凡才塾翻訳論20110104

ポーランド語のクリスマス・キャロルを翻訳する試み。異文化のものはやはり難しいのだよというお話。
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言葉が骨董バーガー @bon__19

時期外れですが、ポーランド語のクリスマスキャロルを訳すのです。To już póżno ale mam ochotę przetłumaczenia kolędę.

2011-01-04 15:01:34
言葉が骨董バーガー @bon__19

そういう授業を大学2年でやりました。

2011-01-04 15:02:03
言葉が骨董バーガー @bon__19

メロディに合わせて訳すということ、言葉の意味をしっかり捉えることの両立は難しいのです。そして昔の賛美歌の雰囲気を出すことも考えると、そうやすやすと訳せるものではないという。

2011-01-04 15:08:16
言葉が骨董バーガー @bon__19

もっといい素材もあるのでしょうが、とりあえずこの演奏を参考にしてもらうことになります。 http://www.youtube.com/watch?v=vto4wPIJoig

2011-01-04 15:09:46
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言葉が骨董バーガー @bon__19

Z narodzenia Pana dzień dziś wesoły, 主は生(あ)れませりこのよき日

2011-01-04 15:23:18
言葉が骨董バーガー @bon__19

wyśpiewują chwalę Bogu żywioły. 全地は神を讃うなり

2011-01-04 15:23:24
言葉が骨董バーガー @bon__19

Radość ludzi wszędzie słynie, 喜びのあふれ

2011-01-04 15:23:30
言葉が骨董バーガー @bon__19

anioł budzi przy dolinie み使いぞ告ぐる

2011-01-04 15:23:37
言葉が骨董バーガー @bon__19

pasterzy, co paśli pod borem woły. 谷間の森の牧人に

2011-01-04 15:23:45
言葉が骨董バーガー @bon__19

さて、叩き台的に訳してみました。これを自分なりに問題点を見てみましょう。

2011-01-04 15:24:22
言葉が骨董バーガー @bon__19

第一連はZが弱拍に入ります。しかし和訳の「主はあれませり」はこのリズムを崩してしまっている。これがまず一点。

2011-01-04 15:25:57
言葉が骨董バーガー @bon__19

第三連は直訳すれば「人々の喜びはいたるところにあふれ」ですが、この長い情報を日本語で収めるには相当カットしなければならない。こういう難点があるわけです。

2011-01-04 15:27:40
言葉が骨董バーガー @bon__19

同様に第四連も「天使は谷間いで目覚めさせる」なのですが、これは「目覚めさせる」などという言葉は賛美歌らしくない。「起こす」もいまいち。次の連との兼ね合いで「告げる」を用いることに。

2011-01-04 15:29:25
言葉が骨董バーガー @bon__19

最後は「餌を牛たちに森の下(中)で与えている牛飼いたちよ」となっていますが、そのままでは冗長。それで前の連から谷間を引っ張ってきて、「谷間の森の牧人に」としてみたわけですが、第四連で文意が切れた後にとってつけたような第五連になってしまいました。

2011-01-04 15:32:47
言葉が骨董バーガー @bon__19

そしてまた、全体的に見て、クリスマスの賛美歌に使われそうな語彙を選んで翻訳するということ、また文語体を用いることがしっかりできているかを考えると、不完全の感は否めないのです。

2011-01-04 15:34:07
言葉が骨董バーガー @bon__19

異文化のものを翻訳するというのはかくも困難を伴う作業なのです。ただの歌でさえこうなのですから、翻訳がどれだけ気を使う作業なのかおわかりいただけたかと思います。

2011-01-04 15:37:46
言葉が骨董バーガー @bon__19

さっきの動画はゲッティンゲンのものですが、こちらはれっきとしたポーランド中部の都市ウッチの教会のもの。 http://www.youtube.com/watch?v=_loBkEH_nnw

2011-01-04 15:39:25
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言葉が骨董バーガー @bon__19

というわけで講義は終了。 Koniec klasy.

2011-01-04 15:39:32