薬学たんのてんかん講座(?)【一般向け】

医療初心者向けのてんかん講座(?)です 薬学生や医療従事者の方から見るともの足りないかと思いますので、合わせて新薬たんのてんかん講座もどうぞ!
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

こんばんは、薬学たんです! ニュースを見ていたら、先日の事件(事故?)に癲癇(てんかん)の話が出てたので、医療初心者向けに少し解説します

2015-08-18 20:43:23
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

新薬たん(@ShinHiroi )もこの前まとめていらしたので、薬学生や医療従事者の方はこちらも是非ご覧になってみてください♪ togetter.com/li/855042

2015-08-18 20:44:22
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

さて、ではてんかんとはどのような病気なのでしょう? まず足がかりにWHOの定義を引用してみましょうか

2015-08-18 20:47:02
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

以下引用 『種種の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作(てんかん発作、seizure)を主徴とし、それに変異に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う』

2015-08-18 20:49:46
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

解読しましょう とりあえず、原因は様々だけど慢性の脳疾患であることは分かります! ニューロンというのは、大ざっぱに言わば神経のことだと思って頂ければ、大体合ってます 神経が過剰に刺激され、反復性の発作を生じたりするのですね

2015-08-18 20:51:16
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

つまりてんかんは、炎症や外傷、腫瘍などが間接的な原因となって、何らかのメカニズムで大脳の神経が過剰に興奮してしまい、痙攣や意識消失などの反復性の発作を起こしてしまう慢性の脳疾患なんですね 有病率は全世界の人口の0.5~1%で、珍しくはない病気です

2015-08-18 20:58:56
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

てんかんには二種類の分類があり、この分類に則って薬物を選択し、治療を行います まず一つ目の分類である、原因による分類について少し話します

2015-08-18 21:02:16
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

原因がよく分からず、特定できないものを真性てんかん(特発性てんかんとも)、脳に何らかの病変があって、それに起因すると考えられるものを症候性てんかん(二次性てんかんとも)といいます そしてもう一つの分類は、てんかん発作の種類による分類です

2015-08-18 21:05:17
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

てんかん発作は大脳の神経が興奮することによって起こりますが、ある一部分の神経が興奮することによる発作を部分発作、大脳皮質の全体または大部分が同時に興奮し始める発作を全般発作といいます

2015-08-18 21:06:38
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

一般向けということで、分類はこれくらいにしておきますが、薬学生の皆さんは、部分発作が単純部分発作と複雑部分発作にさらに分けられ、全般発作には欠伸発作、ミオクローヌス発作、硬直発作、硬直間大発作、脱力発作などがあることを思い出しましょう

2015-08-18 21:09:30
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

てんかん治療の方針は、てんかん発作を抑制することです 抗てんかん薬による薬物療法がメインですが、発作の種類によって効く薬物が異なってくるため、患者さんの発作の種類を見極め、薬物を選択することが大切です

2015-08-18 21:11:49
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

新薬たんもいくつか紹介していますが、抗てんかん薬には様々な種類があり、全部解説するのはめんd……煩雑になってしまうため、有名なお薬をいくつか紹介します!

2015-08-18 21:14:41
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

まずはテグレトール(カルバマゼピン) こちらは元々三叉神経痛という別の病気に対する治療薬だった子なんですよ! 神経が興奮するには、神経の細胞の表面についたNa+チャネルと言われる、ナトリウムイオン(Na+)専用の出入り口を通って、細胞内にNa+が流入することが必要です

2015-08-18 21:19:00
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このNa+チャネルを阻害してやることで、神経が興奮しないようにするのが、このカルバマゼピンなんですね 他に、アレビアチンという名前で売られるフェニトインというお薬なんかも似たような作用をします

2015-08-18 21:21:21
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

お次はデパケンとして有名なバルプロ酸です! こちらのお薬は、脳の神経を抑制させる働きを持つGABAとよばれる物質の働きを助けます GABAは、GABAトランスアミナーゼという酵素によって不活性化してしまいますが、バルプロ酸はこの酵素の働きを邪魔してくれます!

2015-08-18 21:24:18
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

よくベンゾジアゼピン系と呼ばれるお薬たちは、このGABAが作用する受容体にはたらきかけ、GABAの作用を強めるような働きがあります! よって、てんかんの治療にベンゾジアゼピン系が用いられることもあります

2015-08-18 21:26:12
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

カルバマゼピンは部分発作によく使われますし、バルプロ酸は様々な発作に広く効きます ベンゾジアゼピン系のクロナゼパムなんかは第二選択薬として併用されたりしますね 他にもゾニサミドやガバペンチン、エトスクシミドなどが使われます

2015-08-18 21:28:17
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

以上、さっくりとてんかんについてまとめてみました! 何かもっと詳しく聞きたいことや、分からないことなどありましたら、お気軽にお声かけください♪ 需要があれば、細かい解説も入れたいと思います

2015-08-18 21:30:19
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

少してんかんについて調べた方はWikipediaに書いてあるので分かると思いますが、てんかんはかつて医療の発達しなかった頃は、狐憑きなどと言われて差別の対象となった過去があります 医療の発達した今、てんかんやてんかん発作などの知識は少しググれば出てきます

2015-08-18 21:39:28
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

私見ですが…… こんな現代に、無知によりてんかんの持病のある方が厳しいことを言われるのは心が痛みます 少しでもてんかんについて調べてみよう、知ってみようと思う方が増えれば幸いです よく知って、配慮のある発言をしてほしいなと思います #私見

2015-08-18 21:42:53