とある男の子＆とあるお父さん

K.Nojima @sgwr1

テレビでAKBが水着で歌い踊るCMが流れた時の息子と友人たちの会話。全員小３。「エロいなあ。おれこんなの絶対見ない」「エロいよな。おれも見ない」「あーやだやだ」と全員不自然に画面から目をそらす。君たち。断言するが、あと何年もすると頭の中はそれに支配されるぞ。免疫つけとけ。

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今日息子はスイミングのステップアップテストなのだが、合格したらロイホ、不合格ならココスで晩飯というどっちに転んでもＯＫな条件を出してきた。「そんなの、変じゃないか？」と言うと「だって、不合格ならおうちでご飯っていったらママ、悲しいでしょ」──いや、そこじゃなくて。

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息子にトランスフォーマー（映画）を見せたくてDVDを用意したのだけど「パパ、ぼくはビル壊れるのは嫌いって言ったでしょ」「これはあんまり壊れないよ」「何も壊れないの？」「うーん」「じゃあ見てあげるよ」──そして例の車中のシーン。「パパ、エッチなのはもっと嫌いだよ！」無念。

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昨夜わたくしがぐったりしていたら息子が「パパ、働き過ぎだから休んだ方がいいよ」と言うのですよ。ちょっとジーンとしていたら「ワンピース読むと楽しいよ。でも、うちは２０巻までしかないから、続きを買ったらもっといいんじゃないかな」と。そうきたか。やり口がカツオ化している……

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息子と二人で飯喰ってもあんまり共通の話題もない。仕方ないので息子のクラスのカワナガレ・イサオ君はカッパに似ているよな。泳ぎ得意なんだよな、なんて、実在しない子の話を振ってみた。すると息子「二学期で転校しちゃったよ」と。だんだんぼくの扱いが上手くなってきている。

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パパはおやじギャグたくさん知ってる？と息子（９）に聞かれた。知らん！と応えると「ぼく知ってるよ。夕食まずくてユー・ショック！夜食がなくて、ややショック」──仕入れてきたらしい。悔しいが笑ってしまった。しかし息子よ。おやじギャグの本質はアドリブであり、発するタイミングだ。

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息子がサンタに書いた手紙を盗み見たら「これでおいしいものを食べてください」と６００円同梱されていた。彼の全財産だ。ハイリスクハイリターン狙いか。

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息子の宿題の作文は四百字詰め２枚。「箱根彫こくの森美じゅつ館へ行こうとお父さんがゆったので、ぼくたちは箱根彫こくの森美じゅつ館へ行くことにしました。箱根彫こくの森美じゅつ館は箱根湯本駅から登山鉄道にのって箱根彫こくの森美じゅつ館という駅で～」──文字数稼ぎに必死。

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息子の友だちが遊びにきていて、楽しげな歌と笑い声が聞こえる。木村カエラの「バタフライ」の出だしをエビフライとかアジフライに替える遊びだ。それを聞きながらぼくは「ドン・フライ」を思いついたのだけど、わからんだろうなあ。

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息子がもっと小さい頃から「よし、そんなこと言うなら区役所行って名前を変えてもらう。約束破太郎にする」「ズボン逆男にしよう」「嘘付き也がいいな」とか言い続けてきた結果、手続きなどで区役所へ行くというと、やたらと警戒する。

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９歳になった息子が憎たらしいことを言ったので「あの、２歳の可愛かった君はどこにいるんだろう。中に隠れているのかな？おーい」と呼びかけたら「あの子、駒沢公園に捨ててきたよ」と言われた。悔しい。

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息子が言った。「パパ、ニカラグアって知ってる？」「国の？」「うん。ぼくね、ニカラグアのギャグを考えたんだよ。いい？数をかぞえるよ。ゼロ、イチ、ニカラグァァアアアアーーーーッ！」そして自ら爆笑。ぼく呆然。レッド吉田系。明日学校でみんなに披露するそうだ。休ませようかな……

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妻が「ほら、アレをアレしておいて」と言った時に、真っ向「最初のアレと次のアレはなに？」と聞き返す息子に憧れる。

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息子に「パパ、ぼくがゾンビになったらすぐに銃で撃ってね。頭だよ」と言われ、その場面を想像して泣きそうなった。「うち、ピストルないぞ」と笑ったら、お巡りさんの借りればいいよ、と。また泣きそうなった。息子がゾンビになりませんように！

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息子がCMソングなどをすぐに覚えてしまうのに感心して「きみの脳みそは凄いなあ」と言ったら「うん、スカスカだからね」と得意そうに。

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息子がまだ４歳くらいの頃「パパ、知ってる？　ぼくが夜に寝ると、起きたら朝になってるんだよ。すごいでしょ」と自慢され、うまく切り返せなかったことは今でも悔しい。

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息子（９）が寝る前に何を思ったか「パパ、もしぼくが今日死んでたら、どうする？」と訊くので「あんたのぶんまで楽しく生きるよ」と応えたら「そんなのずるい！よし、ぼくは寿命がなくなるまで死なないぞ」と憤慨して就寝。たのみますよ、ほんとにもう。

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息子（９）はテレビを観ていて知らない言葉が出ると「どういう意味？」と訊いてくるのだが最近「性的下ネタ用語」は訊いてこなくなった。無表情で観ている。成長だ。

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息子（９）のケータイの待ち受けが「春に食べたおいしいお肉」だった。なんだか切ない。 pic.twitter.com/cZTk0Rap

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久しぶりに授業参観的なものへ行った。息子の級友が、ぼくが横にいるってのにデカイ声で「なんでおまえの父さん髪長いの？」訊いた。すると「どうぶつの森２本買っちゃったから髪を切るお金がないんだよ」との返答。ギャグなのか？ボケたのか？向こうは納得してたぞ。いいのか？

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そういえば。息子(10）が散らかした消しゴムカスを指して「見ろ、カスがゴミのようだ」と言ったら「ゴミだよ。それに、ムスカじゃないでしょ」と両方とも突っこまれて、感心してしまった。

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リサーチの結果、息子(10)の小遣いが週300円に決定した。「毎週月曜に300円あげるのと月初めに1200円あげるのではどちらが良いか選べ」と告げたところ、カレンダーの月曜を数え始めた。しかしまだ結論は出せないようだ。悩むがよい！

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早朝。息子（１０）がイヤホン使ってゲームをすると５倍楽しいらしいとか言い出し、貸せといってきた。「これは3DSより高いんだからな、気をつけろよ。それから耳に良くないから音量は小さくな」と勿体ぶって渡したところ、耳の穴が小さくて入らない。久しぶりに愛おしいと思った。ああ。

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「えっちなポスターだな」と息子に言うと彼は「そんな恥ずかしいこと言わないでよ」と怒る。「えっち」がイカンらしい。「じゃあ、なんて言うんだ」と訊くと「えろい」だよ、と。彼の周辺ではそっちが主流らしい。変わりゆく日本語。ちがうか。

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息子が母親の誕生日用にこそこそ（でもバレてる）花束を買いに行った。所持金1000円。しかし持ち帰ったのはとてもそうは見えない。WEBサイトで確認したら「アレンジ1500~」となっていた。この花屋さんに忠誠を誓うことにする。