作家・門松一里さんによる、【田中泰延のエンタメ新党における第三の視点】
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【第三の視点について】 前述の『小林市フランス語CMから考える「第三の視点」(togetter.com/li/868529)』でも簡単に説明しましたが、もうすこし田中泰延さん(@hironobutnk)のエンタメ新党の「第三の視点」について述べたいと思います。
2015-09-03 15:11:39「第三の視点」とは、ディベートルール(4)の「第三者を説得する」ための証拠資料(エビデンス)を使った、賛成(肯定)か反対(否定)かを判断する第三者から視点です。 cf. 瀧本哲史『武器としての決断思考』(2011年)P58、P196
2015-09-03 15:12:05今まで〈創作者(発信者)〉→〈視聴者(受信者)〉という一方通行だったものが、第三の視点によって、〈創作者(発信者)〉の立場から考えられるし、〈視聴者(受信者)〉の立場からも考えられる状況ができます。
2015-09-03 15:12:27ただし、第三の視点から物事を判断するには、証拠資料(エビデンス)が必要になります。ディベートであれば賛成(肯定)であっても反対(否定)であっても提出されます。「ある男性が書店でマンガを買った」というだけでは、第三の視点から判断できません。
2015-09-03 15:12:51これまでは〈創作者(発信者)〉にとって都合のよい、伝えたいこと(メリット)だけを発信していました。一方通行だった〈視聴者(受信者)〉はその伝えたいこと(メリット)だけを受け取るしかありませんでした。
2015-09-03 15:13:09〈創作者(発信者)〉は、伝えたくないこと(デメリット)が何かを明らかにしたくないですし、〈視聴者(受信者)〉に考えさせたくないですから、伝えなくてもよかった訳です。なにしろ判断するべき証拠資料(エビデンス)を持っているのが、〈創作者(発信者)〉だけだったからです。
2015-09-03 15:14:45もっとも、賢い人は伝えたくないこと(デメリット)の「裏をとる」ことで、証拠資料(エビデンス)を手に入れていました。しかしその証拠資料(エビデンス)が正しいかどうか不安になりませんか?
2015-09-03 15:14:58証拠資料(エビデンス)には、「(1)資料の拡大解釈、(2)想定状況のズレ、(3)出典の不備、(4)無根拠な資料」という誤りがある可能性があります。 cf. 瀧本哲史『武器としての決断思考』(2011年)P209
2015-09-03 15:15:16では、田中泰延さん(@hironobutnk)のエンタメ新党の「第三の視点」はどうでしょうか。 machikado-creative.jp/author/09/
2015-09-03 15:16:07田中泰延さん(@hironobutnk)は「かならず自腹で払い、いいたいことを言う」をルールにしています。これは「〈創作者(発信者)〉の立場からも言う」し、「〈視聴者(受信者)〉の立場からも言う」ことです。メリットとデメリット両方が書かれています。そしてネタバレ(!)です。
2015-09-03 15:16:26今までの〈創作者(発信者)〉は、そんなことをしたら台無しになると考えていた訳です。ですが、田中泰延さんのエンタメ新党はどうですか? おもしろいでしょう? 結論が先にあって、両方の意見があり、それが本当かどうか確かめる訳です。これをミステリーで倒叙(とうじょ)といいます。
2015-09-03 15:17:43倒叙(とうじょ)は、『刑事コロンボ』で有名ですね。『古畑任三郎シリーズ』もあります。魅力ある俳優を使うと犯人だとすぐにバレてしまうので、先に犯人をバラしておいて、コロンボに推理させる訳です。実はコレ、フョードル・ドストエフスキーの『罪と罰』からです。
2015-09-03 15:18:08田中泰延さん(@hironobutnk)はメリットとデメリットと結論の三位一体に「(1)資料の拡大解釈、(2)想定状況のズレ、(3)出典の不備、(4)無根拠な資料」をボケに使っています。「(1)それ言い過ぎ、(2)それは違うでしょ、(3)元から違うでしょ、(4)真っ赤な嘘」です。
2015-09-03 15:18:35つまり、田中泰延さん(@hironobutnk)のエンタメ新党は、かなり高度なディベート形式の書き方をしているのです。 machikado-creative.jp/author/09/ 【了】
2015-09-03 15:18:59