- stray_Sword
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@cat 時折。何が普通で何が当たり前なのか分からなくなる。あの男は俺達を気紛れに殴って笑ってた。その扱いすら打倒で、当然なのではないかと。飯を食わされず、顕現したならば戦に出てボロボロにされ、折れても踏まれ詰られる。
2015-08-13 00:41:28@cat 当然なのだ。道具なのだから当然に扱われるのだ。使い捨てられても、俺達には何も言えぬのだ。…何故感情を得たのだろう。無ければこんなにも痛みを覚える事などなかったろうに……
2015-08-13 00:46:02@stray_Sword *猫に食わせる内容には以下を含みます。本気で苦手な方は本丸の閲覧をご遠慮下さい* 暴力、拷問、調教、刀剣破壊、強姦(さにへし)、刀剣との恋愛(対燭台切、左右関係不明)、特定の男士の名を出さない扱いの酷さ、基本胸糞、救い要素少
2015-08-13 06:22:57@stray_Sword *魂はどの刀剣も好きなので、粗末に扱うつもりは御座いません。あくまでこの「黒本丸に居た長谷部の記憶」という二次創作物と割り切れる方のみ閲覧下さいませ。
2015-08-13 06:24:16@cat 俺はあの本丸の初鍛刀だった。誰も居ない本丸で、あの男に傅き何でもする、思うが儘に、主命と囀っていた。今の主が一番で、今の主ならば俺を使って下さると盲目的に信じていた。 俺の次に鍛刀されたのは、資材の少ない短刀達だった。
2015-08-13 06:29:10@cat 最初に折れたのは誰だっただろう。刀装は渡されず、繰り返し繰り返し出陣を命じられれば皆疲れきっていた。だが命令とあらば俺達は戦時へと赴かねばならない。…誰かが折れた音がして、漸く本丸へ帰還を命じられた。
2015-08-13 06:31:52@cat きっと審神者になりたてで、俺達を使うのに慣れてないのだろう、そんな淡い期待をしてその折れた彼を主に見せた。彼奴はその鉄を踏んで笑った。脆いなと。役立たずと。また鍛刀すれば良いと。……其れが、煉獄の日々の始まりだった。
2015-08-13 06:33:22名前か。あの男は俺に気に入りだと名前をつけてた。だが俺からその名を口にする事はあるまい。呪われた…思い出したくもない名だ。
2015-08-13 15:13:29@cat 俺は暫く短刀達を連れては出陣し、折れては帰るのを繰り返した。休むことも寝ることも、食事も許されなかった。何振か折れた頃、漸く食事が出された。俺は初めて其れを口にした……酷く、美味かった
2015-08-13 15:42:30@cat それが誰かが作った刀装の失敗品だと知ったのは其の後しばらくしてからだ。腹を壊して一日動けなくなり、休みというものを初めて貰った日まで、知らなかった。だが美味かった。今も俺は……此れが一番美味に感じる。
2015-08-13 15:44:15@cat 暫くして打刀の他の面や脇差が揃うと前よりは少し楽になった。何故なら自分の出番が減るからだ。だが出陣すれば長く帰って来ず、必ず誰かが折れて帰って来ていた。
2015-08-13 15:46:47@cat 俺達は過酷な中、いつしか手を取り合い助け合うようになっていた。桜花弁の多い刀剣から守りを貰ったり、刀装を分け合い、飯を…妙な連帯感だった。 だが彼奴は其れが気に入らなかったのだろう。飯や休みを賭けの対象に俺達に「殺し合い」をせよと命じた。
2015-08-14 09:00:34@cat 馬鹿げた話だ、そう思ったが何人かが手を挙げた。欲に塗れたかと。…そいつらは命令の儘…そして最期の勝者の勝負の相手は俺だった。 そいつは言った。皆で申し合わせて、皆で折れようとしたと。自分も穏やかに最期を迎えたいと。
2015-08-14 09:05:38@cat 俺はそいつを手にかけて…褒美と名をつけられた。疫病神と、お前のせいだと、お前だけが打刀で一振り目で、お前と出陣すれば他が折れるのだと暗示のように何度も何度も夜も昼も言葉を投げかけられた。
2015-08-14 09:07:52腹が減って仕方ない。(ある本丸の刀装を作る祭壇部屋に忍び込むと、失敗したものを見つければ抱えて、物陰に隠れれば目をとろりと溶かして一つ摘まむと躊躇いなく奥歯で噛んで)
2015-08-14 09:09:24@cat 多分俺は「おかしくなった」のだろう。そう新しくきた彼奴に言われたのだから。…金眼隻眼の…あの太刀に。 新しく来た其奴は俺に馴れ馴れしくしてきて、俺はやがて心を開いてそいつに様々なことを話した。其奴は言った。男のせいで俺はおかしくなったのだ、と。
2015-08-14 09:18:38@999 「この儘では皆折れてしまうよ」「此処から生きて逃げよう」「僕達には意志があるんだ。幾ら刀だからってこんな風に長谷部君をボロボロにする権利なんてない」「僕は長谷部君の味方だよ」
2015-08-14 09:20:19@cat 俺は、俺達はこの本丸から逃げることを考え出した。今までなら考えれないことだった。刀として人に振るわれるのが当然だと思っていたからだ。あの賭けで自ら折れようとした者達の気持ちが少し分かった気がしていた・・・
2015-09-03 10:38:32@cat だが逃げ出そうとしたり、謀反を起こそうとする刀が見つかれば俺が臣下の手打ちを命じられた。仲間を手にかけること・・・そう、何も思ってやしない、あの優しい光忠も、俺と同じ貌も、小さな粟田口の弟達も・・・この手は血に塗れはしたが、何、も・・・
2015-09-03 10:52:37