国会議事堂前の『敗北主義』

【参考】国会議事堂前の『敗北主義』-最後に笑うものが最もよく笑う・・戦後左翼史のなかの市民ナショナリズム http://masterlow.net/?p=2060
58
清義明 @masterlow

国会前で今日みたいなデモが行われて、それを主導する人達が「新しい」という話になっているみたいだが、それは新しくもなんともなくて、実は非常に古い。よく引き合いに出されているのが60年安保になっているみたいだが、どちらかというと65年以降の無党派によるベ平連のスタイルの方がより近い。

2015-08-31 03:34:11
清義明 @masterlow

読み解く鍵は、国家と民主主義を肯定するかしないか。60年安保はどちらかという議会主義肯定の市民ナショナリズムが結集して起きたもの。ただしその中には必ずしも議会主義肯定ではない、いわゆる「新左翼」が主導していたことは間違いないが、まだその主張は全面的なものではない

2015-08-31 03:39:23
清義明 @masterlow

いわゆる「新左翼」とは何なのかといえば、それは議会制民主主義を基本的には信じない立場の人達。革命によって世の中を変革しようという立場。これは1955年に共産党が暴力革命をいったん放棄し、議会制民主主義の中でやろうという方針に逆らった人達がつくった流れ。

2015-08-31 03:42:32
清義明 @masterlow

1955年体制というのは、自民党と社会党の保革二大政党の時代とざっくり言えるけれど、忘れてはならないのは、共産党が議会制民主主義の中でやっていくと決断したことと、それを不満とした人達が新左翼として独立して活動を開始したこと。こっちの方も重要。

2015-08-31 03:45:31
清義明 @masterlow

新左翼は議会制民主主義を基本的には信用しない。それとさらに重要なのは、社会主義というのは一国で成り立つものではないというインターナショナリズムを強くもっていたこと。国家と民主主義を否定するというラインで、まず新左翼とそれ以外は真っ二つにわかれる。

2015-08-31 03:47:21
清義明 @masterlow

ところがこの新左翼運動は全く妄想としか言いようがない武装蜂起や国際的な連帯を目指して自滅する。現在細々と生き残っているのは反ソ反米反日のトロッキズムの人達の末裔。すなわち中核派や革マル派など。70-80年代に100人以上のヤクザの抗争顔負けの死者数を出して、彼らは手打ち。

2015-08-31 03:50:28
清義明 @masterlow

中核はもともと市民主義だったから、その後様々な「平和」の名前を唱えたフロント団体をつくりながら生き残っている。革マルは労組加入戦術でまだ組織として無視できない勢力がある(はず)。その他のトロッキズム系もしかり。窮民革命論を唱えて各種の民族団体にも入り込みながら現在も活躍中

2015-08-31 03:52:41
清義明 @masterlow

この国家と民主主義を必ずしも信奉せず、かつ国際連帯主義で行くという流れは、新左翼運動とは別に、後にアウトノミアという運動にも続いていく。90年代から00年代にかけて、若い連中が新左翼や左派政党に頼らずに活動していった流れはほぼここに帰着する。高円寺にいるような左派はだいたいコレ。

2015-08-31 03:56:11
清義明 @masterlow

共産党の議会制民主主義を批判して活動した新左翼だが、もちろん暴力革命を本気で考えて地下活動したような人はごく一部。むしろ党派に属さず、人生を全て捧げるようなことはしなかった人たちが、大多数。これがむしろ70-90年代かけて世論をつくっていった。

2015-08-31 03:59:27
清義明 @masterlow

左翼の理論だと、数を集めて本気で革命するようなのを「遊撃戦」という。そして自分たちの持ち場で自分たちのできる範囲の戦いをすることを「陣地戦」という。ようするに新左翼の理念は、一部は破滅したが、大勢の無党派によって議会制民主主義を微妙に肯定しながら陣地戦を展開した。

2015-08-31 04:02:22
清義明 @masterlow

日本のリベラルは、この陣地戦を展開した新左翼の流れがやはり一番大きい。これがまるで落ち延びたスターウォーズのジェダイのようにそこらかしこにいるというのが現在の左派の状況。

