映画『ルンタ』とチベットの焼身抗議

ガソリンを飲みかぶり文字どおり我が身を火にして何かに捧げる、焼身抗議は衝撃的であり、少し解説を聞いてもなかなか納得できない。 ぐずぐず書いてみた。
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野原燐 @noharra

映画ルンタ見た。中原一博さんと監督池谷薫さんの対談も聞いた。感想を書きたいがうまく書けない。中原一博さんはブロクチベットNOW@ルンタで、「焼身抗議者」の情報を発信続けていた方だ。 blog.livedoor.jp/rftibet/archiv…

2015-08-23 22:28:14
野原燐 @noharra

それらはネット本「太陽を取り戻すために チベットの焼身抗議」 blog.livedoor.jp/rftibet/archiv… にまとめられ、だいぶ前から私のタブレットに入っている。173頁の本だが半分くらいまでいったところで止まったままだ。  @noharra

2015-08-23 22:28:43
野原燐 @noharra

2009年2月27日にアムドの某所で死んだ25歳の僧侶カペー。市場近くの大通りで突然、チベットの国旗である雪山獅子旗とダライ・ラマ法王の写真を掲げ、灯油を掛けた袈裟に火をつけ、叫び声をあげながら駈け出した。と書かれる。 @noharra

2015-08-23 22:29:00
野原燐 @noharra

それ以後、124番、2013年7月20日クンチョク・ソナム アムド 18歳僧侶、「早朝の法要が終わった後、僧院近くの路上傍で焼身、その場で死亡した」まで、「焼身抗議者」の情報ができるかぎり集められた本だ。 @noharra

2015-08-23 22:29:30
野原燐 @noharra

チベットではチベット人、文化、なかでも宗教に対する抑圧が強く、デモをすれば発砲、逮捕投獄され、デモもできない情況が続く。だからといって「焼身抗議」がこのようにも多量に続くことは、日本人にはなかなか理解しがたい。 @noharra

2015-08-23 22:30:37
野原燐 @noharra

チベット寺院の建築と仏教に興味を持った青年が、ダライ・ラマの亡命地、インド・ダラムサラに行き住み着いてしまい、その後最近になって多くのチベット人が文字通り身を殺して訴えようとしたものを、受け止め、われわれ他の日本人に伝えようとした。 @noharra

2015-08-23 22:31:12
野原燐 @noharra

それについての映画だ、ということもできる。監督は中原さんと一緒にチベットに行く。彼らがまさに焼身したその場所に立つがそこは何もなかったかのようにチベット人の日常生活が営まれているだけだ。 @noharra

2015-08-23 22:31:30
野原燐 @noharra

映画はチベットの雄大な草原とそこに生きる人々を映し出す。そしてちゃちな針金の柵が大草原を区切っているのを発見する。移動が生活である遊牧民の生活を真っ向から変えようとしてくる国家の近代化政策。焼身の背後にあるこの高原を写しだしたのがこの映画のすばらしい所だ。 @noharra

2015-08-23 22:31:53
野原燐 @noharra

補足情報:映画ルンタの為に、ダラムサラに住む亡命チベット人4人にインタビューをした。映画では一部しか紹介されないそのインタビューの全文が、下記以下で紹介されているので、これから読もうと思っている。 blog.livedoor.jp/rftibet/archiv… @noharra

2015-08-23 22:37:30
野原燐 @noharra

中原氏の対談で、チベット文化からのメッセージとして「慈悲」をあげられた。それは別にダライラマや仏教の専売ではなく、キリスト教の愛でも神道でも同じだろうというのだ。難しい哲学書など読む私なども、ありふれた言葉だという理由で、考えたこともなかった。その機会を得た。 @noharra

2015-08-23 22:42:27
野原燐 @noharra

慈悲の立場から、安倍の安保法制に反対するといった意志を池谷氏は持っておられるようだ。国家単位の平和理論を大衆に分かりやすく説くだけで良いのか。チベット人のように追いつめられてもなお、敵を殺すという選択肢を取らない思想がある。平和思想としても真剣に検討すべきだろう。@noharra

2015-08-23 22:52:44
野原燐 @noharra

@noharra 中国という国家と敵対しなければならないとしても、そのために最新鋭の武器をたくさん買い整え、強大な軍隊を予め用意しておかなければいけないという考え方を、ダライラマは取らない。そうした思想の徹底性には学ぶべき点がある。

