Fallout鎮守府　鈴熊編Vault112探索

スフィルナ＠治療中 @finad8

キャピタル・ウェイストランド西部。 名前どおりの荒野に敷かれたぼろぼろのコンクリート道路を、2人の女子高生程度の女性が歩いていく。 「あーマジ暑い……」 「もう少しですわ。噂の場所。」 ビンに入った綺麗な水を飲みながら鈴谷が愚痴をこぼす。 #Fallout鎮守府

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「噂、ねぇ。」 水を配りに来たBoSのイニシエイトから2人はVaultの噂を聞いた。 キャピタル・ウェイストランド西部にはVaultがあり、そこにGECKを作った人物が眠っているという噂だ。 「えぇ、まだ資材は足りませんからもっと稼ぎますわよ。」 #Fallout鎮守府

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熊野の言うとおり、Vault106を解体した結果使える資材はあまり多くないことが判明した。 特に電子機器類、メインフレーム類は経年劣化で使い物にならず電源周りの設備が特に不足していた。 これらはウェイストランドで調達すれば何万キャップもかかる代物だ。 #Fallout鎮守府

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だから、できるなら滅んでからすぐのVaultから引っ張り出すことが望ましい。 が、そういった都合のいいVaultはそうそう見つからず手当たり次第探していくしかないのだ。 「この辺ですわね。」 「何もないけどそんなもんだよねー。」 #Fallout鎮守府

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2人は周辺を探すが、あるのはぼろぼろの車修理店くらいだ。 「スミス・ケーシーのガレージ」と看板に書かれており、周囲にはタイヤの剥ぎ取られた廃車が置かれている。 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/NlbrB

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「とりあえずここも調べますわ。」 「違くない？これ。」 鈴谷は見た目からして明らかに違うと思ったようだ。しかし熊野は首を振る。 「こんな車修理店が核戦争の後で崩壊してないことがおかしいですわ。核爆弾にも耐えうる構造に決まってますわよ。」 #Fallout鎮守府

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「どうかなぁ……」 疑いつつも鈴谷は熊野についていく。熊野がガレージの扉を開けると、内部にはモールラットがうろついていた。 「どーもコイツ好きになれないよねー。襲い掛かってくるし。」 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/oIgVl

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鈴谷はそういいつつ、99式小銃でモールラットの胴体めがけ射撃する。 7.62ｍｍ弾がモールラットの胴体を貫き、絶命させる。熊野もレーザーピストルでモールラットの頭を打ち抜き、ガレージ内部を掃討する。 #Fallout鎮守府

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放射性物質で変異した生物とは言え、そこまで皮膚も硬くないため簡単に2人はガレージ内部のモールラットを一掃する。 「……何もないね。」 鈴谷が周囲を見渡すが、この修理店内部は狭く車の修理スペースと店舗部分しかない。 #Fallout鎮守府

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店舗部分は壁に備え付けられた救急箱とヌカ・コーラの自販機、空の書類棚しかない。 ガレージ部分には水色の廃車と、棚に置かれた廃棄部品や廃棄電子部品しかなく、怪しいものは見つからない。 「……何もなさそう。」 「とりあえずは電源を入れて調べますわ。」 #Fallout鎮守府

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そう言って熊野は配電盤のレバーを上げると、いきなり床が開く。 「嘘！？」 床が開き、階段が出現する。熊野は目を輝かせて階段を下りていく。 「Vaultが私を待ってますわ！」 「ちょっと待ってよ！あせったら危ないって！」 #Fallout鎮守府

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熊野は金属製の扉を開けると、下水道のような狭い地下通路に出る。 その目の前には、Vault112の巨大な金属の扉があった。 「噂は本当でしたわ！さぁ、開きますわよ！」 熊野は扉の近くにある端末のレバーを引く。 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/wKmTo

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扉両脇のランプが点灯し、警告音と共に金属音が鳴り響き扉が一度引き込まれ、横に転がるようにして開く。 内部はさび付いてこそいないが、埃まみれになっている。比較的最近放棄されたもののようだ。 「気をつけなよ？前のVaultではロクなことなかったし。」 #Fallout鎮守府

