小説【パラレル☆ナイトメア】

小山慶一郎メイン。 ステージから落ちて意識を失って―。 目覚めたのは、車が空を飛ぶ平行世界≪パラレルワールド≫?! 続きを読む
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はんな□♡▽○妄想投下気味 @hanna_secret

~予告~ 小説【パラレル☆ナイトメア】 足を踏み外し、ステージから落下。 それはただの事故…の筈だった。 目を覚ました世界は、車が空を飛ぶ無秩序な世界―。 俺は…生きて帰れるのっ?! 慶ちゃんメイン、全172話の長編です。 #平行悪夢 #NEWSで妄想 #にゅーすで妄想

2015-07-07 23:05:53
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#平行悪夢 001/172 「おはようございます!!」 急いでステージに駆け上がる。 「おい小山、遅っせーよ。」 「真面目にやんない人は、帰ってくれるかな?」 ニヤニヤしながら、末っ子2人。 「うるっさいな、しょーがねーだろ!  たった今まで汐留で生放送だったんだから!」

2015-07-07 23:25:28
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#平行悪夢 002/172 明日の大型音楽特番の為のリハーサル。 NEWSは俺の生放送後、20:00からリハをスタートした。 他の出演者のリハは既に終わっていて、 まるでライブ会場のようなセットの中は、とても静か。 『じゃあNEWSさんのメドレー、スタートします。』

2015-07-07 23:25:35
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#平行悪夢 003/172 その時。 ふわっと足下が浮くような感覚―。 「頼みますよっ、小山さん!」 手越の声が、ぼぉん…と頭に響く。 …立ち眩み? そんな朦朧としたとこに、 手越が勢い良く背中を叩くもんだから―、 「…っ!」 俺は、完全に身体のバランスを失った。

2015-07-07 23:25:42
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#平行悪夢 004/172 「…小山!!」 俺の身体を支えようとしたまっすーの腕が、 するりと虚しく解ける。 そこは複雑に入り組んだステージの隙間、 丁度奈落の真上だった。 「慶ちゃん!」 悲鳴みたいな手越の声と、上から覗くシゲの驚いた顔―。 意識は、そこで途絶えた。

2015-07-07 23:25:50
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#平行悪夢 005/172 「…っ痛ぇ…」 まだぼんやりする頭を持ち上げ、身体を起こす。 やば、俺ステージから落ちたんだ…。 目を開く。 薄暗い中に、切れ掛かった蛍光灯の白がチカチカ点滅していて、 …身体は柔らかな布に包まれている。 え?ここは…? 「ん…慶ちゃん…」

2015-07-08 08:55:34
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#平行悪夢 006/172 「…ふぇっ?!」 柔らかいシーツの上、隣にいるのは…女性?! 「慶ちゃん?まだ朝じゃないぉ?」 「や、やっ…いや、あのっ!!」 思わず後ずさった俺の背中に、 ぺとっと肌が当たる感覚。 「…んん…」 「?!?!」 え、こっちにも…女性?!

2015-07-08 08:55:40
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#平行悪夢 007/172 「や、あのっ!!//」 逃げるように身体を動かして気付く。 俺、裸だ…。 「んん…慶ちゃ?おはよっ♡」 「い、やっ…だ、誰っ?!」 「ヤだ、まぁのこと忘れたのぉ?」 「知らないしっ!」 「ね、ね、りぃのことは分かるでしょー?」 「分かんない!」

2015-07-08 08:55:46
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#平行悪夢 008/172 いや!ここドコ…てか、リハは? 俺、ステージから落ちて… 「やぁだぁ、りぃのこと分かんないの、やぁだ!」 甘ったるい鼻声で言う、青い髪にブルーの瞳の女性。 「まぁのこと、好きって言ったじゃん!」 高音でわめく、オレンジの髪に褐色の瞳の女性。

2015-07-08 12:26:53
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#平行悪夢 009/172 青い髪が、俺の腕に抱き着く。 …や、む、胸っ…/// 動揺してると、オレンジの髪が俺の上に跨って、 ぐっと顔を近付けた。 「りぃとまぁのこと、カラダは覚えてるでしょ?」 にぃっ、と不気味に微笑むと、 彼女は俺の身体に脚を絡ませる―。

2015-07-08 12:26:58
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#平行悪夢 010/172 「や、あ、あのっ//」 だから…リハはどうなった?! と、ドンッ!!と、ドアが乱暴に開く。 「んあぁもう!出てけエロ猫ども!!」 「「きゃははー♡」」 俺にくっ付いていた女性2人は、小さな子どものように、 タカタカと駆け足で部屋を出て行った。

2015-07-08 12:27:04
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#平行悪夢 011/172 「ったく…」 真っ黒な長い髪の彼女は、茶色い瞳でキッと俺を睨む。 「あ、の…」 「少しは遠慮して貰えるかなぁ…オンナアソビ。」 彼女は不機嫌そうに言いながら、 部屋の隅に干してある洗濯物を、手際良く畳む。 「あの…」 「何?」 「だっ…誰?」

2015-07-08 15:54:35
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#平行悪夢 012/172 「はぁ?!」 「いやあのっ…俺、リハ中にステージから落ちて…」 「…何の話?」 「俺さっきまで」 「さっきまであのエロ双子とエロいことしてたんでしょっ!」 「ごっ、ごめんなさい!」 何謝ってんだ俺…ってか、エロいこと…したのか? だから、リハは?!

