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高橋源一郎さんの「午前0時の小説ラジオ」・「愚行」

小説ラジオ・本日の予告編1・今晩、午前0時から、新年1回目の「小説ラジオ」をやります。タイトルは、「愚行について」です。新年にふさわしいかどうか、わかりません。たぶん、「いい子」向きの話ではないので、「正しい」ものが好みの方は、スルーされた方がいいかもしれません。 小説ラジオ・本日の予告編2・今晩、話したいのは、(1)個人的な「愚行」の思い出、(2)ツイッターのような公共空間における「公」と「私」、(3)ある本に書かれていた「愚行」を通しての「発見」、です。ぼくの中では、どれも繋がっています。うまくいくかどうかはわかりませんけれど。 小説ラジオ・本日の予告編3・忘れてました。今日は「ぼく」ではなく、「おれ」の出番でした。では、午前0時にお会いしましょう。
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高橋源一郎 @takagengen

みなさん、あけましておめでとうございます。ぼくは1951年1月1日生まれなので、ジャスト、還暦なう、です。みなさんにとって、今年がいい年でありますように!

2011-01-01 00:02:41
高橋源一郎 @takagengen

おはようございます。昨日、誕生日のお祝いのことば(&新年の挨拶)をくださったみなさん、ありがとうございました。今年も、諸々頑張ります。とりあえず、昨日は、子どもたちを連れて初詣(でも混みすぎて途中断念)、そして、領収書の整理w、一年で一日だけ仕事をしない日でした。

2011-01-02 06:32:05
高橋源一郎 @takagengen

今日は、子どもたちが奥さんの実家に行って留守なので、「小説ラジオ」をやろうと思ったのだが、眠すぎる……。明日深夜に今年一回目の「放送」をします。たぶん、「ぼく」ではなく「おれ」が出演の予定。おやすみなさい。

2011-01-02 23:18:32
高橋源一郎 @takagengen

小説ラジオ・本日の予告編1・今晩、午前0時から、新年1回目の「小説ラジオ」をやります。タイトルは、「愚行について」です。新年にふさわしいかどうか、わかりません。たぶん、「いい子」向きの話ではないので、「正しい」ものが好みの方は、スルーされた方がいいかもしれません。

2011-01-03 23:03:08
高橋源一郎 @takagengen

小説ラジオ・本日の予告編2・今晩、話したいのは、(1)個人的な「愚行」の思い出、(2)ツイッターのような公共空間における「公」と「私」、(3)ある本に書かれていた「愚行」を通しての「発見」、です。ぼくの中では、どれも繋がっています。うまくいくかどうかはわかりませんけれど。

2011-01-03 23:06:35
高橋源一郎 @takagengen

小説ラジオ・本日の予告編3・忘れてました。今日は「ぼく」ではなく、「おれ」の出番でした。では、午前0時にお会いしましょう。

2011-01-03 23:07:25
高橋源一郎 @takagengen

「午前0時の小説ラジオ」・「愚行」について・1…前回、「東京都青少年保護育成条例」の時、つい我が家の「家訓」についてしゃべってしまった。「なめられるな」というやつだ。そのことにまず触れておきたい。もちろん、その家訓を作ったのはおれの父親だ。この父親という人物はかなりの変人だった。

2011-01-04 00:00:14
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」2・おれは小学生の頃、ひどい泣き虫で、そのせいだろう、しょっちゅうイジメられていた。ある時(一年生)、泣きながら家に戻ったら、たまたま家にいた父親に、ひどく叱られた。「やられっぱなしでいいのか! やり返して来い!」というのである。はっきりいってイジメより父親の方が怖い。

2011-01-04 00:03:12
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」3・次の日、おれは、おれをイジメたやつに初めて抵抗した。もちろん、父親が怖かったからだ。学校から「ゲンイチロウ君が喧嘩しました」と連絡があった。それを聞いた父親はこういったそうだ。「どっちが勝ちました?」。バカだ……。それからしばらくして、またおれはイジメられた。

2011-01-04 00:05:35
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」4・たまたま、その時持っていた、鉛筆削り用のナイフを振り上げて、相手を威嚇した(だけだったけど)。また、学校から家に連絡があった。おれは、相手と戦ったから誉めてもらえるんじゃないかと思った。ところが、おれは父親にピンタされちまった。「武器はいかん! 素手でやれ、素手で!」

2011-01-04 00:08:39
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」5・こんなことういうと、父親は単なるアホな武闘派に見えるかもしれんが、実際は少々違う。父親は子どもの頃ひどい小児マヒにかかって、片方の脚が子どもの腕ほども細く、しかも短かった。正視にたえぬ脚だったが、おれは生まれてからずっとみているから別に当たり前だと思っていたっけ。

