本格ミステリの「納得度」を担保する物語構造とは

LDさんとharinomushiroさんのミステリを巡る議論をまとめました。
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針野 @harinomushiro

本格ミステリを読んでいて、作者と直にコミュニケーションしているような感覚を覚える事はあるなあ。錯覚なんだろうけど。 なんて言うんだろ、トリック・ロジック・レトリックによるコミュニケーション。

2011-01-04 02:40:19
LD @LDmanken

@harinomushiro 昨日、他の人と話していた事なんですが『物語』として、作り手と受け手の“勝負”の構造が歪な程(?)はっきりしているというジャンルではあると思うんですよね。ミステリは。→

2011-01-04 02:45:28
LD @LDmanken

.@harinomushiro仮に物語が受け手を、驚かせるand納得させる、事の勝負だとするなら、他の物語は「私は納得した」、「いや僕は納得しない」とその決着はそれぞれ模糊とし易いですが、ミステリは解けた解けないに転化され、ずっとハッキリしていると思います。

2011-01-04 02:51:06
針野 @harinomushiro

@LDmanken おっしゃっているのは多分自分の言う「本格ミステリ」の事だと思います。一般で言う「ミステリ」は、「このミステリーがすごい!」に代表されるように、作中に謎が入っていればカテゴリ内に入れるような境界の緩いジャンルというイメージではないかと。

2011-01-04 02:50:29
LD @LDmanken

.@harinomushiro そうですね。必須ではないですけど、冒頭に「読者に挑戦する!」と銘打つくらいの勢いのものを有力に考えています。…が、今はちょっと拡散的にネタを拾おうとしています。

2011-01-04 02:53:42
針野 @harinomushiro

@LDmanken いわゆるミステリはエドガー・アラン・ポー以降に長い歴史を積み重ねてきたわけですが、その中で「納得」の根拠として生き残っていったのが「科学的事実」と「推理(論理)」ですね。他の要素を根拠とした作品もたくさんあったと思うんですが、歴史に残らなかった。//

2011-01-04 02:58:05
針野 @harinomushiro

@LDmanken //何故残らなかったのかというと、納得度が低かったがゆえに単純につまらなかったからではないかと。 ただ、ホームズものみたいに、名探偵キャラクターの「納得度」で面白さを支えた例外的な作品もあるわけですが。

2011-01-04 03:00:11
LD @LDmanken

.@harinomushiro ノックスの十戒を真似て『少年マンガ十戒』みたいなものを作ろうとしたんですが、技術論で精査するならともかく、ストリーメイクとしては「あるあるネタ」程度で、戒めにまで昇華するのは大変に難しい。

2011-01-04 02:59:15
LD @LDmanken

.@harinomushiro →一方、ノックスの十戒は、絶対ではないにしろ、その条件は戒めとして納得に足る何かを持っている。ここらへん、物語を受け手を騙して→納得させる物と解した場合、そこに特化した構造に興味を持ってきています。

2011-01-04 03:03:57
針野 @harinomushiro

@LDmanken ノックスの十戒は、作家の悪ノリというかあるあるネタみたいな側面もあるみたいです。発表した当時はそういう感じだったらしい。 もうひとつ有名なヴァン・ダインの二十則はけっこうガチだったみたいですけど。

2011-01-04 03:07:52
針野 @harinomushiro

@LDmanken けっこう指摘されていることですが、ホームズ譚は科学的に考えるとけっこういい加減な面もあるわけです。が、今読んでも面白いしファンも多い。それはホームズのキャラによるものが大きいかと思います。ストーリーも面白いですが。

2011-01-04 03:05:13
LD @LDmanken

.@harinomushiro ホームズの推理が示しているものは、受け手が納得する(騙される)のは、絶対の演繹に限らないという事ですよね。…これって物語全般の構造と一緒なんですよね。

