◇黄昏鰤◇文章練習に『黄昏町の怪物』

診断メーカーを使ったゲーム、『黄昏町の怪物(http://shindanmaker.com/541552)』のプレイログ、およびその結果をもとに書いたおはなし。診断名は「ブリテイル」。これまで小説をほとんど書いたことがなかった作者のベコベコの文章力をお楽しみください。
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(これまでのあらすじ)

『気付くと君はひとりきり。 黄昏色の町は知らない場所のはずなのに、妙に記憶にひっかかる。 聞こえてくるのは怪物の息遣いと、怯える住人達の囁き声。 君は、この町を抜け出すことができるだろうか?』
――20XX年、世界は黄昏色に包まれた!町には異形の怪物があふれ、住民たちは自分を守るために武器を持ち、誰も彼もが殺しあう世紀末!死んでも復活するから大丈夫さ!
その町に、ある日、何の因果か紛れ込んだ人間がいた。そう、まだ、人間だった。では果たして今の彼は?たったひとり、町をさすらう彼の名を知る者はいない。
さあ死のう、どんどん死のう、生き返ったらまた死のう!魂がぜんぶ擦り減って、町とひとつになる日まで!

『ザ・モンスター・イン・トワイライト・タウン』

今日もまた、黒いアイツを探しゆく。

1日目 「漂着!黄昏の町と放火少年団」

ブリテイル @amphibianplane

[ハンドアウト]気が付くと、君は川べりで粗大ゴミにひっかかっている。水面がきらきらと、黄昏色にひかる。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547#黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552

2015-07-15 09:26:39

ブリテイル @amphibianplane

"おれの目が覚める前からずっとずっと続いていたであろう水音が、意識の遠くからじわりと聞こえてきた。それが大きくなるにつれて、瞼を透かす光も感じられるようになる。光。オレンジの光。黄昏色の光だ” 1 #黄昏鰤

2015-07-15 09:31:14
ブリテイル @amphibianplane

"暖色の世界に浸されている、と頭のどこかで思ったが、そんなことより物理的におれの体は生温い水に浸されていた。足に流水の圧力を感じる。重たい瞼をなんとかこじ開け、周りを見渡すと、小さな川に腿から先を沈めていることにようやく気がついた。" 2 #黄昏鰤

2015-07-15 09:42:11
ブリテイル @amphibianplane

"起きたときから上半身を預けていた木材の塊(おそらくかつては机だったと思われる)に腕をかけ、川から体をひっぱり上げる。ズボンはびしょ濡れだった。水面をきらめかせる黄昏色の光は、これを乾かしてくれるだろうか。ああ、それにしても、ここはどこなんだ?" 3 #黄昏鰤

2015-07-15 09:50:27

ブリテイル @amphibianplane

[町]屋根の上からかかる液体。ガソリンだ。少年達がマッチを手に、君を見下ろす。《所持異形1つ以下なら保護or火耐性所持で脱出【魂+1】、異形2つ以上で焼死【魂-2/異形『火玉(火耐性、探索+1)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547

2015-07-15 09:52:37

ブリテイル @amphibianplane

"夜が来る前にねぐらを探さなくては。陽が沈む直前の色に染まる町に急かされて、川沿いの町をうろついていた。その色が、しばらく歩いても一向に褪せるようすがないことには、つとめて気がつかないふりをした。路地の先に屋根の抜けた空き倉庫を見つける。ズボンはまだ濡れている。" 5 #黄昏鰤

2015-07-15 10:03:45
ブリテイル @amphibianplane

"ここで火を起こしたら、住人に怒られるだろうか?と考えて、そもそも人がいるのだろうかと気分が暗くなった。町を歩いている間、人影は見なかった。あと、火を起こす方法もない。……天井の穴から空を仰ぐ。今求めていたものが二つとも目に入った。火と、人と" 6 #黄昏鰤

2015-07-15 10:10:34
ブリテイル @amphibianplane

"火のついたマッチを手にした少年たちが、屋根の穴からおれを見下ろしている。一人が金属の缶からどぷどぷと液体をこちらへこぼしてきた。よく燃えそうな臭いがする。マッチの火が揺らめく。少年たちの表情は見えない。違う、おれが欲しかったのはそういう火とそういう人じゃない。" 7 #黄昏鰤

2015-07-15 10:19:23
ブリテイル @amphibianplane

"逃げ出すことも思いつかないまま突っ立っていると、いよいよ缶が空になり、少年たちはマッチを持つ手を一斉に伸ばした。揮発した油で頭が痛い。黄昏色の空はすでに燃えているかのようだ。「余裕だが、ひょっとして火は平気か」少年の一人が声を上げた。" 8 #黄昏鰤

2015-07-15 10:26:52
ブリテイル @amphibianplane

"おれは彼らに会話の意思があることに驚いてしまって、内容を聞いていなかった。「は?」「火耐性の異形か」聞いたところでわからなかった。「は?」「焼かれて異形を得たいのか。どちらだ?」「は?」「知らないのか?」「……は?」きっとおれはアホにしか見えなかっただろう。" 9 #黄昏鰤

2015-07-15 10:31:14
ブリテイル @amphibianplane

"「焼かれて死にたいか」死にたくない。「死にたくない」そう答えると、彼らはなにごとか互いに言い合い、そして、マッチを吹き消した。一度姿が見えなくなったかと思うと、ドアから一人が顔を出して手招きしてくる。おれは油にまみれてしまった倉庫を後にした。" 10 #黄昏鰤

2015-07-15 10:34:59
ブリテイル @amphibianplane

"結局なんの説明もされなかったが、別の空き倉庫に案内された。ついでに新しいズボンを融通してもらた。なぜおれを保護してくれたのか、その前になぜおれを焼き殺そうとしたのか、なにひとつ教えてはくれなかった。倉庫に体を横たえて、黄昏色の町について考える。夜は来ない。" 11 #黄昏鰤

2015-07-15 10:40:23

2日目 「遭遇!初めての怪物と突然死」

ブリテイル @amphibianplane

[町]「橋を渡ると元の場所に帰れるんだって」異形の怪物が首を傾ける「けどこの格好で、お母さん、僕のこと分かるかなあ」《君が欲しければ、死と引き換えに【魂-1/異形『獣耳(探索+2)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547

2015-07-16 11:46:39

ブリテイル @amphibianplane

"夜も朝も来ない町で、体が求めている分だけ睡眠を取った。少しは頭も整理できただろうか。少年たちに宛てがってもらった倉庫を拠点に、町をしばらく探索してみよう。まずはおれの流れ着いた川にもう一度行ってみようかと、方角にあたりをつけて町を進んだ。" 13 #黄昏鰤

2015-07-16 11:58:28
ブリテイル @amphibianplane

"水音が聞こえてくる。若干当てずっぽうだったわりに、どうやら方角は合っていたようだ。水音が大きくなる。視界を流れる黄昏色の町に見覚えは無い。しかし、妙に記憶を揺さぶられる。懐かしさ?水音と、いや、こんなものは知っているはずがない。川に着く。橋がある。怪物がいる。" 14 #黄昏鰤

2015-07-16 12:05:29
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