平成27年 予備 論文 刑法 その6 答案例

予備校の参考答案とはかなり異質です しかし 山口先生の出題趣旨に沿っていると思います 出題趣旨が公表されたら 確認してください
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羽廣政男 @m_hahiro

同一機会における共謀行為であっても,共謀の対象が2個(業務上横領及び贈賄)なので,共謀行為は1個の行為ではない。 以 上

2015-09-06 07:03:36
羽廣政男 @m_hahiro

(2) なお,乙は,共謀にのみ関与し,複数の実行行為をしていないので,「一個の行為が二個以上の罪名に触れ」るものとして観点的競合(刑法第54条第1項前段)になるやにも思われるが,

2015-09-06 07:02:29
羽廣政男 @m_hahiro

3 罪数 (1) 業務上横領罪(刑法第253条)の共同正犯(刑法第65条第1項)と贈賄罪(刑法第198条 包括一罪)の共同正犯(刑法第60条)とは,確定裁判を経ていない二個以上の罪なので,併合罪となる(刑法第45条前段)。

2015-09-06 07:01:32
羽廣政男 @m_hahiro

(2) 構成要件該当事実への重要な因果的寄与による,その実質的共同惹起が存在するので,乙につき,受託収賄罪に対応する贈賄罪の共同正犯が成立する(刑法第60条)。贈賄罪は身分犯ではないので,適用法令は,刑法第65条ではない。

2015-09-06 07:01:04
羽廣政男 @m_hahiro

2 国家に対して (1) 甲に受託収賄罪に対応する贈賄罪を依頼した行為を検討する。

2015-09-06 07:00:41
羽廣政男 @m_hahiro

(4) 乙につき,業務上横領罪(刑法第253条)の共同正犯が成立する(刑法第65条第1項)。

2015-09-06 07:00:14
羽廣政男 @m_hahiro

からすると,乙は,構成要件該当事実への重要な因果的寄与をしているのであって,その寄与の程度は教唆とは異質であって自らの利益を確保するものだから,その実質的共同惹起が存在すると考える。

2015-09-06 06:59:57
羽廣政男 @m_hahiro

これを本件についてみるに,①犯行の前(乙は営業部長を降格すると言い渡されたこと。甲は乙に恩義を感じ,それを乙は認識していたこと。),②犯行中(甲は専ら乙を助けることを目的で実行行為を分担したこと),③犯行後(乙はB市と契約することができたことによって降格を免れたこと)

2015-09-06 06:59:33
羽廣政男 @m_hahiro

(3) そこで,同項の「共犯」に共同正犯が含まれるか否かが問題となるも,含まれると考える。すなわち,刑法の目的は法益の保護にあるので,構成要件該当事実への重要な因果的寄与による,その実質的共同惹起が存在する場合,共同正犯になると考える。

2015-09-06 06:58:54
羽廣政男 @m_hahiro

所有権のみを法益とし,委託関係を法益としないので,委託物横領罪とは罪質が異なるからである。

2015-09-06 06:57:45
羽廣政男 @m_hahiro

)。「業務上」「占有」者たる身分(2重の身分)がなければ,委託物横領罪は成立しないので,乙につき,同条第1項が適用されると考える。 なぜなら,遺失物等横領罪は,第38章横領の罪の中に規定されているものの,

2015-09-06 06:56:44
羽廣政男 @m_hahiro

(2) 乙は,「業務上」「占有」者たる身分がないので,刑法第65条(身分犯の共犯)の問題となるところ,文理に従い,同条第1項は真正身分犯の規定であり,同条第2項は不真正身分犯の規定であると解する(判例

2015-09-06 06:49:38
羽廣政男 @m_hahiro

第4 乙の罪責 1 A社に対して (1) 甲に業務上横領行為を依頼した行為を検討する。

2015-09-06 06:49:04
羽廣政男 @m_hahiro

3 罪数 業務上横領罪(刑法第253条)と贈賄罪(刑法第198条 包括一罪)とは,確定裁判を経ていない二個以上の罪なので,併合罪となる(刑法第45条前段)。

2015-09-06 06:48:42
羽廣政男 @m_hahiro

(2) この贈賄罪は,先述(第1 丙の罪責)したとおり,受託収賄罪(刑法第197条第1項後段)に対応するものであって,加重収賄罪(刑法第197条の3第1項)に対応するものではない。

2015-09-06 06:48:15
羽廣政男 @m_hahiro

贈賄罪(刑法第198条)が成立し,包括一罪となる。

2015-09-06 06:46:45
羽廣政男 @m_hahiro

2 国家的法益に対して (1)甲は,丙に対して,「そのお礼として50万円を渡したい。」と申し入れ,丙は,「分かった。」と言い,丙の意を受けた妻丁に対して,封筒に入った50万円を渡した行為について,「申込み」「約束」「供与」という一連の行為があるので,

2015-09-06 06:46:33
羽廣政男 @m_hahiro

(4) 違法性阻却事由及び責任阻却事由はないので,甲につき,業務上横領罪(刑法第253条)の正犯が成立する。

2015-09-06 06:46:01
羽廣政男 @m_hahiro

(3) ただ,甲は,乙に対して恩義を感じていたことから,専ら乙を助けることを目的としているので,幇助(刑法第62条第1項)ではないかが問題となるも,それは,主観的な正犯理解の行き過ぎであり,実行行為(構成要件的行為)全部の自手実行がある以上,正犯といわざるをえない。

2015-09-06 06:45:45
羽廣政男 @m_hahiro

また,甲は,用度品を購入する場合に限って,その権限において,用度品購入用現金を支出することが認められていたので,公共工事の受注業者としてA社を選定のお礼として50万円を用いたことは,「横領」である。以上の客観的構成要件に対応する故意もある。

2015-09-06 06:45:11
羽廣政男 @m_hahiro

(2) 甲は,A社の総務部長として,用度品購入用現金を手提げ金庫に入れて管理しているので,その中の50万円は,「業務上」「自己の占有する」「他人の物」である。

2015-09-06 06:44:46
羽廣政男 @m_hahiro

第3 甲の罪責 1 A社に対して (1) 手提げ金庫の用度品購入用現金の中から50万円を取り出した行為について,業務上横領罪(刑法第253条)の構成要件(業務上自己の占有する他人の物を横領した者)を検討する。

2015-09-06 06:42:12
羽廣政男 @m_hahiro

(5) これは,間接正犯に対応した故意ある幇助的道具ではなく,直接正犯に対応した幇助である。

2015-09-06 06:41:45
羽廣政男 @m_hahiro

妻丁は,封筒に入った50万円を甲から受領しこれを夫丙に渡しているので、構成要件該当事実である「収受」への重要な因果的寄与をしているものの,丁は,帰宅した丙に封筒のまま渡したので,その実質的共同惹起をしているとまではいえない。

2015-09-06 06:41:28
羽廣政男 @m_hahiro

(4) すなわち,丁が甲から封筒に入った50万円を受領した行為は,実行行為である「収受」ではなく,封筒の機械的受け渡し行為に過ぎない。

2015-09-06 06:41:12