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yuu_yuu_to
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まずは嘘の定義について。嘘の形式は主に三種類あると思う。 1.偽の情報を伝える 2.相手が錯誤を起こすように情報を伝える 3.真でかつ重要な情報を伝えないでおく
2015-07-31 23:34:57
「1.偽の情報を伝える」が嘘であることは間違いがないとして、「2.相手が錯誤を起こすように情報を伝える」「3.真でかつ重要な情報を伝えないでおく」この二つに関してはあとで「私は嘘をついてません。聞かれなかったから答えなかっただけ」と言い訳をするのに使われることもある。
2015-07-31 23:37:04
次に嘘と倫理的非難の関係について。人間は頻繁に嘘をつく。職場の同僚が髪を切った。「変じゃないかな?」と尋ねられて、内心、これは変だなと思っても「変じゃないよ!すごく似合ってる!」「サッパリしたね。夏らしいと思うよ」などと答えたりする。これも嘘だ。嘘だがさほど責められることもない。
2015-07-31 23:43:42
ぼくはカウンセリングを仕事で行う。カウンセリングの仕事はほとんどが嘘の積み重ねだ。心に思ったことを全部率直に口に出してクライアントに伝えればカウンセリングになるのであればそうするが、実際はそうではない。このとき、ぼくは誰のために嘘をついているか?これはクライアントのためだ。
2015-07-31 23:46:01
ここで嘘の目的がクローズアップされてくる。「自分が利益を得る」「自分には不利益になる」という自分が受け取るものと、「相手が利益を得る」「相手には不利益になる」という相手が受け取るものとが考えられる。
2015-07-31 23:48:15
世間で非難されやすいのは「自分利益-相手不利益」の組み合わせだ。カウンセリングの時の嘘などは「自分不利益-相手利益」のための嘘だ。基本、嘘をつくというのはコストがかかる。つじつまを合わせねばならない。嘘などつかなくてすむのであれば、そのほうが楽だ。嘘をつくのは心理的負担になる。
2015-07-31 23:50:46
会社の上司がオヤジギャグをかまし、それに対して部下が面白くもないのに笑ってみせる。これだって、部下の行動は立派な嘘である。部下が本当は面白くないのに、面白がってるふりをすることで、上司は「こいつは俺の渾身の逆を理解する。見どころのあるやつだ」と部下への評価を高くする。
2015-08-01 00:29:39
ぼくが過去、女性と付き合ったケースで、相手の女性から「付き合おう」と言われて「はい、いいですよ。付き合いましょう」と気楽に付き合ってはみたものの、一週間でこちらから「頼むから別れてくれ」と頼み込んだことがある。
2015-08-01 00:32:52
そのときに「なんで別れたいの?」と涙ながらに聞かれた。その時の理由は二つあって、一つはセックスしてみたら相手の体臭が苦手な匂いだったこと、もう一つはデートをして会話をしたら死ぬほど会話がつまらなくて苦痛だったことだ。これをその通り、率直に伝えるべきか?
2015-08-01 00:35:24
ぼくはその時、別れる理由として、体臭の話はせず、デート中の会話がつまらなくて死ぬほど苦痛というところだけは率直に伝えたのだが、その話を今の彼女にさっきしたところ、「君はひどい。君を私は憎む」と言われた。このように嘘を付かないことの方が逆に倫理的非難の対象になったりもする。
2015-08-01 00:38:46
このように「嘘をつくことと倫理的な避難というのは直結したことではない」「倫理的な非難は嘘の目的が利己に向いているのか利他に向いているのかということに強い影響を受ける」というのが嘘と倫理に関して現在ぼくが思っていることである。嘘を付くこと自体は悪ではない。
2015-08-01 00:42:20
嘘というのは基本的に対人交渉を有利に進めたり、円滑に進めたりするために使われる。他人のいないところに嘘は成立しない。嘘は常に対人関係的である。
2015-08-01 00:47:36
嘘によって手に入るものは 1.実利実益(金、時間、手間) 2.他者評価(信頼、好感、他者が自分に抱く印象) 3.自己評価(自分への体面、承認欲求の充足) が挙げられる。
2015-08-01 00:56:11
「1.実利実益(金、時間、手間)」についてはあまり説明する必要もないと思う。詐欺師は嘘を付いてお金をだまし取るし、恋愛工学は愛があるかのように欺いてセックスをだまし取る。繰り返し述べるが嘘や騙しと言うこと自体が悪ではないというのがぼくの考え。
2015-08-01 01:03:26
バスケットボールには「フェイク」というプレイがある。シュートを打つふりをしてドリブルする。パスを出すふりをしてシュートを打つ。右に行くふりをして左に行く。上手に嘘を付いて相手を騙して得点を取りに行くプレイだ。ぼくはフェイクが大好きだ。youtube.com/watch?v=zLlW3S…
2015-08-01 01:09:57
ぼくが日常に溢れる嘘を眺めるときも、この「フェイク」と同じような視点で眺めているところがある。もちろん、それだけじゃないが。バスケットボールの場合は、フェイクはルール違反ではなく許されたプレイである。「愛があるかのようにふるまう」ナンパ師のフェイクは非難されるべきか?
2015-08-01 01:14:24
この辺についてはとりあえずおいておくことにする。ぼくとしては倫理というもの自体には大変に興味があるが、自分の倫理的立場を明確にするのは苦手である。どうしたものかねえ、と考え込んでしまったり、悪であってもなくてもどっちでもいいんじゃない、と積極的な態度がなかったりするのだ。
2015-08-01 01:18:38
次に嘘によって手に入るもの「2.他者評価」について。「学歴詐称」「年齢詐称」「体重詐称」など人が何かを詐称するとき、それによって他者からの評価を高めることを目的としている。実利実益の場合はすぐに現ナマに交換可能だったりするが、もう少し自分という人間の看板の価値を高める感じだ。
2015-08-01 01:25:17
特に「誠意ある人」「有能な人」といったブランディングに成功していると、結果として後で交渉事が有利に進んだりとか、集団の中で良い待遇を与えてもらえたりといった恩恵がある。他人から良く思われおくと、なにかと得する場面が多いのだ。
2015-08-01 01:26:52
そこで実際の自分以上に自分を価値あるものとしてブランディングしようとすれば嘘の出番だ。女性の化粧は美しさの価値を実際以上に盛ってみせるものだと言える。これも立派な嘘、騙しである。(繰り返すが、ぼくは嘘、騙しを必ずしも悪い意味で使っていない)バスケットボールのフェイクと同じだ。
2015-08-01 01:29:14
セールスマンがパリッとした高級スーツで身を固めて、商談に臨むのも同じである。これも立派な嘘、騙しと言える。とにかく、印象操作を行い、少しでも自分をよく見せる。その際に様々な嘘が使われる。美容整形とか豊胸までいくと賛否が分かれるようであるが、あれも基本的には化粧の延長線上にある。
2015-08-01 01:31:07
「1.実利実益」「2.他者評価」この中間的な事項として、彼女から面白い話を聞いた。彼女はしばしば、朝、会社に行くのが億劫になり、ごろごろしているうちに遅刻する。遅刻すると、上司に理由を問われる。その時に彼女は答えた。「電車に乗り遅れたので遅刻しました」
2015-08-01 01:33:33
上司はそれだと不満顔で、さらなる理由を求める。彼女は言う。「『家を出るのが遅れたので、電車に乗り遅れました』では多分ダメなんだよ。『お腹が痛くて出るのが遅れました』だと相手も満足してくれる。だから、仕方なくそう言うんだけど。そう言うように誘導されるんだよね」
2015-08-01 01:35:38