2015-07-08 15:54:41
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#平行悪夢 013/172 「…慶ちゃん、どっか調子悪いの?」 「へ?…や、ステージから落ちた時にどっか打った…かも…」 「だから、ステージって…何の話?」 彼女は怪訝な顔で俺の目を覗き込む。 「待って、その前に…あなた、誰ですか?」 「…本気で言ってる?それ」 「はい…」

2015-07-08 15:54:47
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#平行悪夢 014/172 「慶ちゃん…遂にクスリに手出した?」 「クスリ?!まさか!」 彼女の視線が刺さる。 「幼馴染の顔、忘れるかね普通。」 「幼馴染?俺が…あなたと?」 「幼馴染…で…フィアンセ。」 「へぇっ?!」 待って…全く状況が理解できない…。 俺は…誰だ?

2015-07-08 15:54:52
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#平行悪夢 015/172 彼女は、ふぅっと深く溜息を吐く。 「…本当に分かんなくなっちゃったの?」 「えっ、と…」 「私はリエ。慶ちゃんの…フィアンセ。」 「…ひとつ確認いいっすか?」 「何?」 「俺は小山慶一郎…で間違いないっすか?」 「…それも曖昧なの?」 「はい…」

2015-07-08 17:36:56
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#平行悪夢 016/172 ふっと“パラレルワールド”という言葉が浮かぶ。 俺が俺であって俺じゃない…? 「小山慶一郎だよ…ヤバい仕事にばっかり手を出して、  遂に先日、ギャングのリーダーに渡す筈の金に手を付けたせいで、  逃げ回る羽目になって尚、女遊びを止めないバカ野郎!」

2015-07-08 17:37:02
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#平行悪夢 017/172 「えぇ?!」 何、そのダメ人間な“小山慶一郎”…! 「…本当に変だよ?慶ちゃん」 彼女はベッドの縁に座ると、小さな子供にするみたいに、 俺の前髪を上げながら額を撫でた。 「熱は無い?」 「あの、俺、この世界の小山じゃないっす。」 「…はい?」

2015-07-08 17:37:08
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#平行悪夢 018/172 仮説を一通り説明すると、彼女は怪訝な顔で俺を見る。 「…有り得ないな。」 「どこが?」 「慶ちゃんがアイドルだってとこが。」 「そこ?!」 「アイドルって顔じゃないでしょっ!」 いや、失礼っ!! 「ただ…確かにいつもの慶ちゃんじゃない。」

2015-07-08 20:18:27
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#平行悪夢 019/172 蛍光灯は相変わらずチカチカしている。 「どうしたら…慶ちゃん元に戻る?」 「俺だって分かんない…でも早く戻んないと、俺も困る。」 彼女が差し出してくれたTシャツを着る。 「…研究所行けば、何かヒントあるかな」 「研究所?」 彼女は小さく溜息。

2015-07-08 20:18:34
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#平行悪夢 020/172 「兄貴に紹介された、凄く偉い博士さんがいるの。  科学と物理学、数学、法学…全部に精通した秀才だって…  その人なら、戻る方法分かるかもしれない。」 「是非っ!!」 俺が思わず彼女の両手を握り締めると、 勝気な彼女の真っ白な肌が、ふわり赤くなった。

2015-07-08 20:18:41
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#平行悪夢 021/172 「じゃ、ボート出して。道は私が教える。」 「ボート?」 彼女はクローゼットの扉を開ける。 「…何これ?!」 そこにあったのは、ちょっと大きめで、 エンジンが付いたキックボード…みたいな乗り物。 「私の操縦じゃ不安でしょ?」 「いや、ってか…」

2015-07-08 20:18:52
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#平行悪夢 022/172 「俺こんな乗り物知らないよ?!」 「は?!何言ってんの?!  昨日まで無免許で乗り回してた癖にっ」 「だから!俺、昨日のこの小山じゃないんだってば!」 彼女は、何度目かの深い溜息を吐くと、 「…命の保証は無いよ?」 ヘルメットを俺に差し出した。

2015-07-08 20:19:01
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#平行悪夢 023/172 クローゼットの奥はシャッターになってて、 彼女が片手でそれを勢い良く上げた。 「何これ…」 そこには廃墟然としたビル街が広がり、 目の前を、タイヤの無い軽自動車みたいな乗り物が、 びゅんびゅん凄いスピードで飛び交っている。 「ここ掴まってな。」

2015-07-09 06:24:15
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#平行悪夢 024/172 彼女が示したハンドルの下の突起に手を伸ばすと、 彼女を背中から抱いてるような姿勢になる。 「…ごめん//」 「平気…慶ちゃんには、何千回も抱かれてっから、っ。」 彼女が手元のレバーを引くと、 バスン!と小さな爆音を立てて、エンジンが煙を吐いた。

2015-07-09 06:24:23
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