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[改稿版]『当たって砕けて不連年』#10~13

前回投稿分より挿絵追加・大幅改稿版のオリジナル小説『当たって砕けて不連年』まとめその③
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

『当たって砕けて不連年』 #10-1

2015-06-27 22:20:17
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

昨日あまりにも陰惨なコンタクトをとってきた黒幕を警戒し地口と共に登校した。 まあ同じ家から同じ目的の場所へ行くんだし言うまでもないが、俺と地口は天敵同士で有名なのでこの状態を見られればきっと騒がれる。 しかも地口家は学校にかなり近くにありいつもより遅い時間に出ても間に合うのだ。①

2015-06-27 22:20:52
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

つまり、その時間帯には既に学校にクラスメートはほぼ登校しているので俺と地口が談笑しつつ共に登校してきたのを大勢に目撃されてしまった。特に事情を知らない友人がそれを見かける度地口に聞こえない位置に俺を連れて行き、一体どういうことよと根掘り葉掘り聞いてきたので俺はお茶を濁していた。②

2015-06-27 22:23:10
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

俺は今、家が潰されたり死にかけたりと不安定な非日常を強いられている。友達と話すと現実に戻されたようで癒されるが、まだ精神の磨耗からは脱せず冗談を言い合うだけでどっと疲れた。俺はこんなにスタミナ無し男だったかと地口に尋ねると、うんと即答されたので顎を殴った。 即答はひどくないか。③

2015-06-27 22:24:40
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

ちょっと逡巡する素振りを見せたりする位の甲斐性はあってもいいんじゃないのか。 とか、考えていると、地口は 「ほら、そういうとこだよ」 と鼻で笑った。 指摘はごもっともだったが、笑われたのは心外であったため地口の肉のない頬っぺたを両端から思いっきり引っ張った。 こんの減らず口め。④

2015-06-27 22:27:30
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

そんなこんなで。 俺は学校に着いてからたくさんの友達に色々と聞かれ地口と会話していたが、それだけでどっと疲れてイスに腰掛けることもままならなかったので、これは授業は無理だと思い、午前は保健室で休ませてもらうことになった。午後になっても具合が悪いなら、帰ってもいいとのことだった。⑤

2015-06-27 22:29:12
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

保健室。 それは妙に心惹かれる響きを内包した夢の空間である。 常にコーヒーの香りが漂い。 心身ともに癒すベッドに囲まれ。 いつまでも布団の中で心の余裕をもつことを許される現代人にとって夢の部屋なのだ。 俺は疲労困憊を具象成した体をずるずる保健室まで運びうきうき気分で中に入った。⑥

2015-06-27 22:31:20
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

すると、先客がいた。 保健医の先生ではない。 ちゃんと、怪我をしたというか、患者というか、保健室にかかる必要のある生徒だろう。 彼は俺の姿を認めると、すごい勢いでイスから立ち上がり俺の名前を呼んだ。 カーテン越しで最初彼のことを把握できなかったが、その声には聞き覚えがあった。⑦

2015-06-27 22:32:50
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

「・・・・よかった、無事退院できたんだな、横様」 それは、昨日明治さんと晩飯食いにいこう、と誘ってくれた、丁字路三咲の姿であった。 ⑧ pic.twitter.com/ROxDrZrCFG

2015-06-27 22:34:40
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天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

彼は事故直後、目を覚ますと現場で通報した地口に状況や俺のことの説明を受けたあと、俺の安否を確認できないまま退院したのだ。 だから相当気を揉んでたらしいことを話してくれた。俺は心配かけて悪いなとだけ伝えた。 すると、俺以上に精神が不安定だったのか、泣きながら俺に抱きついてきた。⑨

2015-06-27 22:35:41
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

よかった、よかったと何度も何度も俺の背中をばんばん叩いた。 それだけで俺の心の中の何かががらがら崩れ落ち涙となって俺の目にぼろぼろ落ちてきた。 昨日も泣いて今日も泣くことになるとは。 俺を離さないようにしっかり抱きついてる朋友のほうは、まるで昨日の俺のように大声で泣いていた。⑩

2015-06-27 22:37:31
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

とまあ感動の場面ではあるのだがさすがに何も知らない人がその場面を見たら相当戦慄するだろう。 なにせ保健室で野郎が二人、抱き合って大声で泣いてんだから、他の人が怖がって保健室を利用できなくなる。 まあ保健室を二人占めできるからいいかなとか思ってたが保健医の先生が戻ってきちまった。⑪

2015-06-27 22:41:07
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

すごく気まずいことになった。 というか、入学当初から穏和な印象を抱いていた保健医の先生の麗しい口から、まさかリアルな「うわっ・・・・」が聞けるとは思わなかった。 今日はいい日になりそうだ。 クソが。 とりあえず保健医の先生に事情を話し、俺はベッドで休ませてもらうことになった。⑫