2011-01-04 00:15:58
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」6・そんな脚で、ひどいビッコをひいているので、バカにされることも多かった。母親と結婚した直後、母親と難波(大阪です)を歩いていて、ヤクザにからまれた。「ビッコのくせに、別嬪を連れてナマイキだ」といわれたんだ(若い頃、母親は美人だったw)。ヤクザが父親の胸ぐらを掴んだ。

2011-01-04 00:19:18
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」7・次の瞬間、吹っ飛んでいたのはヤクザの方だった。父親は、下半身は子ども並みだったが上半身は鍛えに鍛えていた。おれも覚えているが、まるでレスラーみたいな腕っぷしだった。なぜかって? 「なめられてたまるか」と思っていたからだ。

2011-01-04 00:22:33
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」8・父親の「なめられるな」は、おそらく、彼の身体の障害から来ているのだろう。それは、一種の「弱者が生きられる論理」だったのだと思う。そういうと、すごくいい人に見えるが、そんなことはない。なにしろ、典型的な家庭内独裁者(家長)だったし、マッチョな男性中心主義者だった。

2011-01-04 00:24:43
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」9・おまけにチョー右翼だったし。だが、父親の身体は、「弱者」であることの意味を知っていたと思う。晩年、父親は、老い(弱い)、癌になり(弱い)、離婚して孤独になり(弱い)、貧しく(弱い)、ある意味で「弱者」をきわめることになった。話があうようになったのは、その頃だ。

2011-01-04 00:27:35
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」10・死ぬ直前、父親は、突然、こんなことをいい出した。「あのな、ほんとうに殺されそうになったら、相手の喉笛に嚙みつけ!」と。なにがいいたかったんだ、あの人。少しも変わってないということか。おれは、正直にいって、父親がいっていることは「正しい」とは思っていない。

2011-01-04 00:29:59
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」11・「なめられるな」も「素手で戦え」も「相手の喉笛に嚙みつけ」(笑)も、ちょっとどうかと思うぞ。まず「対話」だろ。っていうか、そういう風に、子どもに教えるだろ。だが、おれは、同時に、その「正しくない」考え方に、魅かれるのである。もしかしたら、洗脳されちゃってるのかも。

2011-01-04 00:32:49
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」12・おれは、さっき「弱者の論理」といった。おれは、たとえば、パレスチナ難民とイスラエルの関係を考えるんだ。誰もが、徹底した「話し合い」による解決を訴える。そして、そのことはまったく「正しい」。論理としては。だが、絶対的な力の差がある時、その「正しさ」は正しいのだろうか。

2011-01-04 00:36:58
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」13・おれはテロのことをいっている。テロは「正しくない」。その通りだ。だが、絶対的な弱者、つまり、絶対に勝てないことを知っている者にとって「正しさ」とはなんだろう。なにものでもないのだ。テロは、究極では「なめられるな」という主張なのだとおれは思う。

2011-01-04 00:39:09
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」14・おれは、別におれのアホな父親のいってることを、世界政治と結びつけようと思っているわけじゃない。マジ無理ですから、そんなの。テロは愚行だ。ヤクザをぶっ飛ばした父親のやってることも愚行だ。そして、あらゆる愚行には愚行の存在意義があるといいたいだけだ。

2011-01-04 00:41:24
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」15・この前、おれは「東京都青少年保護育成条例」への違和だけではなく、反対運動への違和も呟いた。その理由もそこにある。「公」は「正しさ」を求める。それは正しい。そこには論理と対話が必要だ。まったく同感だ。だが、その「正しさ」から漏れてくるものはばどうすればいいのか。

2011-01-04 00:44:40
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」16・ぶっちゃけていうと、ひとりの人間の中に、矛盾した考えが渦巻いている。人間は点ではない。面かもしれない、立体かもしれない。点なら、そこから一つの信号だけを取りだせばいい。しかし、面や立体からは複数の信号が発信される。それを受信するためにはどうすればいいのだろう。

2011-01-04 00:46:49
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」17・ツイッターのいいところは、複雑な発信と受信ができることではないか、とおれは思っている。おれが時に「おれ」を使い「ぼく」を使い、「わたし」を使う理由もそこにある。「公」と「私」を繋げる作業は、人と人の間だけではなく、ひとりの個人の中においても必要なのである。

2011-01-04 00:49:10
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」18・いま思い出したんだが、前回、「チンピラヤクザ」と付き合っていたと話したっけ。別に「友だち」だったわけじゃありませんから。二十代前半、そういう連中がゴロゴロいるところにいただけ。で、ある日、チンピラにからまれ、いいようにのされてしまいました。ボロボロだ。

2011-01-04 00:51:56
高橋源一郎 @takagengen

「愚行」19・その時、おれの脳裏に父親の金言が蘇った。「なめられるな」。バカだ……。やり返さないと、父親に叱られる。だが、相手はチンピラとはいえヤクザだ。しかも「武器は使うな! 素手で戦え!」だもんな。父ちゃん、ハードル高すぎますから。で、おれは、ない頭を使って考えた。

2011-01-04 00:54:22
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