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23 彼女の身体がビクッと揺れた 「章ちゃん…」 小さく呼ばれた気がした 彼女は俺の腕の中で 肩を震わせて泣きじゃくった ゆっくりと彼女の頭を撫ぜながら 背中をさすった まるで子供をあやす様に… #エイトで妄想

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24 小一時間ほど立ったんだろうか？ 彼女の嗚咽が治まって来たのを 見計らって顔を覗き込んだ 「見ないで…」 『ん？いいやん…』 「酷い顔してる…あたし」 『そんな事ないで…可愛いやん』 頭をクシャクシャとして 『中入ろか？』 彼女を促し部屋の中に

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25 「章ちゃん…ありがとう」 『どういたしまして』 彼女をソファに座らせ様としたら 「ちょっと顔洗って来る… 待ってくれる？」 『当たり前や 笑』 彼女がリビングから出て行った。 キッチンに行って勝手にお茶を入れた テーブルに置いた時に彼女が戻って来た