シリンゴ氏の時効DVD制作日記
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時効DVD制作日記1 『西部悪人伝』(現廃盤)のマスター素材は、サバタが逃げた敵を追う夜のシーンが、場面が変わると昼間に。青いセロハンをかぶせて昼間の撮影を夜にみせていたのが、リマスター時のカラーコレクションでもとの色に戻っちゃった。
2011-06-20 23:24:03時効DVD制作日記2 『大西部無頼列伝』のマスター素材、タイトルテーマ曲がところどころ微妙におかしい。とおもったら、“インディオ・ブラック”の掛け声がすべてカット。アメリカでは「インディオ」も「ブラック」もヤバい用語らしい。
2011-06-20 23:28:42時効DVD制作日記2(続き) DVDに収録するテレビ放送の吹き替えマスターには、ちゃんと掛け声が残っていたので、吹き替え版で観れば、正しいテーマ曲が聞けるように日本側で調整しちゃいました。
2011-06-20 23:31:07時効DVD制作日記3 『西部決闘史』主題歌に歌詞を字幕でつけることになって、英語で“ナイン・フィンガー・マン~”と唄っているところを「9本指の男」にしてくれと言ったら、字幕制作会社が真っ蒼になって猛反対。
2011-06-20 23:45:50時効DVD制作日記3(続き) 差別用語として糾弾される可能性があるとのこと。でも実際、主演のリー・ヴァン・クリーフは事故で指が一本欠けていて、それをサバタの特徴にしているわけで。しかも「9本指」はラストシーンの伏線にもなっているのに。
2011-06-20 23:47:37補足 昔のTV吹替を再放送しもしも差別用語があった場合、その部分をカットするということもあったとか(大脱走や猿の惑星など)
また近年そういった差別用語があった吹替がソフト収録される場合は無音処理してしまうこともあります(十二人の怒れる男の日曜洋画劇場で放送された版などが該当)
時効DVD制作日記4 『豹/ジャガー』のDVDで、本編106分に対し吹き替えが69分しかないので、吹き替えが無いところをスキップして吹き替え69分で観ることができる機能を、権利元に内緒で追加。隠しコマンド扱いで。
2011-06-22 08:50:17時効DVD制作日記4(つづき) ちなみに、『豹/ジャガー』は米国内のみPD(パブリックドメイン)扱いなので、米国ではヘンな会社数社から画質のヒドいDVDが発売中。おかげで米MGMがDVDを出す気がない。
2011-06-22 08:51:50時効DVD制作日記4(つづき) つまり正規版DVDのDLT(マスタープログラム)が存在しないので、日本のFOXも再発できんのです。ちなみにスティングレイや東宝で発売したときのDLTは既に滅却。
2011-06-22 08:53:08時効DVD制作日記4(つづき) なので、『豹/ジャガー』のDVDをお持ちの方は、大切にしてください。日本での再発は可能性は非常に低いと思われます。
2011-06-22 08:54:17時効DVD制作日記5 ソニーから発売さていた『新・夕陽のガンマン』も、米国では正規版DVDは発売されず。理由は『豹/ジャガー』と同じ。amazon.comで検索すると海賊版DVDが40枚近く出る(笑)
2011-06-22 08:58:51時効DVD制作日記5(つづき) 『新・夕陽のガンマン』は、ソニーの版権が切れた後に、PD版扱いで汚ったない画質のワンコインDVDが日本でも発売。でもPDじゃないから。権利元はMGMで、日本の正規権利保有者はFOXです。
2011-06-22 09:00:41時効DVD制作日記5(つづき) MGMは、『新・夕陽のガンマン』のスターはJ・P・ローという認識なので、DVDジャケットやレーベルデザインで、「クリーフよりローの顔を大きく」という指示があって、IMAGICAさんを慌てさせたことも(笑)
2011-06-22 09:02:58以上のように豹/ジャガーは再販の可能性が低く、廃盤であるためAmazonでもプレミア価格がついているためくれぐれも安易に手放さないように!
2017年には、話に上がっていた新・夕陽のガンマンと豹/ジャガーがTCエンターテイメントという会社からBlu-rayで発売されたのですが、豹/ジャガーはMGMにも状態の良い映像マスターが残っておらず他の会社で使っていた物を使わせてもらったという経緯があります。
時効DVD制作日記6 『大西部無頼列伝』にはTBS版とTX版の2種類ありまして、TBS版の音素材が90分枠放送用(正味70分)しか残っておらず、TX版を使いました。ちなみにTBS版は、ハミルトン=羽佐間道夫、ペトロ・サンチェス=今西正男。
2011-06-23 09:03:33時効DVD制作日記6(つづき) TBS「月曜ロードショー」は、初回で視聴率がかむばしくなかったものは、深夜の90分枠でリピートして放送回数を消化していた。そのとき、カットされた16mmとシネテープは、別途保管されます。
2011-06-23 09:05:11時効DVD制作日記6(つづき) ところが、素材を持っていた某社の倉庫の引越しなどで、こういったカット部分が結構行方不明になってしまったんですな。2002年当時でも、『西部悪人伝』『大西部無頼列伝(TBS版)』『夕陽のギャングたち』のカット素材は紛失。
2011-06-23 09:07:16時効DVD制作日記6(つづき) そういった理由で『西部悪人伝』は欠落部を追加録音しました。2002年当時は、FOXや一部メジャーのTVシリーズでは追加録音はありましたが、独立系メーカーでは初めてだったのではないでしょうか。
2011-06-23 09:08:53時効DVD制作日記6(つづき) そんな(吹き替え素材にとって)惨状のなか、『さすらいのガンマン』だけは、カット部分の音声シネテープが奇跡的に残っていました(画の部分の16mmは廃棄されていましたが…)
2011-06-23 09:10:05時効DVD制作日記6(つづき) というわけで、『さすらいのガンマン』はシネテープをつないで初回の吹き替え版を復元し、一部放送禁止用語を除いて、ほぼ92分ノーカットの吹き替えを収録。現在IMAGICA/SPOで発売中のDVDにも、同じ吹き替えが収録されています。
2011-06-23 09:12:15ちなみに20世紀FOXのリクエストライブラリーシリーズでサバタ三部作が改めて発売されましたが西部悪人伝はこの時の追加収録音源ではなく初回放送時の吹替が収録、大西部無頼列伝はTBS放送版に加えTX版も追加で収録されました。
時効DVD制作日記7 『夕陽のギャングたち』吹き替え新録のとき、宣伝用にShowTimeでストリーミング公開するために、小林清志さんと富田耕生さんの顔出しインタビューを撮りました。
2011-06-24 09:09:33時効DVD制作日記7(続き) 小林清志さんは、原則顔出しをされない方で、インタビュー直前まで文章用のものだと思っていらっしゃいました。事前に本人に知らせるとNGになるので、事務所のマネージャーと吹き替え制作会社が相談して当日まで本人に隠しておりました。
2011-06-24 09:11:28