「 #火垂るの墓 」叶精二氏、金曜ロード、実況解説(2015.8.14)Grave of the Fireflies #kinro #ジブリ

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火垂るの墓

日時:2015年 8月14日(金) 21:00-22:54※ (日本テレビ系列)

叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

映像研究家。亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京工学院アニメーション科 講師。「高畑勲展」展示アドバイザー・図録執筆担当。著書『日本のアニメーションを築いた人々 新版』発売中。 「論座」原稿➡️webronza.asahi.com/authors/201402…

yk.rim.or.jp/~rst/index.sht…

リンク www.yk.rim.or.jp 高畑勲・宮崎駿作品研究所
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

高畑勲監督作品『火垂るの墓』放映中。 明日8月15日は終戦70年の節目。 あの朱い兄妹の魂が、この70年間ずっと神戸の街を彷徨い続けていたとするならば、彼らに日本の「戦後」は一体どう映っていたのでしょうか…。

2015-08-14 21:08:49
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

作品は清太の「昭和20年9月21日夜、ぼくは死んだ」のナレーションではじまります。 画像は清太が息絶えた三ノ宮駅の現在の風景(2013年8月15日撮影)。 撮影時、思わず手を合わせました。 pic.twitter.com/8sXWKfVer0

2015-08-14 21:09:40
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

スタッフのほぼ全員が戦後生まれであった為、高畑監督は制作にあたり、いわさきちひろ晩年の傑作絵本『戦火のなかの子どもたち』(1973年)を子供たちの表情描写の参考資料として指定。 chihiro.jp/chihiro/hope/e…

2015-08-14 21:12:00
リンク www.chihiro.jp 絵本『戦火のなかの子どもたち』|ちひろ美術館 岩崎書店 岩崎 ちひろ 文・絵 1973年 ベトナム戦争の末期、 1972年から1973年にかけて、ベトナム全土への爆撃が激しく行われているころに『戦火のなかの子どもたち』は描き始められました。「ベ...
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

ベトナム戦争で身心共に傷ついた少年少女の怒りをたたえた無表情を描いたちひろ。 同書を開くと監督御自身の岡山空襲の記憶が蘇るそうで、東日本大震災の後にも読み返されたそうです。高畑監督は「ちひろ美術館」の評議員を務めていらっしゃいます。 chihiro.jp/rinen/zaidan/m…

2015-08-14 21:13:18
リンク www.chihiro.jp 役員名簿|ちひろ美術館 2015年度 評議員・理事・監事名簿 評議員 松本善明 弁護士 評議員 高畑勲 アニメーション映画監督 評議員 ...
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

作画監督・キャラクターデザインは故・近藤喜文さん。 yk.rim.or.jp/~rst/rabo/news… 節子の頬の長三角のピンク、清太の頬骨に乗せた数本の並行線、ランニングシャツ胸部に描かれた三角の弛みで表現された布の質感。何気ないデザインの一つ一つが恐るべき実在感を醸し出しています。

2015-08-14 21:14:47
リンク www.yk.rim.or.jp 近藤喜文さんの世界
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

日本人の尊厳ある顔を描くという目的に適った、まさにオリジナルのキャラクター・デザイン。 『千と千尋』『思い出のマーニー』作監・安藤雅司さん曰く「近藤さんのデザインは宮崎(駿)さんとは全く似ていない。コンセプトも表現の方向性も違う。それは他のジブリ作品では到達し得なかったもの」。

2015-08-14 21:15:49
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

原作にない、朱色の幽霊として自分達に起きた出来事を見守る(回想する)清太と節子。当初はセピアで検討されたものの印象が弱く廃案に。「阿修羅像に塗られた降魔色」「内側から発光する感じ」との高畑監督の指示に、美監の山本二三さんと色彩設計の保田道世さんが応えたもの。画材にガッシュも使用。

2015-08-14 21:18:46
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

空襲警報前後の原画は高野登さん、B29による空襲シーンの原画は『耳をすませば』『風立ちぬ』作監・高坂希太郎さん。 着弾後の炎に黒煙の特効セルが付いていて、エアブラシ処理に異常な手間がかかっています。特殊効果は故・谷藤薫児さん。何と『トトロ』も兼任。ブラシの名職人さんでした。