2015-08-24 18:32:09
野原燐 @noharra

@noharra 一方、私達は、特攻や集団自決など、国家や宗教などの共同幻想に自己存在をすべて預けてしまって、死にむかって飛び込むといった体験をかって持った。それを全否定することから戦後は始まった。だからチベットの焼身抗議を否定しないためには、ここでよく考えなければならない。

2015-08-24 18:36:20
野原燐 @noharra

@noharra 国家や共同幻想からの強制(あいまいであっても)による特攻や焼身は全否定すべきと考える。中原さんの報告によると、焼身抗議者は煽られてとか誘われてとかの非自発的なひとは全く居らず、いずれも深く自分に問いかけた後に行っているようだ。

2015-08-24 19:29:20
野原燐 @noharra

@noharra 彼らはチベット語教育やチベット文化の尊重など「自治の尊重」という建前にそった要求をしただけであり、政治的に正当な要求だ。何も不可解な共同体の理念に殉じたわけではない。それを良しとする社会の空気はあったかもしれないが、それに沿ったらいけないとまでは言えないだろう。

2015-08-24 19:34:05
野原燐 @noharra

@noharra ただ日本人のぬるい自己肯定みたいな感覚に対して違和感を与える行為だということになるかもしれない。違和感に過ぎないものを理屈に仕立てあげ、必死に生きた(死んた)他者をけなすべきではない。

2015-08-24 19:36:17
野原燐 @noharra

@noharra 焼身の是非「ダライ・ラマ法王は「全ては焼身者の動機による」と答える。つまり、その焼身者の動機が利他的なものであり、かつ焼身の行為を行うときに、その人の心が怒りなどの否定的な感情に支配されていなかったとすれば、その行為は善なるものとして肯定されるものであるという。

2015-08-25 19:44:44
野原燐 @noharra

中原一博『太陽を取り戻すために』pdf版p301 docs.google.com/file/d/0B6cmrk… 「動機」の重視というのは興味深い。ただ私の特攻批判などの発想から言うと、心のあり様が日本のような小さくない国家の方向性に取り込まれている時は、利他的でもダメと思う。 @noharra

2015-08-25 19:52:58
野原燐 @noharra

とにかく、百人を越える焼身抗議者の群れという現象は、知ろうとして関連情報を読んだりすると余計に、強度を増し、分からないが気になるものになる。#映画ルンタ を見て、戸惑われた方はぜひ、映画『ルンタ』補足編等blog.livedoor.jp/rftibet/archiv… を読んで欲しい@noharra

2015-08-25 20:09:24
野原燐 @noharra

それとこれは並大抵の勢いでは読み通せないと思うが、『太陽を取り戻す』も。 docs.google.com/file/d/0B6cmrk… @noharra

2015-08-25 21:06:38
野原燐 @noharra

池谷薫監督の映画『ルンタ』を見た。lung-ta.net これについていくつもツイートしたが、もうひとつなのでもう少し書いてみる。短く的確にツイート出来ずに申し訳ない。評している書き手が問われるテーマであることも確か。 @noharra

2015-08-27 10:15:52
野原燐 @noharra

焼身抗議者には、二つの方向での理解が可能だ。チベット人、チベット文化、宗教に対する中国当局の苛烈な抑圧・弾圧への抗議という理解。他方で、他者を否定せず慈悲を実践し転生を信じるチベット仏教の特異性という理解。 @noharra

2015-08-27 10:16:23
野原燐 @noharra

その背後にはさらに一つの社会問題がある。つまり千年以上同じ生活文化を守り続けてきた遊牧民の生活を崩壊させる、近代化・資本主義化の波。 イギリスでは16世紀と18世紀の二回「囲い込み」が起こり資本主義を準備していったと語られる。 @noharra

2015-08-27 10:16:46
野原燐 @noharra

朝鮮では「東洋拓殖株式会社」が旧朝鮮王室財産を総督府から払い下げを受けたとされる。しかしそのとき「土地を独占的排他的に占使用する権利としての所有権」が住民にとっては初めて自己を排除するものとして存在していると知らされ、住民の今までの生活は破壊されることになる。@noharra

2015-08-27 10:17:17
野原燐 @noharra

チベットでも事情は概ね同じであり、今まで誰も考えたことがない、大草原に境界線を引くということが、大胆にも実行される。遊牧民は定住を強制されることもある。そうして伝統的な生き方はできなくなる。これは資本主義でも同じかもしれないが、中国の場合は責任の所在は国家になる。@noharra

2015-08-27 10:18:03