斎藤環氏(精神科医)が郷里、岩手県のいじめ自殺問題とスクールカーストについて語る。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

わが岩手県矢巾町のいじめ自殺、前にも指摘したとおり、いじめ指導は「被害者泣き寝入り推奨」の効率が圧倒的に良すぎるのだろう。おそらく9割以上はこの方針で「なかったこと」に出来ている。被害者に肩入れしても見返りは少ないばかりか、下手をすれば他の保護者からひいきの何のとブーイングが。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

というわけで腐った組織には姑息な手段で対抗しよう。とりあえず精神科医を受診しておくのもいい。なんたって「いじめPTSDの診断書、出そっかなー」の一言でびびり上がる学校がとても多いので捗ります。教育委員会よりもお勧めかも。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

風呂から出たらいじめツイートにけっこうな反響が。診断書について追記。初診でいきなり要求するのは悪手。数回受診していじめ被害のひどさを切々と訴えておいてから、親のほうから「診断書か意見書があれば対応を考えてくれるらしいんですが…」と控え目に切り出すのが吉。悪用厳禁だぞー（棒）

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

bit.ly/1HppAnv　この記事に関連して。中井久夫は多くの患者が「最も幸福な時代」として「中学二年」を挙げると記している。これに同意できるのは僕らの世代（四〇〜五〇代）までだろう。当時はまだ“成績が良い”で一目置かれた。僕はそれで何とかサバイバルできた。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

地獄を増幅するのはこの時期の時間意識。中井の引用によればミルトン・エリクソンは弟子が子ども患者との面接を二週間延期したことを叱って「子どもにとって二週間は永遠に等しい」と断言している。この時間感覚は「年齢の二乗に反比例する」らしい。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

現代の中高生は「コミュ力偏重」のスクールカーストに生きるから、勉強が出来てもカースト下位はありうる。森口朗『いじめの構造』（新潮社）の記述を信ずるなら、カーストはおそらく７割の生徒に「楽しかった中学時代」の思い出を与え、残り３割に「地獄の中学時代」の傷を残す。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

つまり思春期には「今の地獄は永遠に続く」という発想がデフォで、私見では、時にこの時期の記憶は、その後の成功体験（高学歴、高収入、リア充化）でもぬぐい去れないような特殊なトラウマを形成する。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

「自分が７割の側にいる」と感じている生徒に「３割の苦痛に向けた想像力」を涵養させるのが教育の機能ではないかと思うが、教師までもが「７割の側」に所属しようと汲々とする場所では高望みなのかなあ。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

戦後かつてないほど「生活満足度が高い若者」とされるクラスタはこの７割のグループで、残り３割はかつてないほどの不幸を経験しているのではないか。学校行事のソーラン節を７割が「楽しい」と感じ、３割が「辛くていたたまれない」と感じているように。

斎藤環　10.27発売「コロナ・アンビバレンスの憂欝」 （晶文社） @pentaxxx

人生の半ばを過ぎてでラノベの主人公みたいなことになっている−−空虚さゆえチヤホヤされて実はセカイを憎んでいる−−安倍総理の内面は実は「３割側」かもしれないと想像してみましょう。きっと優しい気持ちになれますよ。 twitter.com/montagekijyo/s…