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「もちろんですわ。」 熊野は鈴谷をつれて先に進む。正面エントランスを左側に進むと小部屋があり、Vault112の青いジャンプスーツたたんだ状態で棚に綺麗に置かれている。 その前には1台のロボットがいて、鈴谷と熊野を検知するとキャタピラを旋回させて振り向く #Fallout鎮守府

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戦前に作られた人の有機脳を用いたロボット、ロボブレインだ。 無数の弾丸が撃ち込まれた跡があり、火花を散らせながらも2人を認識すると女性の声で語りかける。 「ラウンジを……方……スーツ着用を……」 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/oFd34

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「……何ですの？」 熊野が疑問符を投げかけると、ショートしたのかロボブレインは爆発し動かなくなる。 「とりあえずこのスーツに着替えてなんかしろってことじゃないの？」 「ですわね。あんまり優雅とはいえませんけど。」 #Fallout鎮守府

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鈴谷と熊野はVault112の青いジャンプスーツを広げ、それに着替え始める。 体にぴったりとフィットするが、着心地は非常によく通気性もいい代物だ。 「これで後はラウンジに行けばいいのですわね？」 「だね。」 2人は扉を開け、Vault112の奥へと向かう。 #Fallout鎮守府

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Vault112の中央部には巨大なコンピューターを囲むようにいくつものポッドが設置されていた。 1が1人入るくらいのもので、シミュレーターに使うものだが一部には内部に血がこびりついているのが見えた。 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/PVgAy

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「人が入ってますのね、これ。」 「そいつ死んでるよ？」 1つのポッドに熊野が近づき内部を調べていると、近くのターミナルをみた鈴谷が話しかけて来る。 「そのようですわね……」 熊野と鈴谷が1つずつポッドを調べていくと、空きもあることに気づく。 #Fallout鎮守府

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「入ってみません？」 「えー……」 鈴谷がやや複雑そうな表情をするが、熊野はポッドを開くと座席に座る。 「私はやってみますわ？面白そうですもの。」 「それじゃちょっと管理者探してくるから変なことしないでよ？」 鈴谷はそういうと他の部屋へと向かう。 #Fallout鎮守府

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「何が始まりますのやら。」 熊野がポッド内部の椅子に座ると、ポッドが閉鎖しシミュレーターが稼働する。 目の前が暗転し、気がついたときにはモノクロの視界が広がり、周囲には1950年代初頭の郊外の町が広がっていた。 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/ryNeA

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熊野は一瞬だけ、ここに住みたいと思ってしまった。 一瞬だけというのは、目の前に銃を構えた兵士がいたからだ。中国の兵士のようだ。 「な、何ですのこいつら！？」 大慌てで熊野はレーザーピストルを抜こうとする。 #Fallout鎮守府 p.twipple.jp/gZazy

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しかし、シミュレーター内部に武器が持ち込めるはずもなく武器はない。 表情を引きつらせ、すぐに背を向けて熊野は逃げるが中国兵もＡＫのような突撃銃を構えて追いかけてくる。 「な、何ですのあれ！？」 熊野は冷や汗を流しながら家の裏に隠れる。 #Fallout鎮守府

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『熊野、聞こえる？』 鈴谷がのんびりした口調で、どこからともなく話しかけてくると熊野は大声で真上を向いて怒鳴る。 「遅いですわ！それより今変な連中に襲われてますの！」 『変な連中？』 「えぇ！とにかくそっちで操作して武器をよこしなさいな！強力な武器！」 #Fallout鎮守府

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熊野がまくし立てると、鈴谷は平然と答える。 『ちょっと待ってなよ。ハッキングしていい武器送ってあげるから。』 「お願いしますわ……！って……！』 中国兵が近づいてきたのを確認すると、熊野はその場を離れ隣の家に入る。 #Fallout鎮守府