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2011年元日にパブリックドメイン入りした作者たち

著作権は作者の没後満50年たった日の年末まで存続し、翌年元日にパブリックドメイン(万人の財産)になります。今年も年明けとともに多くの文化財がパブリックドメインになりました。そのあたりを整理したものをまとめました。
文学 書籍 著作権 パブリックドメイン 著作権保護期間 2011年
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丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
2011年元日をもってパブリックドメイン入りした創作者・文筆家(1)火野葦平・大倉燁子・吉田与志雄・鈴木清次郎・蒲原春夫・熱田五郎・佐藤緑葉(作家)吉井勇(歌人)賀川豊彦(キリスト教社会運動家)和辻哲郎(哲学)風巻景次郎(国文学)久留島武彦(児童文学)高木貞治(数学)
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
2011年元日をもってパブリックドメイン入りした創作者・文筆家(2)四海民蔵・石井衣子・谷鼎・岸上大作・杉浦翠子・菅沼宗四郎・安江不空・中山梟庵(歌人)瑛九・大谷房吉・古茂田守介・佐藤一章・安宅安五郎・白滝幾之助・上野山清貢・佐藤泰治・名取春仙(画家)
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
2011年元日をもってパブリックドメイン入りした創作者・文筆家(3)佐藤清・江守盛弥(詩人)前田雀郎(川柳)福島繁太郎(美術評論)藤田亮策(考古学)高木逸磨(細菌学)杉浦義勝・中村清二(物理学)阿部余四男(動物学)松村松年(昆虫学)岩崎卯一(社会学)石山脩平・杉敏介(教育学)
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
2011年元日をもってパブリックドメイン入りした創作者・文筆家(4)野村兼太郎(経済)荻野清(俳文学)浅沼稲次郎・犬養健(政治家)西川文子(女性運動)樺美智子(学生活動)坂本守正(富山房元社長)田中仙樵(茶道)小牧健夫・原田義人(独文学)桜田佐(仏文学)師岡千代子(幸徳秋水の妻)
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
永井荷風と高浜虚子という超大物がPD入りした昨年に比べると、今年は大物感はやや劣るものの、やはり重要な創作者・文筆家がPD入りしています。火野葦平や吉井勇は言うに及ばず、賀川豊彦は海外での評価が高いキリスト教社会活動家です。高木貞治の「解析概論」は今も現役なのですね。恐るべし。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
昨年も書いたことですが、PD入りした作品を後の世代に継承していく責任は、万人に託されることになります。著作権継承者の手を離れた作品は、埋もれさせるのも太陽の光を浴びさせるのも、すべて私たち次第です。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
PD入りした創作者・文筆家リストについて、2007年春に国会図書館の蔵書などを調べた手元の資料を見ると、いろいろ面白いことがわかります。以下「人名(出版された著書点数、07年現在の現役出版点数)」で並べます。著書点数は国会図書館蔵書、現役出版点数は書籍出版協会DBのデータです。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
賀川豊彦(キリスト教社会活動家、273点、40点)火野葦平(作家、200、16)和辻哲郎(哲学、191、20)吉井勇(歌人、149、13)高田集蔵(宗教家、72、0)白木正博(産婦人科医、69、0)三浦関造(キリスト教徒、66、11)松村松年(昆虫学、58、1)
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
(続き)野村兼太郎(経済学、57、0)中村春堂(書家、50、0)中村清二(物理学、49、0)高木貞治(数学、48、5)鈴木為次郎(棋士、43、0)山本政喜(英文学、41、2)風巻景次郎(国文学、40、0)藤原銀次郎(実業家、39、0)……
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
はっきりわかるのは、書籍の中で「文学」というのは一部にすぎないということ、さらにほとんどのジャンルの本が今や刊行されていないということです。高田集蔵は72点、白木正博は69点が通算で出版されていながら、没後50年の間に忘れ去られ、現存するのはいずれも0です。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
こういうデータを見ると、著作権は作品別の登録制にして、一定期間ごとに権利者側からの申し出によって延長する(申し出のないものは保護終了)のが妥当だと痛感しますね。ネット時代ならなおさら。アメリカはその方式だったのですが、ベルヌ条約を批准して、「退歩」してしまいました。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
なお旧連合国側の著作者は戦時加算問題があり、作者ごと、あるいは作品ごとにケース・バイ・ケースだったりして本当に複雑なので、簡単に書けないし、そもそも自信が持てませぬw まあ1948年後半~49年前半に亡くなった連合国の作者の作品はPD入りしたとみていいと思います(助太刀求むw)。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
例えば1948年9月17日に亡くなったルース・ベネディクトや、49年5月に亡くなったメーテルリンクの作品は、日本ではこの元日にPD入りとみてよいと思うけど、どうでしょうか?(いまいち自信が持てないw)
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
著作権保護期間の問題を突き詰めると、作品の生命について考えざるを得なくなります。調べていて確信したのは、作品の生命には二つの面があって、作品に命を与えるのは作り手だが、その命を後の世代に伝えていくのは受け手(読者・聴衆・観客)だということ。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
作者がいなければ作品は生まれない。だが一度世に出た作品の命を存続させるのは受け手だ。一時は表舞台から忘れ去られたバッハが再評価されたのは、その価値を理解する愛好家たちが楽譜を伝え続けたからで、それが没79年後のメンデルスゾーンによるマタイ受難曲復活上演に結びついた。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
現行の著作権制度は作品の複製や利用の一切の権利を作者側に占有させるもので、受け手は作品について「語る」程度しかできない。つまり今の著作権制度では、受け手側が作品の命をつなぐ働きは、ほぼ無視されていると言っていい。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y
もう一つ、現行の著作権制度の決定的問題は保護期間が一律な点。作者の死後50年間というのは「トップクラスに売れる作品」が基準になっている。ある受け手が「売れないけれど良いと信じる作品」を広めようとしても、もはや売っていない作品を伝えることは不可能に近い。
こなパパ @konatsubu
@Tristan_Tristan クラシックってなんですかね?という僕の頭の悪い質問に、先輩が答えてくれたのは「演奏してもらえる強さがあって、作曲者を離れて演奏し続けてもらえる(生きていける)曲」ってのが腑に落ちました。そういうことなのかなと。

