「お母さんのご飯=家父長制=安倍政権的」と決めつけているフェミの皆さん、子どもを傷つけていることに気づいてください
- yukainaparis
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(略)
しかしながら、最後のスピーチにははっきり言ってちょっと引いた。国会議員や高橋哲哉先生、また関西のSADLの人のスピーチなどの最後にSEALDSの女性のスピーチがあったのだが、この「安倍首相への手紙」というスピーチはかなり稚拙なものだったと思う。私が一番「これは全然ダメだ…」と思ったのは、「帰ったらご飯をつくって待ってくれているお母さん」がいることを平和な世界の象徴として訴えていたところである。これは自分の経験に基づいているのだろうが、全体的にものすごく家庭を守る母(「両親」ではない)とその子どもというイメージに依拠しており、はっきり言ってこのスピーチで提示されている「平和な家族像」というのはむしろ首相とその一派が推し進めているものに近い、母親が家にいて子どもを育て、家事や炊事をするという保守的・伝統的な性役割に基づいた家族モデルへのノスタルジーだと思った。首相への手紙という形式なので、わざと首相が喜びそうな家庭モデルを持ってきているのか、それともあまり何も考えないで経験を書いているのかはわからないのだが、こういう安倍的家庭観を前面に出して「安倍を倒せ」とか、全然コンセプトが通ってなくてスピーチとしては稚拙にすぎると思うし、女性性とか母性がしばしば政治活動でプロパガンダに利用されることを経験してイヤになっているほうからすると聞いていて本当にうんざりする。
私はけっこう、デモに行く前はSEALDSの人たちではなくその周りで「美人もたくさん参加してる」ことを売りのように言う人たちに問題があり、学生は若いからそういうことがよくわからなくても仕方がないだろうと思っていたのだが、このスピーチを聞くと、人目を引くことを目的に安易に「女性性」をアピールしてしまう土壌はSEALDSのほうにもあるんじゃないかと疑ってしまった。まあ、これは私の考えで、実際にそうなるとしてもまだまだ遠い先の話だろうが、たぶんSEALDSを組織してるような学生から将来、国会や地方自治体の議員なども出ることもあると思うので(『グローリー』や『パレードへようこそ』なんかでも描かれているし、日本でもそういう事例はあるが、市民運動は未来の政治家を育てる学校である)、もっと性差別とかスピーチのコンセプトの重要性とか、そういうことを今のうちに学んでほしいと思う。私は来週の金曜日は学者の会に行く予定で、この時は学生と一緒に行動するらしいので、そのへん誰かと意見交換できたらいいのだが…
「お母さんがご飯を用意してくれている幸せ」発言への違和感を表明した女性が叩かれたとか。発言した本人にとってはかけがえのない平和の実感だろう。だが「(毎日)ご飯をつくって待ってくれているお母さん」の立場ならどうだろうか。そういう想像力も必要では。
2015-08-25 21:44:54SEALDsの女子学生が、ふぇみんのインタビューで「同じことを言っても女へのバッシングがすさまじい」と言っていた。「家父長制なんて死んだと思ってたのに」と。彼女の指摘は「些事」ではない。
2015-08-25 22:44:11