砅と黄昏の町

砅が黄昏の町で死んだり殺したり(予定)探索したりする(予定)テキストです。
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-1日目-

イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

…… … ビルの影に細長く切り取られた、朝焼けとも夕焼けとも取れる空を眺めている自分に気が付いた。 いつからここにいたのだったか…… …一向に思い出すことができない。 #tsgrismz

2015-07-17 16:19:44
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

どうやら記憶をなくしたようだ。案外取り乱さないものなんだな…珍しい体験だ、と感想が出るくらいには冷静でいられた。とりあえず自分の名前くらいは…… えーと、 #tsgrismz

2015-07-17 16:21:24
@ishimizu08

@ishimizu008 [ 名前を入力してください ] [ ▶︎ _ _ _ _ _ ] #tsgrismz

2015-07-17 16:22:05
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

そうだ、自分の名前は"砅"だ。 これで名乗る時に困る心配はなくなった。 改めて辺りを見回す。オレンジに染まった路地裏だ。 今も一基の室外機の上に座っているが、"人"の気配は無い。 #tsgrismz

2015-07-17 16:22:46
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

ふしゅる、ふしゅる、と奇怪な音が背後より聞こえた時にはもう遅かった。 振り返ると巨大で歪な何か。かろうじて人型をしてはいるが人とはとても言えない。 #tsgrismz pic.twitter.com/burJCQDJxV

2015-07-17 16:25:47
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イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

"それ"を認識した直後、腕のような物が風切り音を立てた。 バケモノが去った後、そこには"砅"であったクズ肉と臓器のカケラ、それとむせかえるような血の匂いだけだった。 【魂-1/爪(力+2)】 #tsgrismz

2015-07-17 16:27:08
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

【1日目】 気が付くと君は、建物の隙間の室外機に座っている。狭い黄昏色の空を、橙の雲が横切ってゆく。 背後から、ふしゅるふしゅる、と奇妙な音。振り返ると2mを越す躯体の怪物が、君を見下ろしている。《力3以上で勝利【魂+1】、力2以下で死亡【魂-1/異形『爪(力+2)』を入手】》

2015-07-17 16:28:18

-2日目-

イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

…… … ガードレールって思ったより座りづらいな。 さほど高くも無いガードレールから橙色に染まったアスファルトに降りると頭がはっきりした。背筋がゾクリとする。 #tsgrismz

2015-07-18 16:27:04
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

あれはなんだったのだろう、自分は死んだんじゃ、ここはどこだろう。今頃訪れる恐怖と悪寒、そして疑問が次々に現れて頭をかき乱してゆく。暫定的に白昼夢だったと結論付けて整理するとようやく一息つくことができた。 #tsgrismz

2015-07-18 16:27:29
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

今になってほおが濡れていることに気付いた。泣いていたのかな。あんな夢を見れば泣きたくもなるとほおを拭っ……この腕はなんだ…? 夢のバケモノの一部のような腕。アレのように醜悪でないが自分の一部がおおよそ人間のものでなくなっていることに衝撃を隠せない。 #tsgrismz

2015-07-18 16:28:26
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

なんだこれは?なんだこれは?なんだこれは?これが、自分の腕?夢で死んだ恐怖よりも自分の腕に恐怖を抱いている。 #tsgrismz

2015-07-18 16:28:56
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

そして考える間も無く低い唸り声と次の恐怖がやってくる。足がすくむ。涙が溢れる。かろうじてとどめていた感情の堤防がその"恐怖"によって情けなく、無残に崩れ落ちた。もう、いやだ…誰か…。#tsgrismz

2015-07-18 16:29:23
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

口を開くよりも、瞬きよりも速く影が煌めいて。熱い。痛い。声も出ない。呼吸ができない。思考が止まる。足元に赤い、黒い水溜まり。そこで意識を手放した。近くであの唸り声がした気がするが、もうどうしようも無かった。 #tsgrismz pic.twitter.com/4cSzTVGZnU

2015-07-18 16:30:41
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イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

【二日目】 気が付くと、君はガードレールに腰かけ自分の影を見つめている。頬が濡れていたが、何故なのか分からない。開始地点[町] [町]「グルルルル…」低い呻り声。瞬きの間に、その影は君の目の前に迫った。速い。力2以下で死亡。魂-1/異形『獣足(探索+1力+1)』を入手

2015-07-18 16:32:47

‐3日目‐

イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

…… … 次に気付いた時には建物の中だった。耐えきれずバシャリと足元に吐瀉物の水溜まりができた。なんだあの夢は、痛みが、恐怖が、まるで、まるで…。 #tsgrismz

2015-07-19 13:00:32
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

思い出し、再び胃酸が食道を登って行った。もう胃の中には何も残っていないようでほとんど胃液のみが床に落ち、もうひとつ水溜まりを作るのみ。 #tsgrismz

2015-07-19 13:01:44
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

大丈夫、大丈夫。まだ、大丈夫。口を拭って冷静になった頭で身体を見やると腕がヒトの物でないばかりか足すらも常軌を逸している。やはり夢ではなかった。自分は"ここ"で二度死んだのだ。 #tsgrismz

2015-07-19 13:01:59
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

まだ、生きている。いや、"また"生きているというべきか。ともかく、"ここ"は普通じゃない。バケモノが闊歩し、死んだ者が蘇り、バケモノに近づいて行く。いずれは自分もアレに…? #tsgrismz

2015-07-19 13:02:45
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

ぞっとする想像を振り払うように辺りを見回した。ここはコンビニのようだ。店内を照らすはずの蛍光灯はほとんどなく、所々割れて使い物にならない。全てが侵食されたかのように世界を染めあげる橙色の光と逃れるように長く伸びる影の黒。 #tsgrismz

2015-07-19 13:03:18
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

すぐそばにあったのは弁当やおにぎりなどのコーナー。以外と色々残っている。二度の嘔吐により胃は空っぽだ。しかし店に並ぶどの食品を見ても橙に侵されていて、食べられそうに思えなかった。 気持ちが悪い。橙色の空が恨めしくおもえた。 #tsgrismz

2015-07-19 13:03:45
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

コンビニでの探索を諦め、空腹を訴えるお腹とともに外を歩いてゆく。前回、前々回(暫定的に気がついてから死ぬまでを一つの回とした)ではいきなり死が訪れた。今回もそうだとしてもおかしくないだろうし、気をつけるべきだろう。 #tsgrismz

2015-07-19 13:04:19
イシミズ@テキスト(仮) @Ishimizu008

気をつけていたはずだった。しかし、バケモノに対して警戒していても直接的でないそれには反応できなかった。 後ろから突き飛ばす。ただそれだけ。 それだけでは殺すこともままならない小さな衝撃。 しかし大通りに向けて押されたならば。 #tsgrismz

2015-07-19 13:05:01