高橋健太郎氏のアラン・ロマックス考
ゾラ・ニール・ハーストンのことを調べてたら、フロリダ州立大学のこんなページ発見。30年代のフロリダでのフィールド・レコーディング。http://www.floridamemory.com/collections/folklife/sound_hurston.cfm
2011-01-03 17:32:11これ、iTunesで1500円で売っている「Best Of Zola Neale Hurston」と同じ音源だろうな。 http://www.floridamemory.com/collections/folklife/sound_hurston.cfm
2011-01-03 17:33:23ゾラ・ニール・ハーストンとの邂逅がなければ、その後のアラン・ロマックスはなかったと思われるのだが、そのへんの資料ってないなあ、と思っていたら、こんなサイトが。インターネットって凄い。 Three letters to Alan Lomax http://bit.ly/hfsbS3
2011-01-03 17:38:39三が日はあらためてアラン・ロマックスのことをいろいろ。彼の思想を第三者がまとめたものは意外とないなあと思っていたのだが、自分なりにポイント整理できたかな。
2011-01-04 09:25:41ゾラ・ニール・ハーストンとアラン・ロマックスのことは昨日、リンクしたハーストンからロマックスへの手紙が最大の発見。ロマックスがハイチに向ったのは、あのハーストンからの手紙がきっかけだった。
2011-01-04 09:28:54「アラン・ローマックス選集」にはゾラ・ニール・ハーストンのことは全然出て来ないが、若きロマックスがある意味で父ジョン以上に影響を受けたのがハーストンだったのは間違いない。彼女こそはロマックスの水先案内人だった。
2011-01-04 09:30:52ゾラ・ニール・ハーストンはフォークロア採集をしつつ、自分でそれを覚え、自分で歌って録音した。身体で憶えること、録音すること。そこが学者肌の研究家とは違った。そして、それはアラン・ロマックスにも言える。ロマックスは自身もフォーク・シンガーだった。
2011-01-04 09:34:50ハーストンやロマックスが、それまでの民謡採集/研究家とどう違ったかを見ていくと、僕がこれまで考えてきたこと〜それは「ポップミュージックのゆくえ」に書いてあることや次の本で書きたいことだったりする〜とダイレクトに繋がっていく。
2011-01-04 09:40:48僕がよく口にする"ルーツ・ミュージック"批判や"現地主義"批判は、ロマックスと彼以前の民謡採集/研究家の違いと重なり合ってくる。アラン・ロマックスはルーツ・ミュージックを信仰し、探求したのではなかった。この音楽の源流は?というようなリサーチを彼はめざしていなかった。
2011-01-04 09:46:32"ルーツ・ミュージックの探求者”という言葉は、現代の音楽の源流にあるものを辿り、掘り起こすような仕事を想起させる。しかし、ロマックスがフィールド・レコーディングで好んで採集したのはメイドアップ・ソング。誰かがこしらえた歌だった。
2011-01-04 09:51:57オイラはこんな歌をこしらえた。アイツはあんな歌をこしらえてる。ティンパンアレイの作家には決して作れない歌を市井の人々が作って歌っている。ロマックスはそこにマイクとレコーダーを持って向った。と考えると、それは今の時代とも繋がってこないか。
2011-01-04 10:04:26しかし、その一方でロマックスは「この歌はその土地の自然環境の中で聞かないと本当には味わえない」と言い訳するような研究家達を批判した。フィールドワーカーが陥りがちな"現地(崇拝)主義"への批判がそこにはあった。
2011-01-04 10:21:16その"現地主義批判"は、彼の武器がレコーダーだったことを考えれば、当然とも言える。フィールド・レコーディングとはすなわち、音楽を"その土地"から運び出す行為なのだから。
2011-01-04 10:25:56多くの民俗的な音楽が持つ複雑さは、西洋の記譜法では記録することができない。そういう歌唱や演奏の中に現われる微妙な表現はレコーディングでなければ、資料化できないことをロマックスは知っていた。
2011-01-04 10:30:52と同時に、その表現は決して民族や地域に縛り付けられているものではないことをロマックスは理解していた。
2011-01-04 10:37:28大きく言えば、そのことがロックやフォークを軸とした50年代以後のポピュラー音楽文化の道筋を決定づけたとも言える。
2011-01-04 10:37:58フォークロアは地域的あるいは民俗的であるよりはむしろ国際的なものを暗に意味している ー アラン・ロマックス
2011-01-04 10:40:58今日の講義でフィーチュアされるのはアタナシウス・キルヒャー、ラディック・コッシュ、オットー・ハイネマン、ラルフ・ピア、ゾラ・ニール・ ハーストン、そして、アラン・ロマックスって、なんじゃそら?と自分でも思うな。
2011-01-27 17:59:54しかし、今日の講義はロック論の基本を語るものでもあるよ。この文化はどこからやってきたのか? 誰が作り出したのか?
2011-01-27 18:11:55実は今またロケーション・レコーディングってありなんじゃないかと思うのだな。DSDレコーダーの登場で。
2011-01-27 22:00:07今日の講座は面白かった。他ではきけない話がいっぱい!RT @kentarotakahashそのへんも含め、1920年代に始まったロケーション・レコーディングがいかに音楽史を震撼させる出来事だったかを明日は紐解きます。いつものように、歴史的な音源、映像をふんだんに使って。
2011-01-27 23:54:21