2015年8月28日

ウォルター・リップマン『世論』読書メモ集

ウォルター・リップマン『世論』(岩波文庫、上下巻、掛川トミ子訳、1987)の読書メモをまとめました。Walter Liooman, Public Opinion, 1922.
荒木優太 @arishima_takeo

「思考という耐え難い重荷」は、状況が思考を重荷にいているから重荷なのである。しかし、本来、考えるということはダンスをするのと同じように心浮き立つものであり、それと同じように自然なことであるはずだ。byリップマン『世論』第二部第五章

2015-08-25 13:19:39
荒木優太 @arishima_takeo

考えることを仕事としている人なら、一日の何ほどかは自分の周囲に静寂の時間を作り出さなければならぬことを知らない人はいない。byリップマン『世論』第二部第五章

2015-08-25 13:20:43
荒木優太 @arishima_takeo

われわれは、この人間、あの日没、というように個々別々のものを見ることをしない。これが人間というものである、これが日没というものであると認めてしまった上で、そうした主題についてわれわれの頭にすでにいっぱい入っているものをもっぱら見ることになる。byリップマン『世論』第三部第六章

2015-08-25 13:23:23
荒木優太 @arishima_takeo

リップマン『世論』上巻読了。「ステレオタイプ」概念の提唱者。というか、STってほとんど「期待の地平」(ヤウス)と同じような概念だな。人間は直接環境に対峙できるわけではなく、頭のなかのイメージで上書きされた「擬似環境」を介して環境に位置する。その固定イメージこそがSTである、と。

2015-08-25 13:29:39
荒木優太 @arishima_takeo

しかし、「擬似環境」の考え方って、実は伝統的というか、カントの物自体の認識不可能性とかハイデガーの世界内存在とか、環境問題は社会問題だ的話(ルーマン?)とか、広い意味での擬似環境論として読めるものって結構ある気がするな。あと、リップマンはジェイムズが好き、メモ。

2015-08-25 13:33:41
荒木優太 @arishima_takeo

政治論に結びの章はない。政治論の主人公の前方には、その背後に記されてきた歴史よりさらに長い未来が続いているからだ。byリップマン『世論』第八部第二八章

2015-08-28 14:37:13
荒木優太 @arishima_takeo

「彼はこうして大見得を切ると、すばやく理性の道具、言葉をとりまとめて、アカデメイアのなかへ姿を消した。そして世界をマキアヴェッリにゆだねたのである」(リップマン『世論』)。カ、カッケー…(プラトンのことね)。

2015-08-28 14:39:35
荒木優太 @arishima_takeo

リップマン『世論』下巻読了。後半戦は主に民主主義論。パブリックの問題に絞ればタルド『世論と群集』の方が面白いような、というかタルド面白い。それにしても、民主主義者たちは二つの前提、自己充足的な個人と「大霊」の存在を前提にしている、という指摘は今でも結構通用する気がする。

2015-08-28 14:49:38
荒木優太 @arishima_takeo

利害関心を括弧がけして自分で考える「自己充足的な個人」はよく学者連から提起されるが、「大霊」の方はしばしば忘れ去られる。しかし、それは今でも、専門家やエリートや一般意志2.0という形で甦る。民主主義という不安定な制度を調和に導く予定調和の隠れ論理をみんなで信じること、この安定性。

2015-08-28 14:58:10
荒木優太 @arishima_takeo

あと「一職業、一大産業、一地域、一国歌の職能(機能)は、一つの観念ではあるが、一つの経験ではない」とい指摘も重要だと思う。経験するのは代表者の経験で、メディアの介在なしに、組織された集団性をダイレクトに経験することはできない。それは想像され、創作され、教えられ、信じられるもの。

2015-08-28 15:01:22

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