コメント

K_Hara @K_Hara10 2011年1月2日
これは有益なリスト。和辻哲郎も入ったのか!期待。
Ryuji @rkanbe 2011年1月2日
高浜虚子がパブリックドメイン入りだと・・・!
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y 2011年1月2日
青空文庫には、新しくPD入りした作品がすでに掲載されています。カフカやスティーブンソンの小説は翻訳の著作権が切れたものです。 http://j.mp/14WIxP
ワス @wsplus 2011年1月2日
日本はただでさえ戦時加算で戦勝国の著作権が10年以上(3794日)使えない上、米国の著作権延長法問題もあるので海外の著作物はやっかいですね。
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y 2011年1月3日
何点かツイートを追加しました。
Jean-Luc Picachu @JeanLuc_Picachu 2011年1月3日
いつ亡くなったか不明の人の扱いはどうなるのだろう?
asm @asm__ 2011年1月3日
コレは有益 ミッキーマウス保護法がうざすぎる
ゴクツブシ @59masher 2011年1月3日
青空文庫にはいつもお世話になっています。
妖怪パラノイア完璧人形 @Ameyaruo 2011年1月3日
今年元日にパブリックドメイン入りした作者たち。和辻哲郎もパブリックドメイン入りか…
dieinvip @dieinvip 2011年1月3日
紅燈の巷に往きてかへらざるひとをまことのわれと思ふや・・・いまだにスラスラ出てくるのはこれくらいだな
pepc(ペプシ) @impepc 2011年1月3日
おー!高木貞三もか! 是非MathMLとかでやってほしい!
丹治吉順 a.k.a. 朝P @tanji_y 2013年1月2日
2年前のまとめを更新しました。その後 恒例になった元日のパブリックドメイン作者リスト公開は、これが最初でしたね。
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