2015-06-27 22:45:03
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

『当たって砕けて不連年』 #10-2

2015-06-27 22:45:59
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

ベッド二つを野郎二人で占領してし、先刻中断した話の続きをすることにした。声を出して喋ると怒られそうだったのでLINEを使って俺から声をかける。 どうやら彼は俺がフロントガラスを叩き割り脱出した際腕を破片で怪我してしまったらしく、今日は包帯を取り替えようと保健室に来たらしい。①

2015-06-27 22:46:53
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

じゃ何故寝てる。 さっさと授業出ろ。 サボるヤツは最低だぞとかなんとか友達を非難してみたが、それを茶化されたと勘違いしたようであのときと同じようにでへへへと気持ち悪い笑いをはにかんでいるような顔文字とともに送ってきた。 相変わらずちょっとずれてるが、いつも通りなようで安心した。②

2015-06-27 22:48:45
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

俺は安堵の息を吐いた。 しかし丁字路はそれをため息と勘違いしたらしくベッドを乗り出してきた。 「ごめんテンション違った!?すげえ迷ってさあ!本心か冗談かわかんなくてさあ!」 丁字路の大声はめっちゃ保健室に響きわたった。 俺は口の前に人差し指を立て静かにするように言うが手遅れだ。③

2015-06-27 22:50:11
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

こうして保健医の先生に許可無くベッドで寝てた元気な友人は見咎められ教室へと送られてった。 ドナドナドーナードーナー…。 すると携帯が鳴動した。今強制送還されたばかりの宇宙人からのメールだった。 「ば」 とだけ書かれてた。 奴にしては短いメールだなと思ってたら、またメールが来た。④

2015-06-27 22:52:18
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

「な」 …この一文字ずつ送るのやめて欲しいな。 俺は今精神が不安定なので一向にメッセージが完成しない不安感が増しているのだ。これ収拾つかないんじゃねとかそういう不安もあり俺は早速動悸の虜になりかける、その前に三文字目が届いた。 「なああああああああああああ!」 …………………。⑤

2015-06-27 22:54:01
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

俺は何も見なかったので携帯を静かにしまった。それから俺は何も見なかったので昨日の黒幕の奇襲について考えることにした。 正直、思い出すだけで体温が下がるが、冷静に見れば昨日の一件は現状に対する大きな躍進だった。 まず、黒幕が自ら語った、自らの脳力だ。 …「脳を支配する」脳力。⑥

2015-06-27 22:55:16
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

実際に支配されて、感じた。 あれが幽体離脱なのかと。 自分の意志は確かにあるのに違う自分が体を支配していて俺が望まない行動を起こし何を言っても俺はその行動をやめない。 いくらあのとき地口が俺を信じて戻ってくることを望んだとしても俺は戻らず結局、地口は自分で自分の危機を解決した。⑦

2015-06-27 22:57:12
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

脳を支配されるとはそういうことで、脳を支配された時点で戦闘不能。 黒幕の脳力は非常に手強い。 じわじわと俺を追いつめていく。 次また俺が乗っ取られ、地口の首をまた絞めてしまっても。 俺はきっと抗えず地口を殺す。 そこまで考えて、俺は地口の両親の事故も説明できることに気がついた。⑧

2015-06-27 23:00:22
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

つまり、黒幕は地口の両親の脳を支配してそのまままっすぐ走らせたのだ。赤信号の横断歩道を。 そして、俺の地口の首を話さなかった異常な握力というのは、火事場の馬鹿力というやつで。人間の脳が体を一日でオンボロにしないようリミッターで制限されているのを任意に外すことができるのだろう。 ⑨

2015-06-27 23:00:26
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

と、ここまで思考して結論として計り知れない黒幕の桁外れな脳力値にさらに脅えることになったことを報告しておこう。 「なーに、胸も張れないこと報告してるんだね君ってば」 「おわ」 いつの間にそこにいたのか、地口の顔が直近にあった。 時間帯的に1限が終わった頃なので、今は休み時間だ。⑩

2015-06-27 23:03:00
天界ボラヴル@4月ごろ再開 @vorrrrrrrra_e

どうやら一限目が終わり、十分間しかない休みの 間に保健室に様子を見に来てくれたようだ。 わざわざいちいち良い奴だ。 本当に有難い。 「横様くん具合どう?まあそんなのただの挨拶で、地口は空気も読まずにちょっと横様くんに頭使ってもらおうと思ってるんだけど」 「うん?」 ⑪

2015-06-27 23:06:38
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