2015-08-31 04:05:42
清義明 @masterlow

一方で、60年安保の一部の新左翼をのぞいた、議会制民主主義を肯定しながら平和主義でいくという流れは、無党派によってつくられたベ平連がもっとも体現したもの。人的にも思想的にもかぶっている部分は多いが、ここの思想は新左翼とは一線を画している。

2015-08-31 04:08:38
清義明 @masterlow

新左翼によって攻撃され、そのイデオローグとしての地位を引き摺り下ろされた丸山眞男は、基本的に国家主義者だった。日本は市民主義が成立しなかったので戦争に突入して敗戦したという主張で、まずは市民主義に基づいたうえでの反安保だった。彼はむやみなコスモポリタニズムを否定した。

2015-08-31 04:11:21
清義明 @masterlow

シーなんとかという人達が、推薦図書としてその丸山眞男をあげていたのが自分には大変興味深かった。そのとおり、現在の国会前は、無党派市民層による議会制民主主義肯定の運動だ。むやみに国家主義には寄っていないのもポイントで、それを合わせて考えると一番近いのはベ平連となるわけだ。

2015-08-31 04:14:41
清義明 @masterlow

シーなんとかや国会前の状況を指して、あたかも新左翼的なものと同一視するのは間違っている。また同時に、これが新しいスタイルの運動というのも間違っている。これは古いタイプの市民主義運動である。60年代から新左翼の国家否定と暴力革命を除くとこういうものになる。

2015-08-31 04:17:15
清義明 @masterlow

そしてこれは55年以降の日本共産党の考え方とほぼ同じ。実際思想も人員もかぶっているはず。これは間違いないかと思われる。ここに陣地戦をし続けている左派リベラルが合流しているというのが流れ。おおっぴらに国家を肯定しないけれど否定もしない。

2015-08-31 04:20:18
清義明 @masterlow

よって、いわゆる新左翼やその末裔といえる高円寺系アウトノミアは、むしろ運動として新しい方。国家を否定もしないし肯定もしない、裏返しに追認されたナショナリズムをもつのは古いスタイルで、それが現在の国会前。

2015-08-31 04:22:25
清義明 @masterlow

以上を前提としながら敷衍する。

2015-08-31 04:23:42
清義明 @masterlow

デモというのは議会制民主主義の中では基本的に「敗北主義」である。敗北主義というのは、最初から負けとわかって、それでもやらねばならない時はやるという態度のこと。

2015-08-31 04:25:06
清義明 @masterlow

安保法案はこのまま可決されるでしょう。間違いありません。そしてそれを国会前の数万人は皆知っているはずです。それでもやるというのは敗北主義です。そして敗北主義というのは、負け方が重要なのです。

2015-08-31 04:27:12
清義明 @masterlow

ここで負けても実は最後には勝っている・・・それを目指すのが敗北主義です。議会制民主主義を肯定するならばそれは当たり前の態度です。よって負け方が次につながらないといかようにもならない。

2015-08-31 04:28:52
清義明 @masterlow

60-70年代の新左翼の前衛主義(少数派でも正しいことを言っている自分たちが正しく、わからない人たちを先導していくという考え方)は大失敗しました。だが、陣地戦に入り、自分の生活範囲内で地道に活動してきた無党派は確実にリベラルとして存在し、勢力として今でもあります。

2015-08-31 04:31:25
清義明 @masterlow

現政権を指して「ファシズム」という人がいる。自分は必ずしもそうは思いませんが、実際にそうだったとしましょう。そうすると、まだマルクス・レーニン主義の革命フェティシズムに染まっている人は、政権を倒せという。国家は一部の人に支配されていると思いこんでいるからです。

2015-08-31 04:37:33
清義明 @masterlow

ファシズムというのは一部の人が大多数を支配するようなものではないのです。議会制民主主義の果てにファシズムがあります。リベラリズムの結論が18世紀にはナショナリズムで、それをさらに突き詰めたのがファシズムです。ファシズムの正体とはそこいらにいるオッサンオバサン有権者のことです