2015-08-14 21:20:50
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

節子を演じた白石綾乃ちゃんは当時5歳。アフレコは不可能だった為に高畑監督は初めてプレスコを採用。台詞に作画を合わせつつ、2回に亘って再録音。清太の声を演じた15歳の辰巳努君も、綾乃ちゃんと本当の兄妹のように遊びながら録音。他キャストはアフレコ。監督は以降の作品でもプレスコを多用。

2015-08-14 21:26:09
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

「見てみい! 兄ちゃんうまいで!」鉄棒で回る清太としゃがんで泣く節子の背景は、白味を活かしたセピア調。ディテールの描き込みを大胆に飛ばし、あえて、瓦礫や残骸を描かず、清太の心象風景のように仕立てています。背景は『メトロポリス』『イノセンス』美監・平田秀一さん。特異な寂寥感が。

2015-08-14 21:30:46
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

推測ですが、フレデリック・バック『クラック!』(高畑監督は82年米で初観賞)の影響を最初に活かしたシーンではないかと。『かぐや姫の物語』に通じる実験的な背景でした。 このシーンの美術が余りに他と違うので、戸惑う山本二三さんに高畑監督が参考にと手渡した1冊の本があります。

2015-08-14 21:31:39
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

黒田三郎の詩集『小さなユリと』(1960年)。その一編「月給取り奴」を特に勧められたそうです。自力ではどうにも出来ない情けなさが清太にも通じる気が。 blogs.yahoo.co.jp/jintoku510/370… 今年5月に夏葉社より同書復刻版が発売。 natsuhasha.com

2015-08-14 21:33:12
リンク 日々の気持ちを短歌に 黒田三郎詩集(34)小さなユリと(2)「月給取り奴」 - 日々の気持ちを短歌に 黒田三郎詩集(34) (中央公論社発行:昭和58年) 小さなユリと(2) 「月給取り奴」 僕はこの道のしずかさにたえる 小さなユリを幼稚園へ送った帰り きょうも遅れて勤めに行く道 働きに行く者は皆とっくに行ってしまったあとの ひっそりとしず...
リンク natsuhasha.com 夏葉社 吉祥寺のあたらしい出版社です
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

節子が蛍をつぶして「ヘンな臭い」というシーンの周囲の霧の背景は山本二三さん。溝口健二監督の名作『雨月物語』(1953年)を何度も観て研究されたそうです。連れションの背景は「恐くないように」と意図して明るい空に。 「懐かしい日本の真昼の空」は、苦心の末、青にグレーを混ぜて表現。

2015-08-14 21:43:25
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

近藤喜文さんのキャラ設定と演技修正は余りに繊細で、原画マンは描くのに大変苦労されたそうです。 画像は後半、農家のおじさんと会話する清太の修正例。表情・肩のライン・シャツのしわなどほぼ全面修正。 pic.twitter.com/2AWdazXmbX

2015-08-14 21:50:00
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叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

見守る母の前で清太が沖のブイまで泳ぐ海の回想シーンは故・奥山玲子さんの担当。制作の方に「波は小田部さんに」と無茶振りされたそうです。その通り、波のエキスパート小田部さんが手伝ったそうですが、タイトル上に小田部さんのお名前は出ていません。

2015-08-14 21:56:58
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

『火垂るの墓』は、『かぐや姫の物語』人物造形・作画設計の田辺修さんが動画で高畑作品初参加。当時はオープロダクション所属の動画マン。田辺さんの動画担当は、おばさんがお米を広口瓶にあける粒々、氷屋の削りカスの粒々、父の死を知った清太が「お父ちゃんのアホーッ」と駆け出すカットなど。

2015-08-14 21:59:13
叶 精二(Seiji Kanoh) @seijikanoh

蚊帳の中にたくさんの蛍を放つシーンは筆頭原画の石井邦幸さん。 作監・近藤喜文さんも「いいシーンになった」と絶賛。 神戸港の観艦式回想の原画は庵野秀明監督(メカ担当?)。唯一の高畑作品参加。 「なんで蛍すぐ死んでしまうん?」と節子が泣くカットは羽根彰悦さんだったと思います。

2015-08-14 22:14:07
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コメント

砂手紙 @sandletter1 2015年8月18日
http://sandletter.hatenablog.com/entry/2014/03/18/000949 「6時間で書かれた野坂昭如の短編小説「火垂るの墓」(文壇)」原作の野坂昭如氏がこの話を書いたのも、1967年の夏の暑い日の午前中のことでした。
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