「意識、認知モデル、人工知能」について

意識の形成について、認知モデル(cognitive model)の様々な形式について、その人工知能の関わりについて、考察しました。 やや散漫ですので、どこから読んで頂いても構いません。 気に入った文章があるとよいです。
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三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
意識こそ、この自然界の最後の生成物である。さまざまな生物の意識が如何に形成されているか、その意識はいったいどういった感じか、と想像することは、ゲームAI開発者にとって非常に重要で面白いレッスンの一つである。自分がスライムだったらどんな意識を持つだろう?自分がキメラだったらどうか?
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
@tkctkc2000 面白い指摘です。学術的には間主観性(inter-subjectivity)と言います。非常に高度な概念です。意識の形が様々な媒体を経て相互作用する、そのレベルや力学など、興味深いです。RT 人間の場合は、意識が別の意識を呼ぶ…ツィッターがそうであるように。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
意識のモデルは、学術的には人工知能では、cognitive model (認知モデル)という。この言葉は覚えておくとよいだろう。実際、今まで様々なモデルが提案されて来た。もちろん、ゲームAIの分野でも、さまざまに提案されて来た。C4-Architecture、BDI, CERA
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
ゲームAIにおける認知モデルで最近提案されたのが、スペインの研究者の FPS AIコンテストで優勝した CERA-CRANIUM Cognitive Architectureである http://aigamedev.com/open/articles/conscious-bot
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
世界と知性を対立した二つの要素として考えるのではない。熱したお湯の中に、たくさんの部分的な渦ができるように、世界の中で世界の運動と共にあり、かつ局所的に自律している運動体、それを知性と捉えるんだ。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
知性と世界を完全に分かつと世界との連携は永遠に解けないだろう。世界の運動の一部として知性を捉えることで、それは世界の運動と同期しつつ固有のリズム(振動)を刻む運動体として捉えることができる。それは、散逸構造と関係している。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
まるで、インターネットのプロトコルみたいに、人間と人間は、さまざまな階層を通して相互作用するんだ。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
ある数理的なダイナミクスから構成した知性に、言葉を持たせるという実験は、人工知能の研究の二つの分野を橋渡しするのみならず、精神医学との関連をそこに見出すことになるだろう。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
山の頂から、麓に降りる道は無数にある。ポテンシャルが高いところから低いところへ。知性の順応性とはそういうことである。無限のポテンシャルを持って生まれる知性。生まれてから、まるで玉が山から転げ落ちるように、一つの順応曲線を描く。地球の現在に同化し硬化してしまう。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
知性の本質は、適応した後の状態だけでなく、適用能力そのものの中にある。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
そこは難しいですね。例えばアフォーダンスは無意識が形成しますが、意識の上に登って来る。とすれば、アフォーダンスを扱うことは、意識を扱うことであり、無意識を扱うことでもある。ただ、認知モデルでは、その無意識の過程も含めて人工知能として扱う場合が多いです。 RT @araiysnr
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
通常は無意識を含めて、認知モデルとして構築します。その線引きはあまりこだわらないですね。慣習として。 RT @araiysnr 無意識の認知というのもあるので、意識のモデルは認知モデルに包含される一つということでよいでしょうか?もし認知を分かりやすく意識とされたのであれば...
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
ただ、いろいろな認知モデルを、意識、無意識で切ってみると、面白いことが見えて来ます。表象の階層が現れています。 @araiysnr
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
様々な世界で、様々な意識が形成されている。都市や家に住まう我々から、森の奥に潜む動物たち、土の中の動物から、空を飛ぶ鳥たち。おそらく、人間の中でさえ、国が違えば世界の構築の仕方は違う。意識の差異を認めるところに、知性の豊かさを見る眼が養われる。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
エヴァンゲリオンTV版はあれは意識の形成の話だった。あの世界では個人と世界の境界に張られた意識のスフィア(境界面)を巡って衝突したり崩壊したり融合したり様々な相互作用が描かれた。苦しみや度を越した平安もその境界のあやふやさから生じる。そういった境界のことをATフィールドと呼んだ。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
BDI Architecture B= Belief D=Desire I= Intention @araiysnr
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
意識は様々な階層を持っている。我々はどの層でコミュニケーションしているのか?それは間主観性(inter-subjectivity)の問題でもある。あるいは自己経験の情報は眠りの中で各階層の変化として固定されて行く。階層を縦断するがゆえに、その運動は時々意識層を刺激して夢となる。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
我々の意識がその根底からどのように形成されているかを考える。あなたが眠りからゆっくりと意識を取り戻すとき、そこにどんな過程があるかを考える。すると、ゲームの中で作られるキャラクターたちが、どんな意識を持っているか、持たせるべきかに関心を持つようになる。すると、人工知能に興味を持つ
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
エヴァンゲリオン旧劇場版のLCL は、いわば無意識の海だった。個としての意識の境界が破られて、無意識の中で一つになることが、補完計画だった。そこでは、強く個として自我を形成する力が抑制されていた。もし、そこで、一つの意識が形成されるなら、あらゆる他者を産み出すことが出来る。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
意識は常に何者かについての意識である、というテーゼがある。木を見るとき、あなたは、木というものについての意識を形成するのだと。意識を形成する主体を意識する自意識を除いては、意識とは鏡のように世界を吸い込んだ何者かであり、逆にそこで見えないのは自分自身の意識である。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
意識の深さは、人間が認識する世界の深さであり、意識の拡大は、この世界で目覚めて行くことでもある。産まれてから何十年もかけて大いなる眠りから、ゆっくりと目覚めて行くということが、人間の精神の偉大さであり、あらゆる体験が、意識に多様性と広がりを与えて行く。そういうふうに、できている。
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
渦というものを考えてみる。渦の原料は周囲から吸い込んだ媒体の粒子である。しかし渦の正体は媒体ではない。渦の中心は吸い込み放出するその運動体のことである。存在とは、知性とは、そういうものである。知性は情報ではない。しかし、情報を吸い込み放出する運動体である。そこに知性のモデルがある
三宅陽一郎MiyakeYouichiro @miyayou
我々の世界の認識を形成するのは実に我々の身体である。身体の持つ様々な機能=人間がこの世界にどう住みついているか、ということ、それが、意識と世界の境界面で意味を生成する。女性が女性なのは、我々が男性だからであり、空間の広がりは身体が移動可能であることに起因する。
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コメント

あおざき @MxAxY 2011年1月6日
これすっごい面白い。何度でも読みたくなる
ワグナス! @dustpaper 2011年1月6日
現在の人工知能において決定的に足りないのはホルモンの存在。生物の思考、感情、認知は、ホルモンバランスに左右されてしまう
S.Ishikawa @isihya 2011年1月6日
無意識がデータ化したらネット経由での意識ハッキングとか怖そうですね・・・ アンドロイドの人権とか、法律関連でもやるべき課題は多そう・・
籠原スナヲ @suna_kago 2011年1月7日
とても興味深く読んだ。ここでのシニフィアン・シニフィエは、ラカン理論のそれとは異なった用いられ方をしているのだろう。ラカンは無意識こそシニフィアン(音声、文字)の束だと言っていた。
籠原スナヲ @suna_kago 2011年1月7日
怖い想像。人工知能を人間に近づけて利用するより、人間を人工知能に近づけて操作する方が、てっとり早いのかもしれない。政治的にはその方が都合がよく、何より今まさにそれが行なわれている。
シミヅ(鎌田) @shimiz_mckendiz 2011年1月8日
アフォーダンス側からの観点では、知能側の意識/無意識って相対的な差異だと思うけど。>「「意識、認知モデル、人工知能」について」