2015-08-31 04:39:31
清義明 @masterlow

このオッサンオバサンの有権者が彼らの言う「ファシズム」の正体です。リベラリズムや市民主義は良い方向にも悪い方向にも、どちらにでも転びます。問題はこれを悪い方向に転ばせないことです。皆、良かれと思った方向を選んで悪い方向に向かうのが世の常です。

2015-08-31 04:42:49
残りを読む(8)

コメント

西野 司@お仕事受付中 @tsukasanishino 2015年9月1日
こういうツイートを読んで今は主催連中は負け方に拘ってるのかなとか思ってる、「僅かに届かなかった」「政府は聞こうともしなかった」と適当な言い訳しても仲間内から突き上げを喰らわない程度の。前は主張が破綻していたせいで「勝つまでやめないぞ」などという子供じみた意地で続けてるのを老獪なプロ市民組織に政治利用されてるな程度にしか思っていなかったのだが。
3
ゴマすりクソバード@自由人 @animefigure3d 2015年9月1日
そこまで考えてデモをしているなら、ある意味安心なのだが、どう見ても何も考えずに感情だけで行動しているようにしか見えない。そういう人々にとって、この先に待っている「敗北」は議会主義の否定と先鋭化をもたらすのではないかと懸念している。
13
羽倉田 @wakurata 2015年9月1日
恐る恐る様子を見てた野党が歩み寄って来たのは其れなりの成果だと思う。最初から手を貸して居たらもう少しまともな言動だったかもしれないけど
0
時計じかけのミカン @mkn_inv 2015年9月1日
教職員や労組は、いじめに苦しむ生徒や困窮する労働者を救うよりも安保反対を叫ぶ方を選ぶ。彼らは「強大な安倍政権という現実と戦っている」つもりなんだろうが、本質は現実逃避だと思うね。ファンタジーとしての平和や人権と現実とが折り合ってない人達って言うか。
5
ぷーさん @naniwanopoohsan 2015年9月1日
昔の60年70年安保反対運動を知らない人にお勧め。でも、少し他からの予備知識は必要かな?
4
未知神明(みちがみ・あきら) @ontheroadx 2015年9月1日
残念ながら「トロッキズム」と言ってるところで実際にそういう言葉を現場で使ったことがないのがわかってしまいます。トロッキーじゃなくてトロツキーなんです。
1
プレッパーはやし @PKer_hayashi 2015年9月1日
毛沢東主義がすっぽり抜け落ちてるのが気になる。革マル、日共、中共、北朝鮮もソ連崩壊後はかつての毛沢東主義的な「反米愛国」になってると思うけどな。
1
娑婆助 @shabasuke 2015年9月1日
mkn_inv 彼らが騒ぐ事で安倍政権の支持率はかえって上がるし彼らがどこを支持して何に反対するかで物事を計れるからただのリトマス試験紙になってますね。安倍晋三は支持率ブーストかけてくれるかけがえのないパートナーくらいに思ってるだろうねw彼らが騒いでる間は枕を高くして寝れるわけで。
1
娑婆助 @shabasuke 2015年9月1日
naniwanopoohsan 宮崎学の自伝突破者あたりを読んでおけばいいんじゃないかね。一編として学生運動の話が出てきて当時の学生がどういう事してたかが詳しく書かれている。WEBだとマル共連という素敵なデータベースがあったのだが現在は見る事が出来ないので紹介出来ない残念。
1
にっかつ (シャウエッセン推し) @nikkatsu 2015年9月2日
日曜日に国会議事堂に居た人がこれを読んで何を感じるか知りたい。
1
だりい @dariidariidarii 2016年4月16日
この部分が全てだな→「ファシズムの正体とはそこいらにいるオッサンオバサン有権者のことです。」 そして、その中に自分は含まれない。と言外に主張する上から目線の選民主義の醜悪さ。選ばれたエリートが無知蒙昧な大衆を導いて既存社会を破壊し、理想社会を建築するという思想はすでに否定されたと言う事に気づきなさいよ、と。真に改革すべきは自分の方じゃないの?
0