2015年7月23日

無免許マッサージ師が交通事故にあっても休業損害は認められない、という判例。違法業務という点では売春婦と一緒。

宮崎地裁延岡支部判決 昭和44年10月7日 事件番号 昭和43年(ワ)38号 交通事故民事裁判例集2巻5号1430頁 無免許マッサージの休業損害は認められない、という裁判。 続きを読む
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びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

交通事故にあった無免許マッサージ師が休業損害を求めたのに対し、違法な無免許営業による利益を喪失したとしても、その賠償を請求することは信義誠実の原則に反し、許されないとした事案。(宮崎地裁延岡支部判決昭和44年10月7日交民集2巻5号1430頁)

2015-07-22 19:00:37
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

この事件、交通事故の損害賠償の裁判です。 歩行者(原告K)が横断歩道を渡ったときに延岡カバヤ販売(株)(以下カバヤ)の自動車に衝突されて、負傷した事故です。 横断歩道の歩行者と車ですから0:10ですね。

2015-07-23 01:17:05
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

Kは明治33年(1900年)生まれで、無免許であんまマッサージを業とし、生活保護も受けていました。 事故は昭和41年(1966年)なので65歳ぐらいです。 視力は0.03とのこと。

2015-07-23 01:17:23
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

Kは入院し、退院後も通院。治療費は自賠責から出ます。 しかし後遺症は残っているようです。

2015-07-23 01:17:37
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

カバヤはKに対し、自賠責で治療費のほか、入院通院中の休業損害補償金として10万1,263円支払います。 判決文を読む限りは休業損害金も自賠責の模様。

2015-07-23 01:17:51
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

その他に46万1,600円までなら支払う旨、申し出ますがKは拒否。

2015-07-23 01:18:06
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

それでKはカバヤを相手に裁判を起こす。 これ、任意保険は関わってるのだろうか?

2015-07-23 01:18:18
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

Kは無免許マッサージで一日平均1,000円以上稼いでいて、事故の昭和41年1月26日から昭和43年12月末まで働けなかったから(訴状送達は昭和43年3月12日である)、その間、883日分の休業損害は88万3,000円と主張した。

2015-07-23 01:18:32
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

「あはき法は行政上の取締規定に過ぎないので、規定に反した施療行為であっても民事上の契約としては有効であり、代金請求権が認められるので、その請求権を前提とする損害賠償の請求自体も否定さるべき理由はない。」 とも主張。

2015-07-23 01:18:52
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

つまり自分の行為が無免許マッサージであることは認めているんですよね。 リラクゼーションとは「ほぐし」とかボディケアとか言っている現代の無法者よりはマシか。

2015-07-23 01:19:07
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

また苦痛に対する慰謝料は121万円であると主張。 そして無免許マッサージでの休業損害が認められないのであるならば相当慰謝料は196万6,000円と主張。 (どういう理屈だ?原告訴訟代理人って弁護士だよな?)

2015-07-23 01:19:25
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

被告カバヤは事故そのものについてもKの過失を主張。 また必要な治療も症状固定まで、と主張。 これらは判決では認められなかった。

2015-07-23 01:19:44
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

で、無免許マッサージでの収入についても争った。 素晴らしいのはカバヤなのか、保険会社なのか。

2015-07-23 01:19:58

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びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

"違法な無免許行為による収入であって法律上保護せらるべきものでなく、これが賠償請求は「クリンハンドの原則」に反する請求と同じく、 実質的には公の秩序を乱す請求であり、許されないというべきである。" と主張。

2015-07-23 01:20:55
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

民法第90条ですな。 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

2015-07-23 01:21:19
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

で、裁判所の判断。 Kの過失は認められなかったし、後遺症も認められ、慰謝料は支払い済みの約10万円の他に90万円と判断。 しかし無免許マッサージの休業損害については認めず。

2015-07-23 01:21:33
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

無免許マッサージを行っていたKに対し、保健所は無免許マッサージをやめて生活保護を受けるように指導。 Kは生活保護を受けるようになったが、受給額が少ないことを口実に保健所の指示を無視し、無免許マッサージを続けていた。

2015-07-23 01:21:50
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

裁判所 "そうだとすると、原告が仮に主張の期間中右の違法な無免許営業によるうべかりし利益を喪失したとしても、その賠償を請求することは信義誠実の原則に反しゆるされないものというべきである。"

2015-07-23 01:22:08
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

公序良俗違反ではなく、信義誠実の原則を出しているのでちょっと厄介である。 私は法律の素人なので「信義誠実の原則」というのがよくわからない。

2015-07-23 01:22:25
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

wikipediaの解説だと派生原則として被告が主張したクリーンハンズの原則が出てきますね。 ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1… 法テラスの解説 houterasu.or.jp/houritsu_yougo…

2015-07-23 01:22:42
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

さしずめ保健所から無免許マッサージをやめるために生活保護を受けるようにすすめられて、実際に生活保護を受けたのにもかかわらず無免許マッサージを続けていたことが信義誠実の原則に反する、ということであろうか。

2015-07-23 01:22:57
びんぼっちゃま@インディーズ医療法学者 @binbo_cb1300st

そうなると保健所の指導がなかった場合、どうなるんだ?って気もします。 ただ、判決文中で "原告は右法律に違反して(違反者に対する罰金刑の罰則も定められている)無免許のままあんまマッサージ業を行っていたため、" と書いてあるんですよね。

2015-07-23 01:23:14
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