原一男監督、奥崎謙三さんの墓跡地に参る

『ゆきゆきて、神軍』の原一男監督が、奥崎謙三さんの墓跡地に「お参り」しました。
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原一男 @kazu19451

①WOWOWの「ノンフィクションW」で私をとりあげるという企画で撮影が続いています。その一環で、奥崎謙三宅の跡を訪ねたいという取材チームの要請で神戸に行ってきました。今は奥崎宅は取り壊されて駐車場に変わっています。かつて、ここに奥崎さんが暮らしてたんだなあと思うと奇妙な感覚です。

2015-08-04 11:39:23
原一男 @kazu19451

②その帰り道「神戸市追谷墓園」へ行ってきました。「神軍」の撮影が始まった頃、30年以上も前、奥崎さんに連れられてここにきました。奥崎さんのお母さんのお墓がありました。映画に登場するのと同じ4寸角の木材にペンキを塗ってその上に奥崎さん直筆の文字で書いた手作りの墓標が立っていました。

2015-08-04 11:39:56
原一男 @kazu19451

③その手作りの墓標を探しましたが見つからず。「追谷墓園」は六甲山麓の山間を切り拓いて造成されたものでかなり急な坂道の両サイドにお墓が並んでいます。谷の奥の方、かなり高いところまで行ったりきたり探しましたが見つからず。途方に暮れていたら墓地の整備をしている人が声をかけてくれました。

2015-08-04 11:41:00
原一男 @kazu19451

④事情を話すと「調べてみましょう」とお墓の名簿帳を見せていただきました。分厚い名簿帳を繰りながら、祈るような気持ちでしたが、確かに「奥崎」の名前がありました。位置は相当に奥まった所。勇んで急な坂道を駆け上って、そこに行きましたが見当たりません。変だなあと思いつつなおも探しました。

2015-08-04 11:41:21
原一男 @kazu19451

⑤奥崎の名前の隣のお墓は間違いなくあります。だけど奥崎家のお墓はない。あるのは、ただの雑草が生えている空き地。アレコレ考えたのですが10年以上、お墓に訪ねる人がなく放置されたままだと撤去されるとのこと。奥崎さんが亡くなって10年。誰もここへ訪ねて来なかったのでしょう…。

2015-08-04 11:42:25
原一男 @kazu19451

⑥奥崎さんは親類縁者と縁を切っていました。だから奥崎さんが亡くなったときは、支援者の人が奥崎さんのお骨をここに納骨した。が、その支援者も亡くなった。その後、ここを訪れる人は誰もいない…。そうだとして、気になったのは、墓石は撤去されてどこへいくんだろう? そしてお骨は、どこへ?

2015-08-04 11:42:49
原一男 @kazu19451

⑦管理している人に聞いたのですが、お墓を撤去するときには、お骨をまず、誰かが、どこかへ運ばない限り、墓石は除去できないとのこと。じゃあ、どこへ? 誰が? ここでいくら思案しても分かるハズもなく、主が不在のお墓ですが、やむを得ません、とりあえずお墓の跡地で、“お参り”することに。

2015-08-04 11:44:23
原一男 @kazu19451

⑧地面に穴を掘って花束を立て、お線香を供え、両手を合わせ、合掌することだけでしかできませんでした。奥崎謙三という肉体は死して、そして、生きてきた証としてのお墓も撤去。この世に何も残りません。なんと虚しいことか!胸がキリキリ痛む思いでした。せめて「映画」が残っていることが救いです。

2015-08-04 11:44:47
原一男 @kazu19451

⑨それにしても気がかりなのは、お骨です。実は奥さんのシズミさんが亡くなられたあと、奥崎さんは、シズミさんのお骨を納骨せず、自分のそばにおいていました。ということは、奥崎さんが亡くなったとき、二人一緒に、ここに納骨されたハズです。そのお二人の遺骨がどこにいったのか…?

2015-08-04 11:45:05
原一男 @kazu19451

奥崎謙三亡き後10年間、誰も訪れる者なく、撤去されたお墓の跡地。 神戸市「追谷墓園」。 やがて奥崎さんのことを覚えている人も、次第にいなくなり、やがて完全に忘れられる。そして時代は変わっていく。 しかし、「作品」は生き続けていく…。 pic.twitter.com/Pl4IsQhgCI

2015-08-04 12:05:58
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ゆきゆきて仕掛けのオレンジ @3429311

え?駐車場? 奥崎謙三の自宅はもうないのか・・・ pic.twitter.com/QMMAZq7y3A

2015-05-05 15:55:21
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