数学英語 "for any" v.s. "for all"
ふと思い出したので,こないだ院生室で議論になった話題を紹介しようと思います(他の人がどう考えているのかも気になるので).なんの議論かというと,「for any と for all はどう違うのか」についてです.
2015-07-18 18:16:10事の発端は某氏が「for all の意味が分からない,for any なら分かる」というレビューコメントをネイティブからつけられたことなんですが,みなさん数学英語において “for any” と “for all” は使い分けていますか?
2015-07-18 18:17:09私の考えを端的にいうと,「自然言語的なニュアンスの違いならともかく,数学英語でそんなことを気にしても意味がない(数学的な主張として意味が通らないというのはあり得ない)」なんですが,意外と反論を受けました.
2015-07-18 18:18:29というわけで TL の反応(会話順)
for any は可能無限に対する量化で for all は実無限に対する量化だ、みたいなことをだれか(たぶんまともな人)が言ってた記憶がある
2015-07-18 18:19:52@schelle_0031 完璧には一致しないかもしれませんが,日本語での「任意の」「すべての」の違いに対応してはいそうですね.
2015-07-18 18:22:45for any v.s. for all の私の考えの補足というか「違う派」の考え方に対する推測ですが,おそらく any は自由項(自由変数,あるいはそのような何か)の導入に使うもので,一方の all は全称命題を主張するためのものである,と推測しています.
2015-07-18 19:09:19ただ私の考えとしては,どちらも for をつけた時点で形式証明でいうところの ∀intro を終えてしまっていると思っていて,そうすると全称命題として主張するところは同じだと思うんですよね.ニュアンス的には any のほうが各個撃破感がでるんだろうというのは納得はしますが.
2015-07-18 19:11:00さっき某氏がつぶやいてた例も,たぶん英語にすると zero plus any x is x と zero plus all x is x で後者はなんか量化を一段飛ばしてる感じがしますよね.その延長で for any と for all も使い分けているんだろうな,と思います.
2015-07-18 19:13:41註:この発言の某氏のツイートというのは鍵付きです.
@schelle_0015 ですです.ただそれを変形して zero plus x is x for {any, all} x にすると「どっちでもええやん」と私には思えてしまって,単純な言い換えなのに意外と意味が違っていてびっくりします.
2015-07-18 19:23:15