高橋健太郎氏のアラン・ロマックス考

アラン・ロマックス(Alan Lomax, 1915-2002)はアメリカの民俗音楽学者 http://en.wikipedia.org/wiki/Alan_Lomax
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kentarotakahashi @kentarotakahash

ゾラ・ニール・ハーストンのことを調べてたら、フロリダ州立大学のこんなページ発見。30年代のフロリダでのフィールド・レコーディング。http://www.floridamemory.com/collections/folklife/sound_hurston.cfm

2011-01-03 17:32:11
kentarotakahashi @kentarotakahash

これ、iTunesで1500円で売っている「Best Of Zola Neale Hurston」と同じ音源だろうな。 http://www.floridamemory.com/collections/folklife/sound_hurston.cfm

2011-01-03 17:33:23
kentarotakahashi @kentarotakahash

ゾラ・ニール・ハーストンとの邂逅がなければ、その後のアラン・ロマックスはなかったと思われるのだが、そのへんの資料ってないなあ、と思っていたら、こんなサイトが。インターネットって凄い。 Three letters to Alan Lomax http://bit.ly/hfsbS3

2011-01-03 17:38:39
kentarotakahashi @kentarotakahash

三が日はあらためてアラン・ロマックスのことをいろいろ。彼の思想を第三者がまとめたものは意外とないなあと思っていたのだが、自分なりにポイント整理できたかな。

2011-01-04 09:25:41
kentarotakahashi @kentarotakahash

ゾラ・ニール・ハーストンとアラン・ロマックスのことは昨日、リンクしたハーストンからロマックスへの手紙が最大の発見。ロマックスがハイチに向ったのは、あのハーストンからの手紙がきっかけだった。

2011-01-04 09:28:54
kentarotakahashi @kentarotakahash

「アラン・ローマックス選集」にはゾラ・ニール・ハーストンのことは全然出て来ないが、若きロマックスがある意味で父ジョン以上に影響を受けたのがハーストンだったのは間違いない。彼女こそはロマックスの水先案内人だった。

2011-01-04 09:30:52
kentarotakahashi @kentarotakahash

ゾラ・ニール・ハーストンはフォークロア採集をしつつ、自分でそれを覚え、自分で歌って録音した。身体で憶えること、録音すること。そこが学者肌の研究家とは違った。そして、それはアラン・ロマックスにも言える。ロマックスは自身もフォーク・シンガーだった。

2011-01-04 09:34:50
kentarotakahashi @kentarotakahash

ハーストンやロマックスが、それまでの民謡採集/研究家とどう違ったかを見ていくと、僕がこれまで考えてきたこと〜それは「ポップミュージックのゆくえ」に書いてあることや次の本で書きたいことだったりする〜とダイレクトに繋がっていく。

2011-01-04 09:40:48
kentarotakahashi @kentarotakahash

僕がよく口にする"ルーツ・ミュージック"批判や"現地主義"批判は、ロマックスと彼以前の民謡採集/研究家の違いと重なり合ってくる。アラン・ロマックスはルーツ・ミュージックを信仰し、探求したのではなかった。この音楽の源流は?というようなリサーチを彼はめざしていなかった。

2011-01-04 09:46:32
kentarotakahashi @kentarotakahash

"ルーツ・ミュージックの探求者”という言葉は、現代の音楽の源流にあるものを辿り、掘り起こすような仕事を想起させる。しかし、ロマックスがフィールド・レコーディングで好んで採集したのはメイドアップ・ソング。誰かがこしらえた歌だった。

2011-01-04 09:51:57
kentarotakahashi @kentarotakahash

オイラはこんな歌をこしらえた。アイツはあんな歌をこしらえてる。ティンパンアレイの作家には決して作れない歌を市井の人々が作って歌っている。ロマックスはそこにマイクとレコーダーを持って向った。と考えると、それは今の時代とも繋がってこないか。

2011-01-04 10:04:26
kentarotakahashi @kentarotakahash

しかし、その一方でロマックスは「この歌はその土地の自然環境の中で聞かないと本当には味わえない」と言い訳するような研究家達を批判した。フィールドワーカーが陥りがちな"現地(崇拝)主義"への批判がそこにはあった。

2011-01-04 10:21:16
kentarotakahashi @kentarotakahash

その"現地主義批判"は、彼の武器がレコーダーだったことを考えれば、当然とも言える。フィールド・レコーディングとはすなわち、音楽を"その土地"から運び出す行為なのだから。

2011-01-04 10:25:56
kentarotakahashi @kentarotakahash

多くの民俗的な音楽が持つ複雑さは、西洋の記譜法では記録することができない。そういう歌唱や演奏の中に現われる微妙な表現はレコーディングでなければ、資料化できないことをロマックスは知っていた。

2011-01-04 10:30:52
kentarotakahashi @kentarotakahash

と同時に、その表現は決して民族や地域に縛り付けられているものではないことをロマックスは理解していた。

2011-01-04 10:37:28
kentarotakahashi @kentarotakahash

大きく言えば、そのことがロックやフォークを軸とした50年代以後のポピュラー音楽文化の道筋を決定づけたとも言える。

2011-01-04 10:37:58
kentarotakahashi @kentarotakahash

フォークロアは地域的あるいは民俗的であるよりはむしろ国際的なものを暗に意味している ー アラン・ロマックス

2011-01-04 10:40:58
kentarotakahashi @kentarotakahash

学校向かい中だが、やや遅れ気味。

2011-01-27 17:52:38
kentarotakahashi @kentarotakahash

今日の講義でフィーチュアされるのはアタナシウス・キルヒャー、ラディック・コッシュ、オットー・ハイネマン、ラルフ・ピア、ゾラ・ニール・ ハーストン、そして、アラン・ロマックスって、なんじゃそら?と自分でも思うな。

2011-01-27 17:59:54
kentarotakahashi @kentarotakahash

ミュージシャンの名前じゃないけれどね。

2011-01-27 18:00:47
kentarotakahashi @kentarotakahash

しかし、今日の講義はロック論の基本を語るものでもあるよ。この文化はどこからやってきたのか? 誰が作り出したのか?

2011-01-27 18:11:55
kentarotakahashi @kentarotakahash

講座終了。ロケーション・レコーディングという言葉がこれで少しポピュラーになるかな。

2011-01-27 21:57:13
kentarotakahashi @kentarotakahash

実は今またロケーション・レコーディングってありなんじゃないかと思うのだな。DSDレコーダーの登場で。

2011-01-27 22:00:07
kentarotakahashi @kentarotakahash

さて、帰ったら早速、次回の講座の準備しよう。

2011-01-27 22:46:33
ふうせん @balloontell

今日の講座は面白かった。他ではきけない話がいっぱい!RT @kentarotakahashそのへんも含め、1920年代に始まったロケーション・レコーディングがいかに音楽史を震撼させる出来事だったかを明日は紐解きます。いつものように、歴史的な音源、映像をふんだんに使って。

2011-01-27 23:54:21