米魂企画「SF小説の文章技法」準備から感想まで
- miya_fox_may
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鳥取県米子市で開催される今年の日本SF大会『米魂(こめこん)』、ホスト・オブ・オナーの飛浩隆さんと一緒に「SF小説の文章技法」パネルを仰せつかっております。そんな大それたものを語る資格がお前にあるのか、と一日三回自問しています。 comecon.jp/ja/program/sub…
2015-08-05 11:40:54@TakeOxi オイラは、1)「大風呂敷と蜘蛛の糸」2)「カロリーマン」3)「紙の動物園」を予定中。1)では磨き上げた文章(運び)の凄み、2)では小説におけるねじまきエネルギーの活用、3)はプロットの検分をやってみようかな。3)はやりながら涙ぐんじゃうかも。ま、予定は未定で。
2015-08-05 17:43:55@Anna_Kaski 「大風呂敷と蜘蛛の糸」!! それだけでもう楽しみなのですが(純粋に観客になりたい)。何も打ち合わせできてなくてすみません。
2015-08-05 19:41:00@Anna_Kaski 私は酉島伝法さん「洞の街」と倉田タカシさん「トーキョーを食べて育った」を取り上げさせていただこうかと。前者は作中の世界認識へと、読者が持っている世界認識をどう書き換えていくのかのプロセス。後者はとある視点距離の不在によって埋め込まれている断絶の構図。
2015-08-05 19:42:02米魂企画のためにバチガルピ「カロリーマン」を読み返して、その質と志の高さに茫然としている。いやあ凄いなあ。(というか今まで俺が読めてなかっただけや。)。
2015-08-13 22:35:32いままでやった文庫解説の仕事でも痛感したけど、人の作品をしっかり再読するのは、ほんっと勉強になるなあ。それにつけても自分のいたらなさよ。「紙の動物園」も、おかげで傑作であることが心底納得できました。
2015-08-13 22:44:32米魂の「文章技法」企画用レジュメ、とりあえず「カロリーマン」ができました(2週間くらい掛かった)。この小説における「川」の役割を多角的に読んでみます。オキシさんのレジュメ案が凄かったので負けちゃいられぬ。あしたは「大風呂敷と蜘蛛の糸」を作業しよう。→
2015-08-22 17:49:16(承前)SF小説で現象や構造物を描写する技法のいろいろを野尻小説から学びます。そして時間が余ったときのために『ラギッド・ガール』からも数ヶ所ご用意するつもり。言うまでもありませんが、完全ネタバレで行きますので、未読の皆さん予習をよろしく(本を持参することをオススメ)。
2015-08-22 17:53:55「大風呂敷と蜘蛛の糸」レジュメから一部をご紹介。「Act1. には舌を巻くほどたくみな比喩がいくつかありますが、飛がもっとも巧妙と思う比喩はどれだと思いますか。推理してみてください。そして、その理由も」
2015-08-23 11:36:44【米魂】「SF小説の文章技法」。現在予定しておりますのは、野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」(『沈黙のフライバイ』ハヤカワ文庫JA)、パオロ・バチガルピ「カロリーマン」(『第六ポンプ』ハヤカワ文庫SF)を飛浩隆が、(続)
2015-08-27 06:26:54【米魂】、酉島伝法「洞の街」(『皆勤の徒』創元SF文庫)、倉田タカシ「トーキョーを食べて育った」(大森望編『NOVA10』河出文庫)をオキシタケヒコさんがプレゼンします。 来場予定の方はぜひ元本をあらかじめお読みください。(以上、乞RT)
2015-08-27 06:31:11【米魂】(レジュメから)「カロリーマン」のジオグラフィ この時間は、パオロ・バチガルピ「カロリーマン」を、「川」がどのようなはたらきをしているかに留意しながら、読んでみます。 ミシシッピ川は、このテーマを描く上でほかに候補を求めようもない、唯一無二の舞台背景です。
2015-08-27 06:44:36(続)その上で、 1)プロットの心柱であり、 2)登場人物の情感や隠れたテーマを幾重にもかぶせることによって小説全体を体現するシンボルでもあり、 3)さらには小説内ガジェットと組み合わせることで、読者の身体感覚や感情を無意識レベルで支配する装置としても機能しています。
2015-08-27 06:45:15(続)ミシシッピ川という厚みのあるモチーフを使った上にこうした技術を動員することで、本作は軽量コンパクトな形状のなかに世界規模の設定と、人類史の転換点を盛り込むことに成功しています。
2015-08-27 06:45:45(続) あえて彩度を落とした情景描写の影には、高度なシンボル操作が横たわっていますが、それがニューウェーブのような審美的な華麗さへいかないで、同時代的テーマの深堀に貢献しています。そこも読んでみたいと思います。
2015-08-27 06:46:04(続) さらに読者を作品世界から離さないためのプラクティカルなワザが、テーマと深く絡んでいる点にもぜひ着目してください。
2015-08-27 06:46:24今週末の日本SF大会「米魂」、オキシは29日12:30からの「ライトノベル作家パネル」、30日11:30からの「SF小説の文章技法」に出演させていただきます。正直ビクビクしています。
2015-08-27 21:29:43