【三題噺 #話咲 】午前0時、ためらい、太陽
どなたか、暇なときにでも。 二つ目と三つ目のお題をよろしくお願いします。 (3つのお題のキーワードから、短いお話をつくります。) ひとつめは、太陽 #話咲
2015-08-18 10:33:59#話咲 目が覚めた。布団に入ったまま時計を見る。ややや、まだ午前0時?夜中じゃないか。空を見上げると、月と目が合った。 そして、彼女はためらいがちに光りながらこう言った。 「ごめんなさいね、太陽さん。あなたはもう少し寝ていてちょうだいね。」 やれやれ、もう一眠りするとしよう。
2015-08-18 18:44:37#話咲 午前0時、太陽が姿を現した。午前が昼、午後が夜、折り目正しく12時間で入れ替わる暮らしに、僕はまだ慣れない。「君の故郷では、午前0時は夜なのかい」「地軸が傾いていたからね。季節というものもあった」地球を離れることにためらいはなかったはずなのに、懐かしく思う日が来るなんて。
2015-08-19 12:10:270時の鐘なのに12回鳴るんだな。医師が躊躇いがちに祖父の死を告げたとき、僕はそんなことを考えていた。時計の鐘が別れを報せるなんて童謡のようで、太陽のように生きたいと語っていた詩的な祖父らしい最期に思えた。熱を失いゆく身体は日没を思わせた。 #話咲 『午前0時、ためらい、太陽』
2015-08-19 12:42:23時計が深夜0時を告げた。ためらいがちにカーテンを開けると、満月の中にちらりと黒い太陽が見えた。大地の底の一番深いところを今、太陽が朝の蘇りに向けて進んでいる。その姿が満月に一瞬だけ映る様になってどれ位たっただろう。いまこの世界は平らかだ。 #話咲 『午前0時、ためらい、太陽』
2015-08-19 12:55:28午前0時と同時にスタートダッシュ!一瞬のためらいが敗北につながる。待機していたボタンを0時と同時にクリック!出遅れたら完売してしまう!早すぎればフライングで予約成立しない。必死すぎるって?そんなこと言わないで。彼は私の太陽なのよ! #話咲 『午前0時、ためらい、太陽』
2015-08-19 13:02:03リンク先の動画素晴らしい。フライバイする探査機から見た冥王星と衛星カロン。「これより本探査機は太陽系を離れ外宇宙へと旅立ちます…」rt.com/news/312762-pl…
2015-08-19 13:14:00探査機は重力井戸の底へ突入、超加速する。衛星カロンが恐るべき速度ですれ違い小さくなる。午前0時、探査機は冥王星を後にしつつあった。マシンにためらいはない。太陽を遥か後ろに残し、外宇宙への旅が始まる。 #話咲 『午前0時、ためらい、太陽』rt.com/news/312762-pl…
2015-08-19 13:21:59午前0時、なんとも不思議な時間だ 昨日と今日と、今日と明日とが入り混じり、三つの日が我こそはと太陽が陽炎を生み出すように入り乱れる ああ、だが何も知らない我々は、この瞬間をこそ今日とためらいもなく言い放つ 昨日と明日とを置き去りにして #話咲
2015-08-21 00:26:19私はずっと、裏側の国にいる。太陽はいつも背中を向けているから、ここはいつでも暗いまま。午前0時に打つ鐘の音は、時の流れに押し戻されて、いつまでもいつまでも、鈍く耳の奥で鳴り続けてる。(1/2) #話咲
2015-08-21 04:24:23左回りの回転扉、逆には回るはずがない。試してみたいと思っても、私はためらい続けてる。もし回ってしまったら?私の世界は逆転して、ここから弾き出されるだろか。私はここを、失うのだろか。(2/2) #話咲
2015-08-21 04:25:56