2011-01-04 03:09:50
針野 @harinomushiro

@LDmanken ええ、頭で考えた推理よりも、「女のカン」とか「刑事のカン」の方が説得力を感じる人も確実にいる。昔で言えば神のお告げとか。 少年ジャンプで言えば、理屈よりも友情努力勝利の方が正しいとか。

2011-01-04 03:13:23
LD @LDmanken

.@harinomushiro 『それでも町は廻っている』で数学の先生が「数学はミステリーだ」と言って歩鳥の興味を引こうとするシーンがあるわけですが、これは本当に事実で、フェルマーの最終定理は360年も解けなかった本物のミステリーだと思う。→

2011-01-04 03:15:21
LD @LDmanken

.@harinomushiro → でも、そうじゃなくてもいいw そこまで絶対証明じゃなくても、作り手と受け手の勝負は成立して、ミステリーは成る。

2011-01-04 03:18:35
針野 @harinomushiro

@LDmanken というか、そこまでガチな難問だと、強敵すぎて逆に興味を引く読者数が少ない可能性もあるw あ、こりゃ自分では分かるはずないや、と。

2011-01-04 03:21:53
針野 @harinomushiro

@LDmanken 実は昨日の深夜に、ちょっとそれに関する事をつぶやいたんですね。名探偵とは、圧縮した捜査パートに説得力を持たせるために生み出されたんじゃないか、みたいな与太話を。情報圧縮という言葉をちょっとお借りしてw

2011-01-04 03:19:26
LD @LDmanken

.@harinomushiro ここで角度を変えた話をすると、僕は、週刊連載のマンガを一週間かけて、次の展開を“推理”する愉しみ方は確実に持っている。作者の意図(テーマ)とはっきりとはしない少年マンガの戒めの中から、あるべき答えを導き出す。→

2011-01-04 03:21:46
LD @LDmanken

.@harinomushiro →そうして次の展開を観て「ふふん、やはりかw」とか「あ、畜生、そう来たか!」と一喜一憂する。無論、愉しみ方はそれだけではないですが。しかし、この愉しみ方をミステリーは前提として持っていると思うんです。

2011-01-04 03:25:03
針野 @harinomushiro

@LDmanken はい、そして「推理」するには、ある程度のルールが作者、読者の間で共有されている前提がある。この話だとテーマとか戒めですね。 まあ、マンガというか物語は、そういった事を無視しても面白い作品は面白いという事実も一方ではあるんですがw

2011-01-04 03:28:43
LD @LDmanken

.@harinomushiro でも、数学問題は確かにそこに殺人現場(?)はあって、かつ余計な誘導をする恐れのある探偵は排除された純粋推理としては理想的な現場なんですよね。話はそれますがときに松本清張といった推理小説家が歴史推考行ったりするのも、そういう流れですよね。

2011-01-04 03:31:22
針野 @harinomushiro

@LDmanken ええ、「材料」から余計な「夾雑物」を除いた「素材」のみで勝負する、という発想ですね。 こうなるとアイデアやロジックのみの「勝負」になります。 ただ、恐らくですけど本格読みからもその方向性はあまり人気はないんじゃないかと思います。少々マニアックというか。

2011-01-04 03:37:21
LD @LDmanken

.@harinomushiro でも、少年マンガ…ひいては物語全般でも「それは、やっちゃ駄目だろう」というネタはあるw ただミステリーの方がその駄目の力は強い。それは多分、作り手と受け手の“勝負”が強調されたフィールドだから、でも実は物語全般の時点でその構造はあると。

2011-01-04 03:35:08
LD @LDmanken

そういえば「夢オチは駄目」というのは、長らく戒められてきた言葉か。…他にもこういうのはあるかな?

2011-01-04 03:36:26
針野 @harinomushiro

@LDmanken ようするに、積み重ね、これまでの物語や伏線をおじゃんにするような展開はやっちゃダメだろう、ということでしょうね。

2011-01-04 03:39:54